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演劇のチカラ 第3週

2015年4月20日(月)

演劇のチカラ
第3週「教えてオリザ先生!『とことん話し合う』ってダメなことなの?」

「教えてオリザ先生!『とことん話し合う』ってダメなことなの?」

2チームに分かれて、演劇を作りはじめた塾生たち。今回紹介するのは、全員が福島県出身のチーム「赤べこ」です。福島の仮設商店街を取材して、まずはストーリーを考えます。講師の平田オリザさんは、演劇づくりを通して、塾生どうしでしっかりと話し合いをさせようとしたのです。…が、チームは大苦戦。ついにはオリザさんから、「話し合いが下手!」と、ダメ出しまで飛び出す始末。果たして、演劇を完成させることはできるのでしょうか?

講師の平田オリザさんからの課題は、15分程度の演劇作り。今の福島を取材し、2日間でストーリーを考えなくてはなりません。「いま福島に求められているのは、どうにかするチカラ」とオリザさん。合意形成能力(意見をまとめるチカラ)とともに、「とことん話し合っても結論なんか出ないから、一定時間内にどうにかするのが大事」と言います。塾生たちは、いわき市北部・久之浜町へ。あと2年で取り壊される予定の仮設商店街に注目しました。

いわき市は、仮設商店街の人たちに、新しく造る商業施設への移転を勧めています。しかし、商店街の人に話を聞いても、賃貸料や高齢を理由に新しい商業施設に移るという人はいませんでした。続いて、新しい商業施設づくりを推進している人たちにも取材。地元商工会の遠藤諭さんは、「仮設をそのまま残すことは難しい。これから必要なのは若い人にとって魅力的な商業施設」と言います。塾生たちは、それぞれの思いを演劇で表現することにしました。

まず、題材を一つに絞るべく話し合い。リーダーの吉田愛さんが「行政と商店街の人たちの意見の違い」と「商店街でいま暮らす人の思い」の2つの題材を示します。しかし、どちらか決まらないうちに「復興の先も描くべき」という発言が!結局、前半で仮設商店街の人が悩みを話し合い、後半は行政と商店街の人たちの意見の違いを描き、復興の先についても話し合うというストーリーに。一つに絞れないまま、全員の意見を盛り込んでしまいました。

演劇を通して合意形成のトレーニングをしようと考えていたオリザさん。チーム赤べこの問題点を指摘します。「みんながすごい曖昧なままで先に進んでいる」。たとえ難しい題材でも、結論を出し、行動することが大切だと言うのです。チームはなんとか題材を一つに絞ることはできましたが、セリフづくりに入っても意見がかみ合いません。ここで、塾生の1人が妥協案を出します。「とりあえずの結論を出せ」というオリザさんの助言を生かしました。

平田オリザさんのまとめ

「どうにもならないことに直面したときに、人間3つの選択肢がある。諦める、あるいはけんかする。もう1つがどうにかする。どうにかするしかないんだよ。どうやって折り合いをつけるのか、っていうことを、考えていかなきゃいけないんだよね。それが君たちの課題です。とりあえずの結論を出すんだよ。それがベストかどうかなんて、誰にも分かんないよ。やってみなきゃ。なんかの結論を出して前に進まなきゃいけないんじゃないか。」

ゴールデンルール

「とりあえずの結論を出せ!とにかくやってみよう」

平田オリザさん(52歳) 劇作家・演出家・青年団主宰

1962年東京生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。日本の現代演劇界で、いまもっとも注目されている劇作家・演出家。近年は、合同プロジェクトやワークショップを通じて、フランスをはじめ韓国、オーストラリア、アメリカ、アイルランド、カナダなど海外と交流。2002年に新国立劇場が制作した日韓合同公演『その河をこえて、五月』では、日韓両国で大きな演劇賞を受賞した。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

今回、ストーリーづくりに挑んだ「チーム・赤べこ」のリーダー、吉田さんが最後に見せた表情にぐっときました。あの涙は、講師の平田オリザさんの言葉に、本気で向き合った証拠だと思います。自分の強い思いがあるからこそ…だからこそ話し合いって大事なんですね。だけど、本当に難しい。話がズレたり、自分と違う意見が出たりする話し合いも楽しいです。その人の個性が分かりますから。何より、みんなでモノづくりをするのは楽しいです!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】ミキオ、誕生日おめでとう
【伊達】いや、9月ですよ。お前の方が近いでしょ、4月なんだから。
【富澤】あっそ。誕生日の合意形成って難しいね。
【伊達】誕生日に合意はいらないんだよ。決まってますからね。
【富澤】さて、次回はいよいよ塾生たちが、自分たちで作った演劇を公演します!
【伊達】演劇のチカラの集大成。オリザ先生を見返す作品はできるのか、乞うご期待!

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