

| 海のシルクロード88.01.01〜89.03.26 | 世界の中の日本VI 食糧・国家の選択88.03.20〜88.04.03 | 世界の中の日本VII なぜ税が問われているのか88.04.10〜88.04.17 |
| アメリカで何が起きているか88.05.01〜88.10.31 | 世界の中の日本 アジアからの挑戦88.06.17〜88.06.20 | 世界の中の日本 教育は変えられるか88.11.03〜88.11.13 |
| エルミタージュ 華麗なる美の殿堂88.07.04〜88.07.11 | 秘境・興安嶺をゆく88.07.18〜88.08.08 |
『NHK特集』は、13年間にわたり、1378本の番組を送り出した。それらの番組が取りあげたテーマは幅広く深い。それらは、一貫してテレビの可能性、表現領域の拡大に努めるとともに、同時代の国民の最大関心事に応えてきた。『N特』は、昭和という時代の13年間を、同時代史として記録し、次代への予見と歴史の検証を続けた。『NHK特集』は、今後も「昭和の時代」のなくてはならない貴重な文化資産としてアーカイブスに生きつづける。
大型企画番組については、まず公開番組「海のシルクロード」(12本)が、豊かな歴史と文化を記録した貴重な紀行番組として高い評価を得た。これでシルクロードは「シルクロード」(1980年放送)、「シルクロード 第2部」(1983年放送)とあわせて砂漠、草原、海と完全踏破したことになる。企画構想から丸17年、10年の放送が終わった。作家司馬遼太郎は、「日中交流史でこれほど豊かな実りをもたらしたものはない」と評したが、その言葉は多くの人々の共感を呼んだ。
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| 「海のシルクロード」 |
3年目を迎えた「世界の中の日本」は、「なぜ税が問われているのか」(4月)、「アジアからの挑戦」(6月)、「教育は変えられるか」(11月)と社会の動きにあわせて集中編成した。
88年はアメリカ大統領選拳の年で、「アメリカで何が起きているか」(5月・3本シリーズ、10月・2本シリーズ)では、移民、訴訟、カードなどアメリカの社会問題にメスを入れた。
大型企画では、このほか、五木寛之の案内で紹介する公開番組「エルミタージュ 華麗なる美の殿堂」(7月・2本シリーズ)、中ソ国境地帯に広がる巨大な山地・興安嶺の豊かな自然と人びとの素朴な暮らしぶりを紹介する公開番組「秘境・興安嶺をゆく」(7〜8月・4本シリーズ)、昆虫記で有名なファーブルの世界を安野光雅が訪ねる公開番組「安野光雅 ファーブル昆虫記の旅」(9月・2本シリーズ)。
通常の『NHK特集』については、まず、内外の動きに即応した情報性の高い番組の強化に努めた。
原爆が広島に投下された1945(昭和20)年8月6日当日の女学生たちの生活をアニメーションを駆使して活写したドキュメンタリー、公開番組「夏服の少女たち〜ヒロシマ・昭和20年8月6日〜」、さらに、南米に移住した日本人の20年にわたる波乱に富んだ歳月をまとめた大河ドキュメンタリー「移住20年目の乗船名簿」も大きな反響を呼んだ。
最後に、1988年度の『NHK特集』の大きな特徴は金曜日に“等身大の世界を茶の間に”をキャッチフレーズとして、毎週外国のドキュメンタリーを紹介する「ワールドTVスペシャル」を新設したことである。
1976(昭和51)年4月15日「氷雪の春〜オホーツク海沿岸飛行〜」から始まった『NHK特集』は、1989(平成元)年3月28日の「カリブ海の大リーグ志願者たち」で終了。放送本数は1378本。1989(平成元)年4月からは新しく『NHKスペシャル』がスタートした。
『NHK特集』は、NHKの顔として、また同時代のテレビ人の憧れの番組ともなって、放送文化にその足跡を印した。公共放送が視聴者と共に築いた文化資産はアーカイブスに生きつづける。