No.221
2019.01.25
アニメ/人形劇
『ネコジャラ市の11人』人形劇部分を初めて発掘!
今回はこちら!
“幻の人形劇”『ネコジャラ市の11人』です!発掘ニュースNo.59で、オープニングのフィルムが見つかったことをお伝えしました。今回は人形劇部分を含んだ5分弱のビデオテープの発掘です。人形劇部分は、当時の広報番組の中に映像がわずかに残っているだけで、本編としては全く保存が無く感激の発掘です!
白黒なのが残念ですが、発掘ニュースNo.59で紹介したオープニングには無い時刻表示や字幕が!井上ひさしさんをはじめとした作家陣が作ったストーリーはユニークでインパクトのあるものだったと言われています。その数分間、さっそくご紹介しましょう!
1970年から3年間放送した『ネコジャラ市の11人』、全668回のうち第255回です。この人形劇、第90回で大きく物語が転換したといわれていますが、それよりあとの回ですね。
まず現れたのはベンキョーチューとヤマチューというネズミのキャラクター。二匹が担ぐカゴの中に入っているのはお金!昨晩稼いだお金だそうです。ペコペコ頭を下げて物乞いする人間とネコに恵んでやるのだと話しています。
ネズミの行く先にはネコジャラ市の個性的なキャラクターたちが!皆、みすぼらしい格好をして、2匹のネズミがお金をバラまきに来るのを待っています。
秀才のアップル君の口癖は「ハテー!」。そしてネコジャラ平原の地主ネコ・ガンバルニャン。バンチョはネコジャラ市の市長ですが、この時すでに市長だったのかは不明です。声を担当していたのは「ひょっこりひょうたん島」(1964~9年放送)でドンガバチョだった藤村有弘さん。
バンチョの「あわれな声でねだりましょう!」という指揮のもと、「お恵みをー!」と物乞いの歌をうたうアップル君やガンバルニャンたち。
ベンキョーチューとヤマチューは「人間どもが虫けらみたいに這いつくばっている」とご機嫌になってお金をバラまきます。
そこに現れたのがズチャーズ。「こんな小さな子供が物乞いをして、ネコジャラ市の政治はどうなっているのか?」と嘆きます。ネズミたちのバラまいたお金は、どうやらズチャーズが渡した飛行機製作費の手付金のようです。自分のお金だから自由に使わせてもらうというヤマチューに対し、飛行機はちゃんと製作しろというズチャーズ。
はたしてズチャーズは良い人なのか?悪い人なのか?どちらなのだろうと思っていると、画面が真っ黒に…。4分48秒の録画が終わってしまいました。
短い時間ですが『ネコジャラ市の11人』初めての人形劇部分の発掘です!
ところで、この映像を提供してくれたのは、なぜか「日本テニス協会」!!
実は1971年4月23日放送の『デビスカップ東洋ゾーンAセクション決勝第1日 「日本」対「オーストラリア」』を録画していたビデオテープのうしろに残っていたのです!まだタイマーが無かったため、テープが終わるまで録画を続けていたおかげです。
実は本命のテニスの試合は、50年ぶりに日本がオーストラリアを破ったという貴重な映像。そして『ネコジャラ市の11人』のオマケまで!日本テニス協会の皆さん、どうもありがとうございました!
さらに!このビデオテープには、もう1本『お宝映像』が残されていました!
そちらは次回に…