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IT農業のチカラ 第1週

2014年10月6日(月)

IT農業のチカラ 岩佐大輝さん
第1週「最高のイチゴの作り方 教えます!」

「最高のイチゴの作り方 教えます!」

10月のテーマは「IT農業」。ITとはインフォメーションテクノロジー、情報技術のことです。この新しい技術を駆使して新しい農業をめざすのが、講師の岩佐大輝(いわさ ひろき)さん。岩佐さんは津波の打撃を受けた故郷・宮城県山元町の特産品を復活させようと、震災後、初めてイチゴ作りを始めました。そして、一粒1000円がつくほどの高品質なイチゴの栽培に成功。現在もIT技術を活用し、新たな挑戦を続けています。農業経験のなかった岩佐さんが、なぜ最高級のイチゴを作れたのか?その秘密をさぐる未来塾。スタートです!

岩佐さんのイチゴ農場。ハウス内は、プランターが整然と並び、なんだか精密機械の工場のよう。実は、100個ものセンサーが温度、湿度などを常にチェックし、イチゴ栽培に理想的な気象条件になるようコンピューターで制御しているんです。例えば、設定された温度より室内が暑いときは、天井を開け、温度を下げます。さらに対策が必要とコンピューターが判断すると、カーテンを閉め、ミストを噴射。気化熱で温度を下げるのです。水や肥料も、室内の状況に合わせて全自動制御!

宮城県山元町で生まれた岩佐さん。震災前まで、山元町周辺は東北最大のイチゴの産地で、岩佐さんのおじいさんもイチゴ農家でした。しかし、岩佐少年が夢中になったのはパソコン。東京の大学に進学し、在学中にITコンサルタント会社を設立します。順調に業績を伸ばしていた矢先、巨大地震と津波が故郷・山元町を襲いました。イチゴ農家が大きな被害を受けたのを見た岩佐さんは、持てる能力のすべてをイチゴ産業の復活に注ぐ決意をしたのです。

当時、イチゴ栽培の知識がなかった岩佐さんが頼りにしたのが、イチゴ作りの名人・橋元忠嗣(ただつぐ)さん。橋元さんは津波で家と畑を失い、イチゴ作りを諦めようとしていたとき、岩佐さんの熱い思いに触れて再出発を決めました。岩佐さんは教わった農業の知識をデータ化し、最先端のITシステムに組み込みました。イチゴの成長にあわせて二酸化炭素の濃度や温度、湿度などを繊細にコントロールする中で、甘みを最大限に増やす方法がわかってきました。

いま、岩佐さんが取り組んでいるのは夏に収穫できるイチゴの栽培。夏イチゴは気温などの問題から難しいとされていますが、岩佐さんは品薄になる季節だからこそ高値が見込め、さらに、一年を通した安定雇用をねらえるビジネスチャンスととらえています。「業界の構造を変えたいならビジネスのルールそのものを見直すことが大事」と岩佐さん。圧倒的な成果を作り出せば、説得力を持つことができ、周囲を納得させることができると言うのです。

岩佐大輝さんのまとめ

「すごく大事なところとしては、そのイチゴを作るために、人々が、働く人が集まってくる。地域に雇用をもたらしているという社会的意義を感じてもらえれば、と思います。今日、皆さんが会った方々の多くはお家を流されちゃって、今も仮設住宅に住んでいる方がほとんどなんですね。そういった方に雇用をもたらして、長い間働いてもらうと。そのために、高い収益率を会社であげなくてはならない。つまり会社というのは、経済的、金銭を稼ぐということ以上に社会的に何かを社会に還元するという役割がある訳ですよね。」

ゴールデンルール

「"儲かる農業"のために圧倒的成果でルールを変えろ!」

岩佐大輝さん(37歳) IT農業家/農業生産法人GRA代表

1977年宮城県亘理郡山元町生まれ。24歳でITベンチャーを起業。東日本大震災後にGRAグループを創設し、2014年には「ジャパンベンチャーアワード」(経産省主催)で「東日本大震災復興賞」を受賞。インドなど海外進出も行っている。現在5社のCEOを務める。専門はITサービスマネジメント。

ナレーション川島海荷のつぶやき

天候によって作物の出来が左右される農業。講師の岩佐さんが取り組むIT農業では、ハウス内の気象条件をすべてコントロールしていて、すごく画期的です。「(果物の)ブランド構築には、高品質なものを安定して生産することが必要」という言葉は、本当にそうだなと思いました。こうした農業の新しい試みが、東北の食材の品質や安全に対するイメージを変えるのでは?地元の農家さんの雇用にもつながっていますし、繁盛してほしいです!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】最高のイチゴを生む背景には、最高の知恵と最高の設備が必要なんだね。
【伊達】そういうことなんですね。わかってますね。それじゃ一つ意外なことを教えましょう。この岩佐さん、実は、山元町のイチゴ農場に来るのはだいたい週に一回なんです
【富澤】え?何それ?すごい重役出勤ですね。ラクでいいじゃない。
【伊達】楽とかそういうことじゃないです。実はね、日本だけでなく、世界を飛び回って仕事をしてるんですよね