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演劇のチカラ 第1週

2015年4月6日(月)

演劇のチカラ
第1週「教えてオリザ先生!演劇と復興のすてきな関係ってナニ?」

「教えてオリザ先生!演劇と復興のすてきな関係ってナニ?」

この春から未来塾は変わります!新オープニングと新テーマ音楽、そして、新ナレーター!心機一転、4月のテーマは「演劇のチカラ」です。講師は、世界で活躍する劇作家、平田オリザさん。塾生に名乗りを上げた12人の若者たちの中には、俳優志望もいれば、演劇未経験者もいます。ところで…そもそも演劇って、復興と関係あるのでしょうか?「演劇や芸術こそが、東北再生の鍵となる」と語るオリザ先生、そのすてきな関係を教えて下さい!

宮城県石巻市の稽古場。オリザさんは、まず、塾生たちに簡単な演技に挑戦させます。お題は「大縄跳び」。縄がないのに、大縄跳びに挑戦する塾生たち。まるで本当に縄があるかのようです。これは、縄跳びをする塾生たちと見る側の人との間に、演劇を支える大事な要素「イメージの共有」があるからだとオリザさんは指摘します。このように人々のイメージを一つにする文化・芸術活動こそ、さまざまな立場や考えの人が集まる今の東北に必要だと言うのです。

オリザさんは塾生たちを、宮城県女川町にある竹の浦集落に連れてきました。4年前の津波で、ほとんどの家が流されてしまったこの集落。地元の人たちが"復興になくてはならないもの"を見せてくれると言います。示し合わせたように老若男女がやってきて、見せてくれたのは…伝統芸能・獅子振り!獅子振りは、竹の浦集落の誇り。住民のほとんど全員が、笛や太鼓から踊りまで、一通りできるそうです。でも、なぜ”復興になくてはならないもの”なの?

震災直後、住民の半数が避難した先でのこと。1人の女性が、座布団を獅子がしらに見立てて踊り始めました。このことは、悲しみに暮れていた人々の心を前向きにし、「ふるさとを復興させるぞ!」という強い思いを起こしました。「獅子振りなくして復興なし」。その後、竹の浦に戻った人々は、真っ先に獅子振り祭りを復活。独自の復興計画を作成し、高台移転に向けて動き出すことができました。獅子振りという文化活動が、復興の原点となったのです。

東北だけでなく、日本中で、文化活動の重要性が増しているとオリザさんは言います。日本はかつて、地縁血縁や企業などの利益共同体でつながっていました。しかし、そうした共同体が崩れた今、人々をつなぐのに必要なのは「関心共同体」。文化活動をはじめ、好みや関心に応じて出入り自由な共同体のことです。しかし今は、「利便性を追究するあまり、一見無駄に見えて実は社会にとって必要な機能(文化活動など)」が失われていると言うのです。

平田オリザさんのまとめ

「楽しい催しや、それをやる場所や継承する人々が、かつての東北にはいたにも関わらず、みんななくしてしまったんだよね。それを取り戻す。あるいは、現代社会に合った形で再生する。それ以外に東北の復興はないんです。復旧はするかもしれないんですけど、復興はしないんです」

ゴールデンルール

「関心共同体で コミュニティーを作り直せ!」

平田オリザさん(52歳) 劇作家・演出家・青年団主宰

1962年東京生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。日本の現代演劇界で、いまもっとも注目されている劇作家・演出家。近年は、合同プロジェクトやワークショップを通じて、フランスをはじめ韓国、オーストラリア、アメリカ、アイルランド、カナダなど海外と交流。2002年に新国立劇場が制作した日韓合同公演『その河をこえて、五月』では、日韓両国で大きな演劇賞を受賞した。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

人生初のナレーションに挑戦!実際に映像に声を当てるのって、台本を読んで想像していたより、ずっと難しかったです。でも、滑舌などを気にするより、東北の人たちが頑張っている姿や活動を、気持ちを込めて伝えていきたいです。よろしくお願いします!記念すべき第1回、私の心に響いたのは平田オリザさんの「(演劇などが無いと)復旧はするけれど、復興はしない」という言葉。私も演技をする1人として、意味が深いなって思いました。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】俺、今回すげえ元気もらったわ。
【伊達】おお、どうした?
【富澤】コントも、みんなで楽しめるものでしょ。俺たちも、関心共同体を作るのに役に立っているってことだよね。
【伊達】確かにね。少しでも役に立っているといいね。

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