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アンサンブルのチカラ 第2週

2015年11月9日(月)

アンサンブルのチカラ
第2週「大友良英 音遊び塾 盆踊りをなめんなよ!」

「大友良英 音遊び塾 盆踊りをなめんなよ!」

今月の講師、音楽家の大友良英さんは、毎年夏に福島県福島市で音楽フェスティバルを開催しています。この町で10代のころを過ごした大友さんは、震災後、人々が集い、語り合う場を作ろうと考えたのです。「フェスティバルFUKUSHIMA!」。塾生たちは大友さんの実家に泊まり込んで、準備を手伝ってきました。音楽フェスのメインイベントは、大友流盆踊り!「アンサンブル」と「盆踊り」ってどんな関係があるの?塾生たちが全力で体感します。

フェス本番の2日前、大友さんは塾生たちを、福島市郊外の農家に連れてきました。訪ねたのは100年近く続く果物農家の3代目、安斎一寿(かつじゅ)さんです。果樹園のある福島市は、事故のあった原発から約60キメートル離れています。しかし、震災から4年経った今でも放射線の自主検査が求められているのです。安斎さんは、より精度の高いものを求めて県外の施設に検査を依頼し、その結果をお客さんに向けて震災当時から公表しています。

放射線と風評被害に真正面から戦う安斎さんの生き方に、大友さんは強くひかれています。震災前、安斎さんは息子・信也さんと果樹園を切り盛りしていました。孫も生まれ、これからという時、震災は起きました。震災後、信也さんは放射能から子どもを守るため、家族で北海道へ移住。大友さんは、安斎さん親子の選択を、「どちらもいいなと思う」と言います。それぞれ意見を出し合いながら、どうしていくかを考えていく、それが大切なのだと。

大震災と原発事故によって多くの人の暮らしが変わったからこそ、年に一度、“集い”“踊る”音楽フェスティバルがあってもいいんじゃないか、と大友さんは考えています。いよいよ、今年の「フェスティバルFUKUSHIMA!」スタート!「祭りの最中は言葉になるようなことは考えなくていい」。塾生たちも浴衣に着替えて、音楽の楽しさを体感します。日が暮れると、メインイベントの盆踊りです。大友さんオリジナルのこの盆踊りは、生演奏で踊ります。

大友流盆踊りは、手をつなぐ振り付けが多いのも特徴です。自然と隣の人との距離も縮まります。演奏する人、歌う人、踊る人、見守る人。演奏者と観客の垣根を越え、会場に来たすべての人がコラボする、これが大友流アンサンブルです。「音楽は伴奏。踊りの伴奏でいい」。大友さんの考える音楽の魅力は、聞く人の人生に寄り添い、時に励まし、時に慰めてくれることだと言います。一年に一回限りの音楽フェスは今年も盛り上がり、幕を閉じました。

大友良英さんのまとめ

「音楽は伴奏だと思っている。テレビの伴奏もそうだし、歌の伴奏もそう。だから、来た人の伴奏になればいい。踊りの伴奏でいい。“みんなが一つになる”って、震災後、すごくよく言われたけれど。もちろん、一つにならなきゃできないこともある。けれど、一つにならないからって、イライラするのはよくない。一つにならないまま、楽しくやっていくのが音楽だと思う。」

ゴールデンルール

「みんなが一つにならなくてもイライラするな!音楽があるじゃないか」

大友良英さん(56歳) 音楽家

1959年、横浜生まれ。実験的な音楽からジャズやポップスの領域までその作風は多種多様、その活動は海外でも大きな注目を集める。近年は「アンサンブルズ」の名のもと、さまざまな人たちとのコラボレーションを軸に展示作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、一般参加型のプロジェクトにも力をいれている。震災後は十代を過ごした福島でプロジェクトを立ち上げ、2012年、プロジェクトFUKUSHIMA ! の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門受賞。2013年には「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞他数多くの賞を受賞。2014年、国際交流基金とともにアンサンブルズ・アジアを立ち上げ、音楽を通じたアジアのネットワークづくりにも奔走している。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

盆踊り…かつて地元で踊りました。そのときの私は、踊ることがすごく恥ずかしかったです。でも、大友良英さんの盆踊りは、恥ずかしがる人なんて一人もいません!参加者全員が楽しそうで、すばらしいと思いました。大友さんの、「祭りの最中は何も考えなくてもいい」「言葉は後から付いてくる」という言葉は、共感しました。塾生たちがどれだけ集中して踊っていたかは、踊り終えたコメントから伝わりますよ!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【伊達】次回、大友さんは、塾生たちをベトナムへ連れて行きます!
【富澤】塾生はベトナムで、何か大友さんから課題が出るの?
【伊達】そうなんですね。いつものように大友さんから、突然、かなりのムチャ振りがさく裂するんです。

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