発掘ニュース

No.185

2018.03.02

情報番組

越路吹雪さんと語る 岩谷時子さんの財団から発掘!

今回の発掘はこの方!

越路吹雪さんです!1977年放送の『この人と語ろう 越路吹雪』(45分番組のうち約27分)。提供してくれたのは、越路さんのマネージャーも務めた作詞家の岩谷時子さんが設立した財団、「岩谷時子音楽文化振興財団」です。民放でもその生涯を描いたドラマが放送され注目される越路さんの“素顔”を垣間見ることができる番組です!

越路さんが亡くなる3年前に放送されたこの番組。各界で活躍する皆さんをゲストに招き、
そのゲストに関心のある一般の人たちがスタジオで一緒に語るという斬新な設定です。

話の流れをハンドリングする司会者はこの方…

鈴木健二アナウンサーです!絶妙なサジ加減でゲストの素顔を引き出し、一般の人たちとの会話を盛り上げます。まさに職人技!

3組のご夫婦が視聴者代表。年に一度必ず越路さんのショーを見に行くという二人や、仲人をするときには必ず「愛の賛歌」を贈るというご夫婦など、皆さん越路吹雪ファンです。

本人が登場する前に鈴木アナがひと言ずつ越路さんの印象を聞いていくと、“夕闇のあじさい”“カトレア”といった花に例えた言葉が奥さま方から出ました。

「皆さんお会いになった感じとしてはどうかしら?(笑)やっぱり皆さんの夢を与える我々ですから、いつも何かの花でありたい。ずっと“華”は持ち続けたいと思いますね。」

●私、変わってますか?

「体重は、ミュージカルの時は大体52キロくらい。リサイタルの時が54キロから5キロ、という風に自分ではしているんです。今はちょっと痩せている状態です。…私そんなに大きくないんです。」
視聴者ゲスト「舞台では凄く大きく見えますよね。」
「あんまり大きくないんですが、皆さんに大きいって言われるんです。」
鈴木アナ「高さはどれくらいですか?」
「メートル?何ですか?よく分かりませんが(笑)」
鈴木アナ「数字には弱いって話は聞いてますけどね(笑)」
「体重のキロだけは分かりましたね!…今でもキロですか?」

鈴木アナ「今でもキロです。もう“貫”というのは使わないですから。…そういう、いささか浮世離れしたところがご自分にはあると思われますか?」
「自分じゃあまりそう感じないんですけど、人から『やっぱりあんたは変わってるな~』なんていわれるとね…。私は普通だと思ってるんですけど、分からない~(笑)」

●今でも舞台は緊張します

「いまだに舞台に出る前はナーバスになりますね。…だんだん分かってくればくるほど。」
鈴木アナ「それは自分がですか?」
「何年もやっていますと、だんだん自分に自信があるようで無いような。何のお仕事でもきっとそうだろうと思いますけど。私は、やればやるほど怖くなったり。」
鈴木アナ「そうすると舞台に出る直前、袖のところかなんかで?」
「いまやっとリラックスしましたけど、さっきも来るまで落ち着かなくてね…テレビってめったに出ませんから、キャメラが見えたりすると…慣れないんですよね(笑)もう少し厚かましくならないとダメですね~。」

●食べることが全てです

「香港で言われました、女性としてはかなり召し上がるほうですよって。食べていると舞台でもモチが違うっていうか。やっぱり食べることしかないような気がするんです。なんでも食べますよ。嫌いなものはといえば、クワイとかユリ根とか…」
視聴者ゲスト「梅干はお好きですか?」
「梅干は大好きです!梅干とお茶は毎朝欠かしません。
鈴木アナ「何で梅干が大好きなんですか?」
「梅干とお茶って体にいいですよ。」
視聴者ゲスト「健康にいいですよ。出張の時には必ずもって行きます。」
「そうでしょ!私たち(夫婦は)外国に行く時に持って行きますよ。梅干だけでも大変な量になっちゃって。1日2人で6個っていうとオーバーな荷物になっていっちゃうんです。じゃあ2個にしようかなんてね。」

「朝、タバコを吸うときにも、先にちょっと梅干とお茶を。それからコーヒーになるんですけど、(コーヒーは)食事のあとですよ~(笑)」
鈴木アナ「全然合わないじゃないですか(笑)」
「いや、合うんですちゃんと!ずーっと合ってるんです、私の頭の中では。」

●家では歌いません

視聴者ゲスト「やはりお家でも歌を歌っているのかしら?」
「これが歌ってないんですね。私は鼻歌が一番いいと思っているんです、歌って。皆さんよく歌っていらっしゃるでしょ、お風呂場で歌い、麻雀で歌い…。私は一切、歌は出てこないんです普段。鼻歌が一番人生ですばらしいものだと思うんです。…舞台で鼻歌みたいな状態でお客様に楽しんでもれえれば一番いいんです。」

●わたし不器用なんです

「私は、すぐに歌がそのものになるとは思わないんです。一つのドラマがあり、そこに何かがあり歌になるまでには時間がかかります、消化するまで。ですから、あまり器用なほうではないんです。」
鈴木アナ「ほー。」
「器用そうに見えますか?(笑)」
鈴木アナ「例えばある歌を稽古しますね。最初の頃は歌にならない?」

「譜面から始めて、作詞、訳詞、いろいろ出来ますね。…例えば“あなたの燃える手で”と譜面と全部一つになって入って、それから心と体で出てくるものだと思うんです。ですから、すぐこれを歌いなさいと言われたらちょっと歌えないですね。…やっぱり聞きにいらっしゃる方、いい夢を見たい方のためにもいい加減なことはやりたくない。」

ドラマなどで、なんとなく知っていた越路吹雪さんの姿を、実際に映像で、しかもご本人が語る言葉で体感できる…これはアーカイブス、そして発掘ならではの素晴らしさだと改めて感じました!最後にもう一つ、番組の中で語っていた越路さんの言葉を…

「起きた時に思うのは今日を生きるということですね。
明日があるから今日を生きるのか?
明日に向かって生きるのか?
だんだんそういうことを考えるようになりました。」

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