平成14年度の放送
シリーズ戦争の記憶2 真実をどう伝えるか
放送:8月4日(日)23:55〜翌1:20(85分)
終戦から57年が過ぎ、戦争の記憶は、その体験を持つ
人々とともに年々消えつつあります。
しかし、多大な犠牲を払い
悲惨な現実を生んだ戦争の現実は、
私たち日本人が決して忘れてはならない歴史です。
今週のNHKアーカイブスも先週に引き続き
戦争の記憶を伝えるドキュメンタリーを二本お送りします。

■ドキュメンタリー「スガモ・プリズン解体」
 30分/1971年(昭和46年)
1971年東京都の豊島区にあった東京拘置所が取り壊されました。この建物は終戦の1945年から13年間にわたり、戦争犯罪に問われた人々を収容する施設「巣鴨プリズン」として使われた歴史を持っていました。収容された4200人の戦争犯罪人の中には、日本を戦争へと導き、推進した指導者として罪に問われた、28人のA級戦犯も含まれます。このうち東条英機元首相をはじめとする7人は、後にこの収容所の中で絞首刑になります。番組ではこの敗戦の記憶を刻んだ建物が取り壊されるのをきっかけに、スガモ・プリズンの歴史をたどり、日本人の記憶から薄れつつある戦争の記憶と、戦争への責任意識に警鐘を鳴らします。

【一口メモ】
東京拘置所(巣鴨プリズン)の跡地は、池袋地域の再開発の中心地となり1978年には、当時日本で最も高いビルとなったサンシャイン60が建ちました。今はその側の公園にスガモプリズンの処刑場があったことを示す、石碑が建っています。

語り: 和田 篤
撮影: 田村利雄/河野 広
録音: 秋葉寿郎/五味幸夫
効果: 中村克太郎
編集: 角田滋夫
構成: 小泉三郎

■特集番組「市民の手で原爆の絵を」
 45分/1975年(昭和50年)
NHK広島放送局に小林岩吉さんという77歳の男性が訪れました。被爆体験を持つ彼は当時放送されていたNHKの連続テレビドラマ※「鳩子の海」を見るうちに、自らの被爆体験を思い出し、その記憶を描いたという一枚の絵を携えていました。原爆投下直後の広島で、一人息子の安否を訪ねるうちに見た光景を描いたその絵は、実際に体験したものにしか描けない迫力を持っていました。NHK広島局はこの絵をきっかけに、被爆体験の絵の募集を市民に呼びかけました。その後1年、2200枚におよぶ絵が市民から寄せられました。その一枚一枚には、今まで被爆体験を語ることの無かった多くの被爆者の深い思いが込められていました。この絵をもとに構成された番組が「市民の手で原爆の絵を」です。広島の市民と放送局が協力して作り上げた原爆のドキュメンタリーです。

※ 「鳩子の海」は昭和49年から50年にかけて放送されたNHKのテレビドラマ。空襲のショックで記憶を失った戦災孤児の少女が、時代の荒波にもまれながらもたくましく成長し生きていく個人史を描いた長編ドラマ。主人公の子供時代を斉藤こずえが演じ人気を呼びました。

【一口メモ】
東京拘置所(巣鴨プリズン)の跡地は、池袋地域の再開発の中心地となり1978年には、当時日本で最も高いビルとなったサンシャイン60が建ちました。今はその側の公園にスガモプリズンの処刑場があったことを示す、石碑が建っています。

語り: 山田誠浩
撮影: 重枝宏英/磯山勝美
録音: 大土文人
編集: 藤野庄一/佐々木収造/小野瀬幸喜
効果: 酒井 寛
構成: 椎野禎文/原田豊彦
制作: 大野篤宏
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