発掘ニュース

No.159

2017.06.30

情報番組

声の魔術師・神谷明さん、紅孔雀&プリンプリンを語る!

「おっす!『ひるまえほっと』ご覧の皆さま、元気にしてたかな~!キン肉マンどぇ~す。」
どこからともなく声が…そして!

「あたたたたたたたた!おまえはもう“見て”いる!」

…声のパフォーマンスで『ひるまえほっと』(関東地域のみの放送)に登場したのは声優の神谷明さん!おなじみ「発掘!お宝番組」6月のゲストとして出演してくださいました。

神谷さんが提供してくれた発掘番組、まずはこちらです!

連続人形劇『紅孔雀』。1978年4月からの1年間、夕方のお茶の間を楽しませました。日本に流れ着いたアステカ王国の秘宝をめぐり、「白鳥党」と「されこうべ党」が戦いを繰り広げ、恋人同士が敵となる悲恋の物語も交えた人形劇です。

この『紅孔雀』は全223回の放送のうち、NHKには当初、第1回と最終回しか保存がありませんでした。それが人形操者・伊東万里子さんや番組関係者からの提供、そして神谷さんからの“とどめ”の発掘により、残り1回分(第82回)となりました!

「僕がブログに“NHKに寄贈したい”と書きましたら、番組発掘プロジェクトから連絡を頂きまして提供することが出来たんです。実は『残りの1本』も入っていると思っていたんですが…録り忘れていたみたいで、でも怒れませんよね。」
武内アナ「どなたがこれを録っていたんですか?」
「家族が録っていました。時々は僕も録っていたんですが…」

神谷さんは『紅孔雀』で、アステカ王国のコテモク、そして盲目の美剣士・浮寝丸(うきねまる)の2人の声を担当していました。この浮寝丸が当時、女子の間で大人気!浮寝丸は主人公(小四郎)の命を狙う敵役なのですが、どこか憎めない美剣士です。

「僕が当時、バレンタインデーにチョコを800個もらったんです。個人的にそんなに知り合いはいませんから(笑)これはもうキャラクターのおかげです。」

ここで『ひるまえほっと』で初めて明かされたお宝情報が!

「あの『北斗の拳』のケンシロウのルーツが浮寝丸にあったと、今回 初めて気がついたんです!」

「えええっ!!」驚く武内アナ。手元にあったお便り募集の原稿で、浮寝丸とケンシロウのセリフまわしを実演してもらいました。
「番組では皆さんからのお便りを募集しています…」(浮寝丸&ケンシロウ風)

ケンシロウは少しドスがきいた声ですが、確かに浮寝丸がベースにある感じが聞き取れる楽しい実演でした。(お聞かせできないのが残念…!)

しかもVTRでご覧頂いた浮寝丸のセリフが「小四郎、もうすでに天はお前を見放したぞ。」というケンシロウが語りそうな言葉、その不思議なつながりも発掘されました。

当時30歳代だった神谷さん、どんな風に演じていたのかを語る若き日の姿も、提供いただいたビデオの中に残されていました!

『紅孔雀』の直前の時間帯に放送していた『600こちら情報部』。声優の皆さんを特集した回です。

Q 2つの役を演じ分ける時、苦労はありませんか?

「そうですね、その人物の役柄をハッキリとらえれば演じていけると思います。」
32歳の神谷さん、お若いですね!!

「なんだか生意気なこと言ってますね!…デビューしてまだ4年くらいですかね。

コテモクと浮寝丸は性格が全く違っていたのと、年齢設定も同じくらいの年齢なんですが僕としては浮寝丸のほうが少し年上というふうにとらえてやっていました。」

スタジオには神谷さんが残していた『紅孔雀』の台本もお持ちいただきました。表紙の左上には神谷さんのサインが!

ガリ版刷りの台本には神谷さんが当時書き込んだメモとともに、コテモクと浮寝丸のセリフを分かりやすくするための色づけも!“声の魔術師”神谷さんの技を垣間見ることができる貴重な資料です。

Q アニメと人形劇の違いは?
「(アニメと違って)人形劇は先にセリフを録るので、自分で想像して、自分のリズムで出来るんです。自由度が高いんですね。ラジオドラマとほとんど同じように録っていました。…人形劇は楽しかったです!ラジオドラマ草創期からやっている皆さんとご一緒できたので、先輩たちの演技と技を盗めたというのが大きかったです。」

そして『紅孔雀』の翌年の1979年、いよいよ“あの”伝説の人形劇が!

そう『プリンプリン物語』です。こちらでも神谷さんは複数の声を担当しました。

まずプリンプリンと一緒に旅をする仲間ボンボン。そしてスパイ活動をしているゼロゼロセブン・ヘンナキブン。


ルチ将軍

さらにプリンプリンの命を狙うアクタ共和国の独裁者ルチ将軍!

「知能指数は1300!」
子供たちの間で大流行したルチ将軍の決め台詞を、神谷さんがスタジオで披露!

この『プリンプリン物語』は3年間で656回放送されたのですが、NHKには当初、第1回と最後の1年間の443回以降だけが残されていました。番組関係者や視聴者の皆さんのご協力、そして神谷さんからのご提供で残り11回分となりました!

「残していたビデオテープを自分自身でもデジタル化できる機械ができていて、(自分でデジタル化したものを)見ていたら面白くて!これは残さなきゃいけないと本当に思ったんです。これってもしかすると“日本の文化”かなと。」

こうして皆さんからのご協力のもと発掘が進んだことで放送になったのが、先日6月28日に放送したスペシャル番組です!ご覧になりましたか??次回はそのダイジェストをお送りします。

神谷明さん、これからも素晴らしい“声”を楽しみにしています!発掘へのご協力、本当にありがとうございました!

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