放送内容

これまでの放送へ

演劇のチカラ 第2週

2015年4月13日(月)

演劇のチカラ
第2週「教えてオリザ先生!人は分かりあえないってホント?」

「教えてオリザ先生!人は分かりあえないってホント?」

劇作家・平田オリザさんに学ぶ「演劇のチカラ」。塾生12人に出された課題は、「福島が抱える復興の問題を題材に、演劇をつくれ」!2チームに分かれて福島を取材し、おもしろくて考えさせる演劇をめざします。チーム「らふ」は、原発からの避難者と、受け入れ側の住民が抱える問題を題材に選びました。しかし、いきなり「人が分かりあうことの難しさ」に直面。この大きな壁に対して、オリザさんが伝授するコミュニケーションの極意とは…!?

オリザさんの演劇スタイルは、“対話劇”。主に言葉のやりとりだけで、物語を進めます。今回、塾生たちに与えられたミッションは、この対話劇を自分たちで作り、自ら演じること。違う立場の人どうしが、自分の考えを説明し合い、価値観をすり合わせる…この対話のチカラこそ、原発事故で揺れる福島に必要だとオリザさんは言います。「好きにならなくていい。でも嫌いにならない。諦めないってことが、コミュニケーションにおいて一番大事な能力」。

塾生は2チームに分かれ、15分ほどの対話劇に挑みます。2週間後、福島県いわき市で公演することになりました。チーム「らふ」の佐藤真喜子さんは、ひときわ張り切っていました。事故を起こした原発がある、福島県大熊町出身の佐藤さん。避難先の高校になじめない、苦しい心のうちを表現したいと思っています。彼女の思いを知ったチームのメンバーは、「避難した人」と「受け入れ側の住民」との対話劇をつくることにしました。

まずは「避難した人」への取材からスタートです。塾生たちが訪ねたのは、いわき市にある仮設住宅。「一刻も早くふるさとへ帰りたい…」と、不安を抱える避難者の声に、耳を傾けます。続いて「受け入れ側」の住民にも話を聞きます。小さな行き違いから避難者とトラブルになる現状に、受け入れる側の人も悩んでいました。取材を終えた塾生たちは、避難者と受け入れ側の住民とが、「なぜ分かりあえないのか?」について、熱い議論を交わします。

10時間以上、互いに「対話」した末、塾生たちが考えたストーリーの舞台は、とある集会所。避難してきた住民と地元の住民がひとつのテーブルにつき、交流のお祭りを企画します。最初は反対していた避難者が地元住民との対話で心を開き、互いに分かりあっていくというもの。しかし、チェックしたオリザさんは結末に一言。「最後、分かりあわなくていい」。それぞれの住民の立場を伝え、考えるきっかけをつくることが大切なのだと言います。

平田オリザさんのまとめ

「分かりあえないっていうのは、価値観が同じにならないっていうふうに考えていただくといいと思うんです。お互いの立場を理解するってことですね。私は残るけど残らない人のことも、私は去るけれど残る人のことも理解するっていう社会をつくらないと、福島はいつまでたっても再生はしないと思うんです。分かりあえない者どうしが、どうにかして社会を構成していくやり方っていうのが、必要になってくるんじゃないかと思うんです。」

ゴールデンルール

「価値観は同じでなくていい でもそれぞれの気持ちは理解せよ!」

平田オリザさん(52歳) 劇作家・演出家・青年団主宰

1962年東京生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。日本の現代演劇界で、いまもっとも注目されている劇作家・演出家。近年は、合同プロジェクトやワークショップを通じて、フランスをはじめ韓国、オーストラリア、アメリカ、アイルランド、カナダなど海外と交流。2002年に新国立劇場が制作した日韓合同公演『その河をこえて、五月』では、日韓両国で大きな演劇賞を受賞した。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

「人は分かりあえない」という講師の平田オリザさんの言葉にドキっとしました。私は、相手と信頼関係があれば分かりあえると思うけど…そこに至るまでが大変ですよね。どうすれば分かり合えるの?教えて、オリザ先生って思いました(笑)。実は私、芸能界に入った当初はすごく人見知りでした。でもある時、助言をいただいて、自分の意見をプラスアルファするよう心がけるようになりました。今では、自分の思いを伝えることが楽しいと思えます!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】「人は分かりあえない」って、オリザさん良いこと言うねぇ
【伊達】おお、どうした急に?
【富澤】俺、お前と20年以上のつきあいになるけど、どうして髪の毛が金色なのか、分かりあえない。
【伊達】関係ない!
【富澤】でも、嫌いにはならないよ♥

※NHKのサイトを離れます