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空間を作るチカラ 第1週

2015年10月5日(月)

空間を作るチカラ
第1週「隈研吾の空間作り講座~建築ってなんのためにあるか知ってる?~」

「隈研吾の空間作り講座~建築ってなんのためにあるか知ってる?~」

10月の講師は、世界を股にかける建築家の隈研吾さん。被災地の再開発に必要な「空間を作るチカラ」を学びます。東北の大学で建築を学ぶ5人の塾生が集合したのは、東京・銀座。隈さんが再建設を手がけた第5期歌舞伎座が最初の舞台です。新しく生まれ変わったにもかかわらず、第4期と外観が変わっていない?建設中に震災が起こったことから急きょ作ったものとは?建築の極意が随所に見られる第5期歌舞伎座から「空間作り講座」スタートです!

隈さんが設計した第5期歌舞伎座の地下からスタートです。実は、地下から直接劇場に入ることはできません。必ず地上に出て、歌舞伎座の正面を通るように設計されています。まず外観を見て、"歌舞伎を見るぞ!"という気分を高めるのが狙いです。使う人が喜んでくれることを先回りして考えるのが、これからの建築家の役割だという隈さん。外観を再建前とほとんど変えていないのにも、「変えないことに意味がある」というのです。

4階の展示スペースには、過去の歌舞伎座の詳細な模型が並びます。隈さんが第5期歌舞伎座の設計を任されたとき最初にやったのが、模型を作り、建物の歴史を知ることでした。最初の歌舞伎座は、フランスのオペラ座を意識して造られました。22年後、和風の装いに生まれ変わったのは、日本に来た世界中の人に、日本の文化を誇り持って見せることが大切だから。その精神を、第5期歌舞伎座に反映させたのだと隈さんは教えてくれました。

隈さんクイ~ズ。第5期歌舞伎座の客席で、隈さんが苦労した所、ちょっと自慢したい所とはどこか?ノーヒントでしたが、建築を学ぶ塾生たちは、いくつも答えを見つけます。その中の1つ、天井の照明は、蛍光灯から3色のLEDに変えました。現代の人が感じる歌舞伎座らしい色合いに調整したのです。また、建設中に震災が起きたことから、地下3階に備蓄倉庫を作りました。建築家には時代へのアンテナが必須だと隈さんは話してくれました。

隈さんが"建築の魅力"と出合ったのは50年前。きっかけは、1964年の東京オリンピックで訪れた、国立代々木競技場第一体育館です。中に入った瞬間、空から光が降ってくる映画のような空間があったと語ってくれました。代々木体育館は今も、さまざまなイベントに利用されています。長く人々に愛されることが、これからの時代の建築には大切だ、と隈さんは言います。生活の一部となる物を作らないと「建築家が社会から捨てられる」。

隈研吾さんのまとめ

「21世紀になって、工業化社会っていうのが終わると、作るってことは結局、ごみを作るのと同じ。廃棄物作っているのと同じ。だから廃棄物じゃなくて、その後に人間の生活の一部になる物を作らなきゃいけない。そうしないと、建築をやる意味がないわけだから。そういうことをこれから意識してないと、建築家っていう存在自身が、社会から廃棄物として捨てられると思う。だから、捨てられないように頑張りましょうね。」

ゴールデンルール

「“人間の生活の一部”とならない建築は意味がない」

隈研吾さん(61歳) 建築家

1954年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学、コロンビア大学建築・都市研究学科客員研究院を経て、1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立。「第5期歌舞伎座」(2013)、スペイン「グラナダ・パフォーミング・アーツ・センター」(2008)など世界を股にかけ活躍する建築家。東北にも自身が設計した建築が数多くあり、震災直後から支援活動に取り組む一方、さまざまな場所で震災後の街づくりについて提言をしてきた。現在は、南三陸町志津川地区沿岸部に建設予定の商業地区のグランドデザインを担当。復興の最前線で活躍している。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

講師の隈研吾さんが設計を手がけた第5期歌舞伎座には、見えない工夫がたくさんあることを知りました。今回の放送を見ると、人に言いたくなりますよ!「言われてみれば…」と思う所ばかりで、このさりげなさが、隈さんの優しさなんだと思いました。そして今回、隈さんからクイズが出されるんですが、問題がかなり難しいです。建築を専攻している塾生たち向けなので…普通は分かりませんから。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【伊達】派手なだけではダメでね、後々人のためになるもの作るべきなんだね。
【富澤】あの問題になっていた建物、ちょっとまあテレビでは言えないけど、あの国立ピー技場とかもそうなんだろうね~。
【伊達】どこにピー入れてんだよ。完全にわかりましたよ。

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