平成17年度の放送
平和アーカイブス
放送:4月3日(日) 午後11:10〜翌午前0:30(80分)
「NHKアーカイブス」では、1月から月一回「平和アーカイブス」の番組を放送します。
 NHKは、第二次世界大戦後一貫して原爆の悲惨さを伝え、平和の尊さを訴える原爆報道を続けています。関連の放送はテレビ番組だけでも、これまでに数百本に上り、戦後60年の歳月を経ても癒えない原爆の惨禍を克明に記録し続けた、世界的にも貴重な映像記録となっています。
この「平和アーカイブス」事業はヒロシマ・ナガサキの記憶を未来へと受け継ぐために、全国の【番組公開ライブラリー】施設で視聴者に公開するほか、NHKの国際放送を通じて国際社会へ向けても発信して放送番組による「原爆体験の語り部」となることを目指すものです。
夏までにはテレビ、ラジオあわせて80本の被爆関連番組を、埼玉県川口市のNHKアーカイブスをはじめ、専用端末を設置してあるNHKの「番組公開ライブラリー」施設で、「平和アーカイブス」として公開してまいります。

 4月の「平和アーカイブス」は、人類が初めて体験した無差別大量破壊兵器・原爆のすさまじい破壊力の正体に、日米の専門家チームを組織して迫った『NHKスペシャル』のほか、原爆慰霊碑が集中している「広島平和大通り」をスケッチした短編番組と「平和アーカイブス」のご案内リポートをお送りします。

■NHKスペシャル「原爆投下・10秒の衝撃」(59分)
 1998(平成10)年8月6日 放送
昭和20年8月6日朝、広島に投下された原爆で、町は一瞬にして廃墟となり数多くの市民が犠牲となりました。広島市に問い合わせますと、死者は14万±1万人という答えが返ってきますが、今にいたるまで正確な数はわからないままになっています。この犠牲者のほかに、強力な放射線などの後遺症で苦しみの人生を強いられた被災者はおびただしい数に上ります。

これだけの、無差別の大量破壊をもたらした原爆のすさまじい破壊力、その正体とはいったい何なのでしょうか。20世紀もおしつまり、広島市民の間では、あらためて原爆被爆の原点に立ち返って証言を集め、記録し、語り継ごうとする機運が高まっていたころ、NHK 広島放送局でも原爆の原点、あのピカドンの正体に迫ろうとする企画が議論され、その瞬間の10秒にテーマが絞り込まれていきます。新たに可能になった科学的アプローチを駆使して、原爆炸裂の瞬間の科学的実証的な映像記録をつくり、後世にも残そうとする意欲的な企画でした。

この番組では、原爆炸裂の瞬間が日米の科学者によって100万分の一秒の、ミクロの時間軸で分析され、刻々と変化する戦慄すべき破壊力の正体が明らかにされていきます。番組をつらぬく科学的実証的な手法の説得力もさることながら、番組展開のポイントごとに活用される、緊迫感あふれる原爆のCG表現も一見の映像となっています。

ぜひ番組をご覧いただいて、二度と繰り返してはならないものの恐るべき正体をお確かめください。

【制作スタッフ】
○撮影: 三宅 貴
○照明: アレックス 遠藤
○音声: 田嶋 猛
○技術: 鈴木 勇二
○構成: 澤田 博史/村田 英治
○取材: 青柳 由則/川本 華子/櫻井 玲子/右田 千代/児成 剛/清水 芳雄
○制作統括: 新山 賢治/柏瀬 武/佐藤 正行
  ほか

■西日本の旅「祈りの道 緑映えて〜広島・平和大通り〜」(10分)
 1991(平成3)年7月6日 放送
広島平和記念公園の南縁にそって大通りがあります。広島市の中央部を東西に貫く『平和大通り』、通称100メートル通りです。この大通りは、第二次大戦中に延焼防止の防火帯として民家等を取り壊してつくられました。原爆の日にも当時の中学生などを勤労動員して工事が続けられていて、そのために、多くの学生生徒がこの未完の大通りや学校の校庭で原爆に遭遇し犠牲になりました。

東西4キロのこの大通りには、旧県立第一高女の「原爆学徒慰霊碑」など、およそ20基もの原爆慰霊碑が点在していて、原爆のすさまじさをいまに伝えています。慰霊碑には花が途切れることなくいけられ、織り鶴が供えられていたり時おり手を合わせる人の姿もみられて、60年をへても癒されることのない広島の哀しみを表しています。

番組は、広島の復興を願って全国から寄せられた樹木の緑地帯のスナップも織り込みながら、「祈りの道」の姿を描いています。

【リポーター】
川原 広樹
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