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空間を作るチカラ 第2週

2015年10月12日(月)

空間を作るチカラ
第2週「隈研吾の空間作り講座~君たち、頭の中だけで考えてない?~」

「隈研吾の空間作り講座~君たち、頭の中だけで考えてない?~」

建築家の隈研吾さんから学ぶ「空間を作るチカラ」の舞台は、東北へ移ります。宮城県南三陸町にある志津川。隈さんは現在、かさ上げ工事が進む沿岸部に作られる商業地区のグランドデザインを任されています。そして、東北には、かつて大きな挫折を味わった隈さんが、立ち直るきっかけとなった建物があるんです。人を幸せにする建築とは何か?を考えてほしいという隈さん。全員東北の大学で建築を学んでいる塾生たちに課題を出しますが…。

宮城県南三陸町。講師の隈研吾さんがまず塾生たちを連れてきたのは、仮設のさんさん商店街です。急ごしらえの商店が並ぶ様子が、絶妙な生活感を醸し出し、大きな魅力になっています。新しい商業地区のグランドデザインを任されている隈さんは、移転するにあたり、この魅力を損なわないようにしようと心に誓っています。しかし、本設で仮設の魅力を生かすことは難しく、同時に建築家としてやりがいがある大きな課題だと話してくれました。

隈さんが再建で懸念しているのは、かさ上げにより、人々の暮らしから、海や川が遠くなってしまうのではないか、ということ。そこで、新しい商店街をできるだけ海に近い所に作り、水と触れ合うことができる空間を設計しました。堤防に階段を付けて、気軽に水辺に降りたり、座って川を眺めたり。隈さんは、こうした計画を地元の人と何度も話し合い、練り上げてきました。対話を重ねながら、利用する人にとって居心地の良い空間を探るのです。

隈さんがこのような姿勢を持つようになったのは、若い頃の苦い経験が原因だといいます。37歳のとき、設計した自信作は酷評され、仕事が激減。そんなとき、登米市から依頼が舞い込みます。通常の10分の1の予算で能楽堂を建てるというもの。地元の人々に相談し、会話しながら設計した『森舞台』で、隈さんは日本建築学会賞を受賞。「使い道がないと言われないことが一番大事」。このときの"利用する人との対話"が、今の隈さんの礎です。

人を幸せにする建築とはなにか?それを塾生たちに考えさせるため、隈さんは課題を出します。志津川の上の山緑地公園に、再び人が集うような建築物を考えること。未来を生きていく南三陸の人たちの生活にとって、何か意味を持つパビリオンを、模型を作って表現せよというのです。4時間後、隈さんの講評は、良い点を褒めることから始まりました。次に、厳しい言葉も。良い点、悪い点併せて、塾生たちに建築家として必要な視点を伝えました。

隈研吾さんのまとめ

「ダメだと思っても、とりあえず模型にしてみようって。僕なんかもそう、とりあえず模型にしてみると、"これ、ちょっと直せばダメ案じゃなくなる"という風になるから。フリーズしない。絶えず手を動かして、まず模型にしてみる。そうすると、その良いところも、悪いところも見えてくる。そういう感じでこれから進めていきなさい。」

ゴールデンルール

「まずは形にせよ ダメ案の問題点が見えてくる」

隈研吾さん(61歳) 建築家

1954年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学、コロンビア大学建築・都市研究学科客員研究院を経て、1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立。「第5期歌舞伎座」(2013)、スペイン「グラナダ・パフォーミング・アーツ・センター」(2008)など世界を股にかけ活躍する建築家。東北にも自身が設計した建築が数多くあり、震災直後から支援活動に取り組む一方、さまざまな場所で震災後の街づくりについて提言をしてきた。現在は、南三陸町志津川地区沿岸部に建設予定の商業地区のグランドデザインを担当。復興の最前線で活躍している。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

塾生たちのレベルが高くて驚きました!建築を専攻している人たちって、簡単に作ってしまうんですね!?次回はどんな物を作るんだろうって、今からすごく楽しみです。今回、講師の隈研吾さんの挫折について取り上げています。私も、小さい挫折は毎日しています(笑)。挑戦しては、反省しています。でも、失敗しないと分からないことってありますよね!だから、挫折は必要なんだと思います。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】よく4時間でやったよね。
【伊達】すばらしいですよね。隈さんに、「窓から風景がどう見えるのかが重要だ」と言われた神山君、さっそく翌日、公園に行ってのぞいてみたそうです。
【富澤】んー。微妙っていうか。ダメとは言わないけど、なんて言うか。
【伊達】いやいや、そんなことないです。

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