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空間を作るチカラ 第3週

2015年10月19日(月)

空間を作るチカラ
第3週「隈研吾の空間作り講座~君たち、上から目線になってない?~」

「隈研吾の空間作り講座~君たち、上から目線になってない?~」

「空間を作るチカラ」の塾生は、東北の大学で建築を学ぶ5人。前回、講師の建築家・隈研吾さんが復興計画に携わっている宮城県南三陸町を訪れ、「建築のチカラで再び人を呼び戻すプランを考え、模型で示す」という課題に挑みました。しかし全員、厳しいダメ出しをされ、袋小路に迷い込んでしまいます。そこで隈さんは、塾生たちをフィールドワークへ連れ出します。隈さんが設計した、その建築物の屋上にはメダカが泳ぐ!?そのこころは…。

前回、講師の隈研吾さんからダメ出しを受けた塾生たちは、「町の人たちが喜ぶ建築とは何か?」を考えるために、南三陸町を尋ね歩きます。再び公園を訪れ、志津川小学校設立の石碑を見つけた塾生の佐藤毅さんは、教育的な空間にできないかと考えます。一方、最初のプレゼンで隈さんから唯一ほめられた大塚楓さん。地域の子どもたちが遊べるような場所作りをイメージしていましたが、地元の文具店で話を聞き、方向性を変えることにしました。

実はすでに2回やり直しをしている塾生たち。通算3回目となる“隈さんチェック”を受けます。隈さんは、おもむろにしゃがみ込み、目線を下げて模型をチェック。公園を、教育的な空間にと考えた佐藤さんは、2つの大きな建造物を作りました。模型を見た隈さんは、「実際に人がどう使うのか、十分に考えられていない」と指摘。また、大塚さんも、最初のプランから整理された模型を「普通の公園施設になった」と、ダメ出しされてしまいました。

「塾生たちは建物だけを考えていて、袋小路に陥っている」。そう感じた隈さんは、翌日、南三陸町から約430kmの場所に塾生を集めました。東京・池袋。隈さんが設計した豊島区新庁舎を案内します。風が通り、柔らかな光が注ぐ建物にした理由は、立地環境にありました。高層ビルが立ち並ぶ繁華街と昔ながらの緑が残る地域が接する所。この異なる2つの地域を緑豊かな高層ビルで融合させ、周囲の暮らしに溶け込ませようとしたのです。

「東京でこそ、自然素材を使って、環境と融合できないか」と、隈さんは考えたのでした。塾生たちに豊島区新庁舎を紹介した最後、設計の背景を話してくれました。「自然と一緒に建築をつくりたい、自然と一緒の町に住みたいという遺伝子が、日本人の中には昔から流れている。日本の町は本来、環境と融合する素質を持っているが、ここ何十年間はコンクリートと鉄で都市をつくってきてしまった。でも日本人は、それに満足できないと思う」。

隈研吾さんのまとめ

「『僕は、環境をこんな風に大事にしました』の、“こんな風に”を、みんなが思い付かなかったことを考えると「プロはすごい」となって、その施設が輝くわけ。環境を大事にするのも、自分のお母さんを大事にするのも、同じようなものなんだよね。『僕はお母さんを大事にしました』って言うだけじゃ足りない。もっと気の利いたやり方で、お母さんが『こんなに大事にしてくれたの!?』って思うようなやり方で、お母さんを大事にしなきゃいけない。その“お母さんの喜ばし方”が、プロはプロらしく“一味違う”というものを必要とするわけ。」

ゴールデンルール

「母なる環境を慈しめ そしてプロらしく表現せよ」

隈研吾さん(61歳) 建築家

1954年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学、コロンビア大学建築・都市研究学科客員研究院を経て、1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立。「第5期歌舞伎座」(2013)、スペイン「グラナダ・パフォーミング・アーツ・センター」(2008)など世界を股にかけ活躍する建築家。東北にも自身が設計した建築が数多くあり、震災直後から支援活動に取り組む一方、さまざまな場所で震災後の街づくりについて提言をしてきた。現在は、南三陸町志津川地区沿岸部に建設予定の商業地区のグランドデザインを担当。復興の最前線で活躍している。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

今回は「上から目線」がキーワードです。講師の隈研吾さんの"目の高さ"がすばらしいと思いました。さすが世界的な建築家は一瞬で、遊ぶ子どもの目線が分かるんですね。言われてみればその通り、落っこっちゃいますよね(笑)。設計した建築物を通して、隈さんの優しさが伝わる今回なのですが、塾生たちが試行錯誤しながら作った模型に次々ダメ出しをしていく、隈さんの厳しさを感じる回でもあります。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【伊達】次回は、これまで3回もダメ出しを受けた塾生たちの最終プレゼンでございます。場所は、隈さんの研究室がある東京大学ですね。
【富澤】俺らが通った学校じゃないか。
【伊達】通っていません、高卒です。
【富澤】何がつながって、どんなストーリーができたの?
【伊達】それは次回のお楽しみです。

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