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環境問題の変遷 ▲目次トップ
| 1.高度経済成長時代 | 3.明らかになった化学物質の危険性 | 4.高まる地球環境問題への関心 | 5.見つめ直される日本の自然環境 | <<前へ  次へ>>
2.大量消費社会―深刻になるごみ問題
 高度経済成長時代の後半、日本は大量消費社会に入ったと言われます。生活が豊かで便利になった反面、ごみの量は増え続けました。ごみ処理のため莫大な経費がかかるだけでなく、有害物質が流出して環境問題を引き起こし人間や野生動物に被害を与えるなど様々な問題が生まれました。
1 大都市を中心に急増するごみ
 東京や大阪など大都市を中心にごみ問題は深刻になりました。東京23区から排出されるごみの大半は、「夢の島」など江東区の埋立地に運ばれていましたが、そうした処分場が将来満杯になることが危惧されるようになります。「ドキュメンタリー ゴミと床の間」(1973年)は、一日1万5000トンを上回るごみが出る東京で新たな処分場の建設を巡って都と住民の間に激しい対立が起き、ごみ問題が混迷する様子を描いています。また、処分場周辺で起きたごみ公害の深刻さがよくわかります。
2 地方に押し付けられる産業廃棄物
 バブル経済の時代を迎えるとごみは更に増え続けます。首都圏で発生する産業廃棄物(産廃)は、処分場不足から東北など地方に押し付けられ、不法投棄が相次ぎます。「ドキュメンタリー89 追跡 有害廃棄物 〜埋められた4000本のドラム缶〜」(1989年)は、福島県内に投棄されたドラム缶4000本から有害物質・PCB(ポリ塩化ビフェニル)が検出された事件を追い、ずさんな産廃処理の実態を明らかにしています。
 1990年、50万トンに上る全国最大規模の産業廃棄物の不法投棄が明らかになりました。舞台は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島である香川県の豊島(てしま)。投棄された廃棄物から有害物質が流失して海を汚染してきました。
 「ドキュメントにっぽん 豊かな島を取り戻す夏 〜ゴミの島・22年目の決意〜」(1997年)は、公害調停を通じて不法投棄についての県の責任を追及する住民の姿を描いています。持ち込まれた産廃は、すべて都市からのものでした。国立公園に指定されている美しい自然環境でもいったん失われるといかに回復が難しいか、環境保護の大切さがわかります。
3 ごみが野生動物に与える悪影響
 人間が何気なく捨てるごみが野生の動物を傷つけています。「たったひとつの地球 ごみを食べた動物」(1996年)は、そうした野生動物の悲劇を探ります。例えば、死んだウミガメの胃の中から買い物をする時に使用するプラスチックの袋が大量に出てきました。ウミガメは、好物のクラゲと間違えて袋を食べ死んだとみられます。
4 ごみをどう減らし資源化するか
 ごみは、今も増え続けています。1年間で日本の一般家庭から出るごみは東京ドーム140杯分になります。「NHKジュニアスペシャル ごみを宝物に変えるすてきな方法」(2004年)は、ごみを減らしリサイクルする内外の取り組みを紹介しています。日本のリサイクル工場では、廃棄されるパソコンやコピー機の電子基盤から金を取り出し金塊を作り出しています。
 ドイツのミュンヘンでは住民はごみを出す際、税金とは別にお金を払っています。1週間にバケツ1杯のごみ出す家庭は、1年で7万円がかかります。ところが、量を半分に減らすと半額の3万5000円に減るのです。また、ごみの中からリサイクルできるものを取り出して、市のリサイクルセンターに持ちこむと無料で引き取ってくれます。こうした取り組みによってごみの量は7分の1になりました。
 ごみの減量化とリサイクルをどう進めていくかは、世界中で大きな課題なのです。
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