発掘ニュース

No.217

2018.12.07

音楽

最初の合格者や『のど自慢』出身歌手!貴重な歴史を発掘!

こちらは前回ご紹介した『NHKのど自慢 日本一大会』(1978年放送)、表彰式が終わってテーマ音楽も流れ、番組は無事終了したかな…と思ったところ!!

客席から、にぎやかな坂上二郎さんのおしゃべりが聞こえてきました!

なんと第2部のスタートです!二郎さんがポケットから持ち出したのは、昭和28年「第6回のど自慢コンクール鹿児島県決戦大会」のプログラム。18歳の頃出場、見事に鐘3つ(合格)鳴らしたそうです。そう、坂上二郎さんも『のど自慢』出身なのです!

『のど自慢 日本一大会』の第2部は“思い出の「のど自慢」コーナー”!ずらっとステージ上に並んだ皆さんを代表して歌手の鳴海日出夫さんが紹介します。
「今日、のど自慢日本一が誕生するということで、前の呼び名ですと『のど自慢素人演芸会』の時のコンクールで日本一になりましたうちの27名が応援に駆けつけました!」
ちなみに鳴海さんは第5回の優勝者です。

昭和23年、第1回全国大会「歌謡曲の部」で優勝した羽鳥百合子さんと、「歌曲の部」日本一の岩本正さんをはじめ、皆さんが自己紹介。

27人の中で、その後、歌手になった方は…

第12回優勝の奥則夫さんはカンツォーネ歌手。発掘ニュースでもお馴染みの田中星児さんは第21回、ポピュラーの部で優勝しました。

金子アナ「のど自慢というのは宏美ちゃんとか新沼君より歴史が古いんですが、大体いつ頃から始まったと思いますか?」
岩崎さん「さっき(第1回)の方が昭和23年って言ってましたよね?」
金子アナ「あれは全国大会が始まった年なんです。」
新沼さん「ということは戦前からあったんですか?」
金子アナ「いやいや戦前からは無いんですが(笑)、今から32年前、昭和21年の1月19日に始まったんです。」

終戦の次の年に『のど自慢素人音楽会』として始まった“のど自慢”、なんと最初に合格した方も登場しました!

合格第1号・下門英二さんです!理髪店で働いていた下門さんは、『のど自慢』がきっかけで「床屋の英ちゃん」の愛称で全国的に有名になりました。その後、NHKの専属歌手として活躍しました。

下門さん「合格して32年ぶりです、兵隊から帰ってきたあとでした。」
坂上さん「最初の頃は、鐘じゃなかったんですって??」

下門さん「そうなんです。審査員の方が“OK”とか、こんな風に(バツ印)して。
…焼け跡に咲いた素晴らしい心の糧の番組で、大変な人気でした、」

スゴイ!のど自慢が始まった頃のことを当事者に聞けるなんて、感激です!
最初から鐘だったわけではないのですね。

舞台を中心に声帯模写で活躍した桜井長一郎さん『のど自慢』出身です。
「床屋の英ちゃんの時には『音楽会』でしたが、私は昭和22年に『演芸会』になった時の最初の合格者なんです。前は音楽ばかりだったんですが、翌年から演芸もよくなったんです。」

「私は5回挑戦して鐘3つ(合格)だったんですが、9回出て全部鐘1つという人がいるんです。その人がここに来てるんです!」

牧伸二さんがその人です!
「執念深いでしょ。でも鐘1つなら良いほうなの。鳴らない場合もあるわけ、予選で落っこちちゃうの(笑)私は昭和27年が初めて、今日10回目の挑戦させてください!」

…でも鐘は1つ。

牧さんのトレードマーク・ウクレレを持ってきて「あ~やんなっちゃった…」と始めたところ合格の鐘!めでたし、めでたし!

北島三郎さんは、牧さんの心境がよく分かるといいます。
「僕も『のど自慢』に出て、すごく緊張しちゃうわけ。普段はある程度自信があるから出るでしょ。でも出る前になると緊張してモジモジして、あと何番目で俺の番だと思うとトイレに行きたくなって…。出て、鐘がカ~ンと鳴るとガッカリしましてね。」

北島さんが『のど自慢』に出て、しかも合格ではなかったというのが驚きでした!

こちらのお二人も『のど自慢』出身!若原一郎さんは、本名の田野倉仲義の名前で昭和24年、第2回に出場して合格、残念ながら優勝はなりませんでしたがプロの歌手に。
三船浩さんは本名の森田肖三で、昭和26年第4回の新潟代表となり全国大会まで進みましたが優勝は出来ませんでした。

こうしてみると、『のど自慢』がプロの歌手やタレントへの登竜門であったことがよく分かります。そして忘れてはならないのがこちら…

鐘を鳴らし続けていた三上秀俊さんです!いつも鐘の後ろに隠れているので前に出てきてくださいという二郎さんの言葉で鐘の前へ。
坂上さん「はじめからですか?」
三上さん「はい、もう30年以上になります。」

この番組を見ると、『のど自慢』の貴重な歴史を当事者の言葉で聞くことができます。提供してくれた松尾進さん、あらためて本当にありがとうございました!

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