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「演劇のチカラ」特別編

2016年2月29日(月)

「演劇のチカラ」特別編
「彼女たちの“初めの一歩”」

「彼女たちの“初めの一歩”」

番組のナレーションを担当する吉本実憂さんが、福島県立いわき総合高等学校の演劇部を訪ねます。「演劇のチカラ」で講師を務めた、劇作家の平田オリザさんが長年指導を行っている演劇部です。この演劇部の特徴は、自分たちの実体験を基に芝居を作っていること。原発事故の影響で今も避難生活を送る2人の女子高校生。これまで人には話せなかった実体験を芝居にします。心にしみる特別編。同年代の吉本さんが、彼女たちの思いを伝えます。

福島第一原発から40キロの町、福島県いわき市。いわき総合高校演劇部は、「演劇のチカラ」の講師、劇作家の平田オリザさんが14年前から指導する名門演劇部です。間近に迫った公演に向け、稽古の真っ最中!タイトルは「CUQP(シーユーキューピー)」。生徒それぞれが、自らの体験を台本にし、それを自分自身で演じる、オムニバス形式のお芝居です。高校生たちは、友達にも言えなかった気持ちや真情を、お芝居の中で吐露しています。

2011年3月11日の場面。生徒たちが、震災発生直後にいわき市で起きたことを語る中、2人の転校生が登場します。秋元菜々美さんと松本五月さん。原発から10キロの町、富岡町から避難してきました。富岡町夜ノ森地区は今も帰還困難区域に指定されていて、入るには富岡町役場の特別な許可が必要です。秋元さんと松本さんは幼馴染でしたが、原発事故後の避難生活で離れ離れに。事故からおよそ2か月後、千葉で再会を果たします。

いつか故郷に帰る日を願って「お互いに頑張ろう」と別れたものの、その後2人とも徐々にふさぎ込むようになります。福島出身というだけで、周囲の反応がぎこちないものに。転校先の場面では、気を遣われることを逆に気に病み、自分の殻に閉じこもっていく様子が描かれています。秋元さんは、暮らせなくなった故郷の象徴を小道具で表現しました。そんな2人の転機となったのは、いわき市に引っ越し、高校の演劇部に入ったことでした。

実体験を基に芝居を作ることになり、避難生活で起きたことやそのとき感じたことを、演劇部の友達に正直に話しました。そのことが、自分を見つめ直すきっかけとなった秋元さん。お芝居の中で、「ちゃんと周りと関わって、どんな反応でも受け止めたいって思うんだよね」と語ることができました。演劇作りに不可欠な対話が、心の殻を溶かしてくれたのです。演劇を通して成長し、大学へ、社会へと“初めの一歩”を踏み出す高校生たち、頑張れ!

ナレーション吉本実憂のつぶやき

私が訪ねた、いわき総合高校演劇部の特別編です。実体験を基に、自分で自分を演じるお芝居です。おとなしかった秋元菜々美さんは、この演劇部に入ったのを機に変わったといいます。“演じる”ことで自分を見つめ直す、というのは私も分かります。私はまだ、舞台の経験がありません。お客さんが目の前いて、リアクションが返ってくるって、すごく怖いことだと思います。初日は逃げ出したくなるくらいの緊張感だといいます…嫌いじゃないかも!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【伊達】演劇を通して、自分の殻をやぶって、周囲の人とコミュニケーションをとろうとする高校生たち、これからも頑張ってほしいですね。
【富澤】おれは、新人デカ・吉本実憂の感想が気になるな。

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