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言葉のチカラ 第3週

2015年5月18日(月)

言葉のチカラ
第3週「ドリアンさんと行く!言葉探しの旅 福島から栃木へ!」

「ドリアンさんと行く!言葉探しの旅 福島から栃木へ!」

叫ぶ詩人・ドリアン助川さんと行く、言葉探しの旅。旅の後半戦にあたり、ドリアンさんは、「すごいものは写真や映像で記録に残すことはできる。しかし胸の中に去来したものは、言葉で残すしかない。その言葉を聞かせてほしい!」と塾生たちを激励しました。今回のテーマは「本当の言葉」。福島県、栃木県で、今も原発事故の被害に悩む人たちの"本当の言葉"とは?さまざまな出会いが塾生たちを待っています!

福島市の飯坂温泉。ドリアンさんは塾生たちに、震災後自転車で東北を旅したときに出会った、渡辺茂さん・わかこさん夫婦を紹介しました。渡辺さんは震災前、ほとんどの食糧を自給自足していました。しかし、原発事故がその生きがいを奪います。現在も畑の中は、線量が高いといいます。茂さんは、「東北の人は、『大変だ』って、もっとアピールしなきゃいけない。言葉は現場が大事で、現場のない言葉なんて信用しない」と語ってくれました。

ドリアンさんは二本松市で、塾生たちをバスから降ろします。作家・高村光太郎の代表作『智恵子抄』を紹介するためです。妻・智恵子との出会いから死別までの、"本当の言葉"が詰まった作品です。心の病を患う智恵子の様子を、光太郎は言葉でつづり続けました。「死までも題材にすることに賛否両論ある」というドリアンさん。しかし、「かん難辛苦の中にあるときほど、"本当の言葉"を残す時間なのかもしれない」と教えてくれました。

バスは栃木県那須町の農園へ。ドリアンさんが自転車の旅で出会った、渡辺和資さん・よし江さん夫婦を訪ねます。事故のあった原発から90キロ離れているにもかかわらず、大量の放射線が降り注いだといいます。30年間続けてきた和牛の繁殖を断念。敷地内には、汚染された堆肥が、今でも黒いシートで覆われています。よし江さんは、「那須町ではこれが日常だ」と話してくれました。そんな中、渡辺さんは、2年前から新たな仕事を始めていました。

牛舎だった場所を改築し、麻作りを始めたのです。今では全国の神社に出荷するまでに。「ゼロから始まりました。それしか無いと思ったんで。突っ走りました」とよし江さん。さらに、言葉を発信する仕事にも挑戦。農業体験教室を開き、震災で何が起きたのかを伝えています。ドリアンさんは塾生たちに、「発信し続けるうちに、分からないこともたくさん出てくるが、そこでやめないでほしい。分からないことは考え続けてほしい」と言葉を贈りました。

ドリアン助川さんのまとめ

「実は、かん難辛苦の中にあって、『こんな気持ち、言葉にできない』と思っているときほど、本当の言葉を残す時間なのかもしれない。それが、何十年も後の人にも伝わるんだって思うんですね。今100%幸せじゃないかもしれない、いろんな問題抱えているかもしれない。だけど、その苦しいことって、ひょっとしたら楽しいことよりも、言葉を求めてるかもしれない。そこに、“本当の言葉”というものの、種があるような気がするんですね。」

ゴールデンルール

「かん難辛苦の中に 本当の言葉の種はある」

ドリアン助川さん(52歳) 作家/詩人/パフォーマー(道化師)

1962年生まれ。90年代、「言葉の復権」をテーマに、世の中の森羅万象をロックに乗せて独自のスタイルで叫ぶバンド「叫ぶ詩人の会」で活躍。世界を旅したことから生まれた言葉で歌をつむぐ。深夜ラジオや雑誌で相談者の重い悩みと正面から向き合い、人生相談の達人として若者たちから支持を得ている。著書『クロコダイルとイルカ』や『あん』は映画化。作品の執筆のみならず、朗読劇や創作教室など、言葉を使ったあらゆる活動を展開している。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

今回、高村光太郎の詩の朗読に挑戦しました。とても深い内容の詩なので、読むのが本当に難しかったです。でも、すばらしい詩なので、ぜひ皆さん聞いてください!今回も講師・ドリアン助川さんの言葉は熱いです。私も、つらいときほど“言葉”を残しちゃいます。そういうときほど、その感情について書きたくなるんですよね。そういえば、うれしいときは書いてないです…なんでだろ(笑)

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】あれっ塾生たち…。バスの中で寝てはいないけど。相変わらずメモ取ってないなー!!!(怒)
【伊達】実はそうじゃないんです。
【富澤】携帯のゲームやってると、またドリアンさんに叱られるぞ!メモ!メモ!
【伊達】いや実はこの携帯にメモをしてるんです。
【富澤】書いてたんだ!ドリアンさんと寝食をともにしながら塾生たち、成長してきたねー!

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