平成21年度の放送
放送:9月5日(土)午前10時05分〜11時25分(80分)
「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた古橋廣之進さんが、8月2日、80歳で亡くなった。
古橋さんは、戦後の復興期に競泳の世界記録を次々と塗り替え、敗戦によって自信を失っていた日本人に勇気と希望を与え続けた。しかし、当時の日本は、まだオリンピックに参加を認められていない存在。やっと参加出来たのは1952年のヘルシンキ大会だった。古橋さんは、その時すでに選手としてのピークを過ぎており、400メートル自由形で8位と惨敗。悲運のスイマーとして現役生活を終えた。実況を担当したNHKアナウンサーは涙声でこう伝えるほどだった。「日本の皆さん、どうか古橋を責めないでやって下さい。古橋の活躍なくして、戦後の日本の発展はありえなかったのであります。古橋にありがとうを言ってあげて下さい」。
古橋さんは、引退後も全身全霊を込めて泳いだ現役時代そのままに、水泳の発展に力を注ぎ続ける。国際水泳連盟副会長、JOC会長などを歴任。亡くなったのも、世界水泳選手権が行われているローマだった。
「泳心一路」を貫いた古橋さんの人生を見つめる。



キャスター:桜井洋子アナウンサー&林家三平/ゲスト:近藤唯之さん(スポーツライター)

NHK教養セミナー 20世紀の群像「民族を沸かせた男たち(4) 古橋廣之進〜フジヤマのトビウオ〜」
 1982年4月27日放送
昭和22年からの古橋さんの活躍を、ノンフィクション作家の山際淳司さんが辿る。
古橋さんの永遠のライバル橋爪四郎さんが語る当時の水泳事情。ベルリン・オリンピックの金メダリストの兵藤秀子さん(旧姓・前畑)は、自身の経験からオリンピックで敗れた古橋さんの心情に思いを馳せる。
こうした取材を通して、山際さんは「敗戦直後に日本人が持たざるを得なかったバイタリティーを古橋さんに投影し拍手を送ったのだろう」と締めくくっている。

引退後の足跡(ニュース映像を再編集)
古橋さんは引退後も、水泳界発展のために尽力。
1985年、日本水泳連盟会長。1990年 JOC会長・・・
数々の要職を歴任しながら、世界一を誇る水泳日本代表チームを作り上げていった。
2008年、スポーツ選手出身者として初めて、文化勲章を授与された古橋さん。亡くなる直前の今年6月には、水泳日本代表チームが奇しくも“トビウオジャパン”と名付けられた。
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