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雁助さんの大番頭日誌 おいでやす、大番頭の雁助だす。 読んでっとくなはれ。

雁助さんの大番頭日誌

何はさておき、大旦さんだす。

雁助って、大旦さんへの慕い方が半端ないんですよ。きっとものすごい恩があるんやろうと想像するんですけどね。炭坑へ行くように言われて「加野屋を離れることだけはできしまへん」と一度は断ったのも、きっと大旦さんと離れるのは考えられないという思いやないかと思います。

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大旦さんの魅力は、あさという人も受け入れられる柔らかさですよね。しかも感覚で決めているところがあって、仕事を楽しんではるんですよ。決して一生懸命やってない。これって僕ら役者の仕事もそうですけど、演技のダメ出しに悩んでいるうちは何もクリアできなくて、“楽しんだもん勝ち”なんですよね。でも楽しむことってすっごい難しい。そういう意味で、大旦さんは天性の楽しむ才がある人だろうし、だから加野屋も明るいんやないかと思うんです。

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(近藤)正臣さんも実際にそういう人で、あれほどの大御所なのに「大した役者ちゃうで、俺なんか」って。すごい柔らかい役者さんやなと思いますね。自分の演技アプローチに固執することなく、僕らが絡んでいってもすぐに受け入れてくれる。プロレスラーでいうと、自分の戦い方を貫くアントニオ猪木じゃないんですよ。受けてナンボという、ディック東郷とか邪道&外道に近い。……あれ、分かります?

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加野屋のウラ事情、明かしまひょか?

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まずね、加野屋の丁稚(でっち)がああ見えてやんちゃなんですよ。ちょっとしゃべりかけると、ばらばらばら~っと一気に話し出したり。あと、雑巾がけがヘタなんです。あれはきっと手代の教育が悪いんでしょうなぁ。
手代の弥七は、炭坑に行った亀助に代わって番頭の仕事をしてますけど、相当スカをしますね。しかもそれを黙ってたりするんです。まぁ素直な子で悪気はないんですけどね。雁助、よう怒ってます。

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そういう雁助も、ホンマは人とコミュニケーションとるのがあんまり得意やない気がするんですよ。だって、嫁はんと子どもに逃げられてますからね。仕事はできても、よっぽどの何かがあるんやないかと。それにしても、大番頭が出戻りってなかなかの居心地の悪さですよ。いつも雁助が早飯なのも、実はいたたまれずに気ぃ使うとるんやないですかね。

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そこを埋めてくれるのがお調子者の亀助で、実は頼りにしてると思いますよ。きっと亀助がおるから出戻れたんちゃうかなぁ?ちなみに、亀助役の三宅さんは実際は僕より年上。音楽の趣味も合うんで、一緒に飲みに行ったり甘えさせてもらってます。いつも僕がぺらぺらしゃべって、三宅さんが聞いてくれる。ドラマの雁助と亀助とはまったくなんです。

山内流の見どころ、教えまっせ。

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ずっと撮影してると、エキストラさんにも目がいくようになるんですけど、関西のエキストラさんって個性的なんですよね。
例えば、加野屋のお客さんの一人で、いっつも口開いてるのにやたら胸の筋肉ある人がいて。その人が炭坑で働く男としても出演しているのを見つけた時は、こっちの役の方がええやんか!よう似合てはるわぁ~ってね。

炭坑のシーンに、サトシ役で長塚(圭史さん)が出てきたのがおもしろかったですね。あいつとは15年くらい前から芝居で一緒にやってきた仲間なんですよ。しかも新次郎さんのトラウマの理由でもある役どころで、ええ仕事してましたね。見どころとしては、炭坑で働く男として貧相すぎる体(笑)。周りみんながっしりしてんのに、それ、ずっと家にいる人の体やでって。

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他にも、第4週で加野屋に押しかけてきた客に草履を投げつけられるシーンでは、リハーサルの時から「イタッ!」っていうくらい思いっきり投げてくれたり、燃えている大阪城を見つめるシーンなんか、商人のエキストラさんが僕を前へ通してくれへんかったりね。いやいやいや……って。ホンマぐいぐいやってくれますから、やりがいありますねぇ。