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環境問題の変遷 ▲目次トップ
| 1.高度経済成長時代 | 2.大量消費社会 | 3.明らかになった化学物質の危険性 | 5.見つめ直される日本の自然環境 | <<前へ  次へ>>
4.高まる地球環境問題への関心
 1980年代後半、地球温暖化の進行とフロンによるオゾン層の破壊が進んでいる事が明らかになり、地球環境の問題に大きな注目が集まりました。環境を地域レベルではなく、地球規模でとらえるという考えがひろがったのです。
1 いち早く地球環境問題を警告
 2回シリーズのNHK特集「地球汚染」(1989年)は、海外の研究者の科学的データから大気や海洋に異変が起きている実態を報告し、地球環境の問題にいち早く警鐘を鳴らした番組です。
 1回目の「(1)大気に異変が起きている」ではフロンガスによるオゾン層の破壊が地球上全ての地域に広がっている実態を描きました。また、1980年代以降、地球の平均気温は確実に上昇しこのまま石炭や石油を大量に消費すると21世紀初頭には気候の大きな変動を引き起こす可能性があると警告しています。
 2回目の「(2)海はひそやかに警告する」では、ヨーロッパの北海でのアザラシの大量死やアメリカの五大湖で鵜のクチバシに奇形がみられるなどの異変を追っています。そして、その異変は人類が流してきた有害物資が動物の体内に蓄積されて引き起されたことを明らかにしたのです。
2 地球サミットを通した関心の高まり
 1990年代に入ると地球環境に対する関心は更に高まりました。1992年にブラジルで地球サミットが開催されました。地球サミットは、地球温暖化や森林の破壊など地球規模で広がる環境問題について世界の首脳が話し合う初めての国連会議となりました。ここでは、環境を保全しながら開発を進める「持続可能な開発」が人類の課題であることが確認されました。NHKでは、「NHKスペシャル 救え!かけがえのない地球 破局回避のシナリオ」を始めサミット開催中に数多くの番組を放送し、地球環境問題の解決に向けた道をさぐりました。
 1997年には、京都で地球温暖化防止会議が開かれ、先進国の二酸化炭素の具体的な削減目標が決まりました。ところが、この削減目標を定めた京都議定書から、排出量が一番多いアメリカが突然離脱し、京都議定書の実現は危機に直面しています。
3 地球環境を考えるNHKの様々な取り組み
 2003年、NHKは南極・昭和基地にハイビジョン放送センターを開設しました。そして4回シリーズで、南極の氷が溶け出したり、ペンギンの身体から化学物質が検出されているといった南極の様々な異変を紹介し、地球の環境破壊を考える番組を制作しました。「デジタル教材シリーズ 南極」(2003年)です。このシリーズは、小学校高学年から中学生の総合学習にも活用できるように作られています。
 また、「NHKジュニアスペシャル 地球の温度を下げろ! 二酸化炭素の秘密を探れ」(2004年)は、二酸化炭素の排出を減らしていく海外の取り組みを紹介しています。オランダのある都市では、太陽光発電の普及で市の電力の60%が供給できるようになりました。また、風力発電大国・ドイツでは、安定した電力を供給する仕組みを構築し、二酸化炭素の排出量を減らしているのです。
 しかし、日本ではなかなか思うように二酸化炭素の排出量が減りません。環境省によるとこれは、IT化によって企業や家庭で電力消費が増えていることや自動車からの排出量が増え続けていることなどが影響しているとみられます。
 削減目標の達成が義務付けられた2012年まで残り4年となり、京都議定書の議長国として、排出量の削減が大きな課題になっています。
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