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里海のチカラ 第3週

2014年11月17日(月)

里海のチカラ 木村尚さん
第3週「海復活のヒント 瀬戸内にあり!」

「海復活のヒント 瀬戸内にあり!」

前回、塾生たちが体験した東北・松島湾でのアマモの再生活動は、手間と時間がかかる大変な作業でした。彼らが講師の木村さんと次に向かったのは、松島湾から700キロ離れた岡山県日生(ひなせ)町。漁師さんたちが30年前から、海にアマモを増やす活動を続けてきた町です!再生への道のりは、決して平たんではありませんでした。理解者も結果も無いなかで、諦めずに活動を続けられた秘けつとは?日生流アマモを増やす方法にも注目です!

日生の海は、四季を通じて150種類以上の魚介類がとれる豊かな海。かつては島々をつなぐようにアマモが生えていましたが、高度経済成長期から海が汚れ、アマモは激減しました。1985年には、アマモの生息域は最盛期の50分の1にまで減少。そのとき立ち上がったのが、漁協の元組合長・本田和士(かずお)さんを中心にした19人の漁師さんでした。伝統的な壺網漁の担い手だった彼らは、魚を育むアマモの働きに注目し、種をまき始めます。

当時、漁協の新米職員だった天倉辰己(あまくら たつみ)さんは、アマモ再生に取り組んだ壺網漁師たちが「金にもならないのにと、同業者から批判を受けた」と証言します。はじめ、アマモは定着せず、仲間は半分の10人に減りました。しかし、活動を始めて20年がたったころ、アマモは少しずつ増加。すると、不安定だったカキの生産量が安定し、徐々に右肩上がりになったのです!他の漁師たちも協力し始め、今では、仲間は80人になりました。

アマモが増え、メンバーが増えた4年前から、日生町では新たな取り組みを始めました。その1つが、カキ殻を海にまくこと。海底の泥が舞い上がるのを防ぎ、アマモの根を定着しやすくするそうです。他にも、山に木を植えて海に流れ込む川の水をきれいにする取り組みなどを行い、アマモの生息域は一番少なかったころに比べて15倍以上に広がりました。「諦めずに続けなきゃいけない。やっていくうちに仲間が増えていく」と木村さんは言います。

この漁師さんたちの取り組みは、現在、日生町の中学校の授業に取り入れられています。その名も“アマモ学習”、呼びかけ人は木村さんです。子どもたちに関心をもってもらうことで、海の環境を取り戻す活動を地域ぐるみにしようというのです。「その地域が良くなって笑顔になっていく。海の環境も復活し、おいしいカキが取れるようになっていくという中に、いろいろな意味があり、その中にこそ復興の本質がある」と、木村さんは語りました。

木村尚さんのまとめ

「今の子どもたちってこんなに豊かな自然で豊かな海をもっているところでも、ほとんど海に行かない。こういう豊かな海があって、おいしい魚がとれて、それをとってくる漁師さんがいて、その漁師さんはただとるだけじゃなくて、持続可能であるようにちゃんとアマモを増やすように、環境保全活動もずっとやってるんだよってことを理解したときに、初めて、俺の住んでた地域ってすごいところだったって気がつける。地域ぐるみでやっていくことはやっぱり重要なんだよね。」

ゴールデンルール

「海の再生は長丁場 続けていけば仲間が増える!」
「地域がつながり 環境が復活し その先に復興がある」

木村尚さん(58歳) 海洋環境専門家

昭和31年、神奈川県横浜市生まれ。
地元である東京湾の再生活動を10年以上続けながら、日本全国の海と海辺の再生に尽力。NPO法人海辺つくり研究会理事(事務局長)・東京湾の環境をよくするために行動する会幹事、(株)MACS取締役、(株)joyF取締役、(株)森里川海生業研究所取締役、NPO法人共存の森ネットワーク理事、他、金沢八景-東京湾アマモ場再生会議、東京湾再生官民連携フォーラム委員など、多数の市民活動団体に参加協力している。全国アマモサミットの企画運営。

ナレーション川島海荷のつぶやき

岡山で30年間も諦めずにアマモを増やす取り組みをしてきた漁師さんたち、すごい!と思いました。アマモ自体はお金にならないし、カキや魚などへの影響も、すぐには結果が出ないのに…。人間には価値が無いように見えるものでも、海の生き物にとっては大切なものがあるんですね。アマモが生い茂っている海の映像、魚たちの力強さを感じます。私は名前に"海"があるので、海は大好き。海荷イチオシの「里海のチカラ」、今回もお楽しみに!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【伊達】漁師さんだけじゃなくて地域全体で海を守る活動をするのが大事なんだね
【富澤】手間と時間が、むちゃくちゃかかると思われる東北の海の復活も何とかなりそうだね
【伊達】みんなでやって海を復活させましょうよ。そして里海のチカラ最終回。次回は、宮城県に戻って、海の復興には欠かせない、人の気持ちを考えます。

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