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昭和とともにはじまった日本のテレビ
“遠くを見る”という人類の長い間の夢は、19世紀に入って、次第に実を結びはじめる。
1876(明治9)年、アメリカのベルが人間の声を電気に換えて、それを再生する電話機を発明し、翌77年には、アメリカのエジソンが音声を録音する蓄音機を発明した。95年には、イタリアのマルコーニが無線電信を発明した。そして1906年のクリスマスイブに、人間の声が初めてアメリカのボストン郊外から電波に乗せて発射された。
それからわずか14年後の1920(大正9)年、世界で最初のラジオ放送局KDKAがアメリカ・ピッツバーグで誕生する。
日本では、関東大震災の翌々年の25 (大正14)年3月22日、ラジオ放送がはじまった。翌26年の12月25日、高柳健次郎が「イ」の字をブラウン管上に映し出すのに成功する。それは大正天皇崩御の日で、テレビは昭和とともにはじまった。
「イ」の字の選択
テレビ画面に最初に何を映すのか。世界の科学者たちが「十字架」や「聖像」を映そうとした。日本では、最初に映された画面は「イ」の字であった。
「イ」の字は事始めの意味でもある。テレビは「イ」の字に導かれながら、情報の伝達と新しい文化の創造に歩みはじめた。
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