放送内容

これまでの放送へ

聴くチカラ 第4週

2016年1月25日(月)

聴くチカラ
第4週「ガンジー和尚の聴くチカラ~“傾聴”の道も一歩から~」

「ガンジー和尚の聴くチカラ~“傾聴”の道も一歩から~」

被災した人の心を癒やす「聴くチカラ」を学ぶため、さまざまな修行をしてきた塾生4人。いよいよ最終課題に挑みます!『塾生だけでカフェを開く』という難題の舞台は、宮城県石巻市にある仮設住宅。講師の金田諦慶さんたちの“カフェ・デ・モンク”の傍らで開くとあって、塾生たちは工夫を凝らします。はたして“聴く”ことができたのでしょうか?中でもひときわ、この日にかける塾生がいました。その思いとは?「聴くチカラ」最終回です!

傾聴に挑む塾生たちは、仮設の人たちが話しやすくなる雰囲気を作るため、いろいろと準備をしてきました。新年の抱負や希望を書いてもらうミニミニ絵馬は、話のきっかけ作りを狙います。足湯を用意した坂口歩夢さんは、普段から足湯ボランティアとして仮設住宅を回っています。半日以上煮込んだ玉こんにゃくも用意しました。傾聴ボランティアに気合い十分の塾生たち。中でも、宮城県東松島市出身の伊藤健人さんは、この日にかけていました。

伊藤さんは、5年前の大津波で4人の家族を亡くしました。震災後、なかなか気持ちの整理がつきませんでしたが、「悲しんでばかりもいられない」と、この春から地元の市役所で働くことを決めました。今までは言葉を受けて支援される側だったけれど、これからは被災した人たちを支える側になろう。それには、“聴く”ことが必要になるのではないかと、今回の未来塾に参加したのでした。いよいよ、塾生だけのカフェがスタートです!

『カフェ・デ・あがいん』。あがいんとは宮城県の方言で、召し上がれ。“again”とかけて、もう一度、これからのことを話し合いたいという意味も込めました。伊藤さんの課題は、「自分のことを語らず、相手の話したいこと引き出す」こと。ある男性に話しかけられ、最初は良い感じで合わせます。しかし、話が震災のことになると、思わず自分のことをしゃべってしまいました。そうしている間に、カフェ・デ・あがいん、終了です。

塾生たちは、さまざまな人の話を聴きましたが、目的の“心を癒やす”まではいけませんでした。最後に金田さんは、「心を聴く」と題したメモを配りました。そこには、傾聴をする人間のあるべき姿が18か条にわたってまとめられていました。そして、「半径20m以内の人たちの傾聴をしてください」と伝えました。「そうして少しずつ範囲を大きくしていけば、30年後、このようなことがあったとき、あなたたちの出番です」と助言しました。

「心を聴く」18か条

  • ◎ 社会で起るあらゆる出来事を整理し理解出来る人
  • ◎ その出来事から起こりうる人間の喜怒哀楽をイメージ出来る人
  • ◎ その喜怒哀楽から起こりうる人間の心の動きに対処できる人
  • ◎ あらゆる土地の歴史・精神風土・信仰・言語を理解できる人
  • ◎ あらゆる宗教・信仰の有り様に精通している人
  • ◎ あらゆる儀式とその意味について理解し、そして行える人
  • ◎ 他者の価値観から物事を考えられる人
  • ◎ 他者が語る物語に虚心に耳を傾けられる人
  • ◎ 他者の価値観から解決への物語を語れる人
  • ◎ 自己の信仰に基づき、自己の身体、心の維持についてストイックな人
  • ◎ 自己と他者の境界線が限りなく透明な人

  • ◎ 自分自身で現場を見つける能力を持てる人
  • ◎ 悲しみを引き寄せる力を持っている人
  • ◎ 風のように現れ、風のように去りその痕跡を残さない人
  • ◎ いつも暇げな佇まいをしている人
  • ◎ あらゆる業種との間で共同・協調作業が出来る人
  • ◎ 遙か遠い宇宙の彼方からの視点を持っている人
  • ◎ 限りなく人間という存在が愛おしい人

傾聴移動喫茶 カフェデモンク
マスター 金田 諦應

金田諦應さんのまとめ

「切に他を思う心が、すべてを動かしてるんだと思います。そういうものが自分の心の中に育ってないと、熟成されてないと、傾聴、本当の声って聴こえてこない。そこに居ることすらできないと思う、つらくて。この“いとおしい”っていう気持ちが、そこに居させてくれるんだと思う。それが一番大切なのかなと。ここが出発点になって。出発点、問いの始まりですから。1日、2日、3日でできる話じゃない。皆さんの中に芽生えたものを、熟成させてください。」

ゴールデンルール

『「人を愛おしむ心」を熟成すれば 本当の声が聴こえてくる』

金田諦應さん(59歳) 僧侶

1956年生まれ、曹洞宗通大寺住職。宗教者ならではの心のケアを行っている「臨床宗教師」でもある。震災直後の2011年5月から、被災者に対して「傾聴活動」を行う“カフェ・デ・モンク”を主催。移動式の喫茶店で、軽トラックにコーヒーやケーキなど道具一式を積みこみ、様々な宗派の僧侶・牧師が、週に1度仮設住宅などを訪問。話を聴くことで、被災した人が抱える“心の問題”に寄り添っている。“傾聴とは決して施しを与えることではない。伴走し、未来への物語を作る手助けをすることである”(金田)

ナレーション吉本実憂のつぶやき

塾生たちだけのカフェが開催されます。カフェの名前が素敵です。二重の意味があるんです、温かい気持ちになります。金田諦應さんの最後の講義で、塾生の伊藤健人さんが答えた、「任されます」という言葉が、心に響きました。今回、「聴くチカラ」は最終回ですが、スタート地点に立ったような気持ちになりました。塾生たちの“傾聴”はこれからですね。最後の最後に、傾聴は本当に奥が深い!と、改めて感じました。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】カフェ・デ・あがいん、やっぱり難しかったねぇ。
【伊達】でも、塾生にとってはこれからの糧になったと思います。今回学んだ「聴くチカラ」は、日常でもどこでも使えるチカラですからね。
【富澤】そうだね。今度は、お前の話を黙って聴く漫才をやってみようかな
【伊達】そうなると、俺の漫談になるけどね

※NHKのサイトを離れます