発掘ニュース

No.109

2016.06.10

ドラマ

俳優・瑳川哲朗さんから『赤ひげ』発掘!

100回を越えた「発掘ニュース」ですが、その第1回でご紹介したのが『赤ひげ』です。
医療ドラマのパイオニアであり名作!その『赤ひげ』の一本が新たに発掘されました!

人情味あふれる“赤ひげ先生”を小林桂樹さん、西洋医学を積極的に学ぶ若手医師をあおい輝彦さんが演じています。

医療をめぐってぶつかり合いながらも心を通わす二人。毎回取り上げられるテーマは、現代にも通ずる社会問題を描き出していて、どの回も見ごたえ十分です!

新たに発掘された回は1973(昭和48)年6月29日放送の「朝露に消ゆ」、第36回です。

提供して下さったのはこちら!

俳優の瑳川哲朗さん、現在79歳。この回では笈川哲太郎役として物語の中心人物を演じています。

当時36歳の瑳川さんです。『赤ひげ』は各回に物語のカギを握る人物としてスペシャルゲストが登場するのが特徴で、瑳川さんもその一人でした。

江戸時代末期、世は開国に向けて大きく動いている中、開国に反対する自分たちの藩の江戸家老を斬った笈川哲太郎(瑳川哲朗さん)たち。しかし結果は自分たちが藩から追われる身となり、ケガを負った仲間とともに寺に立てこもることに。

赤ひげ先生を巻き添えに立てこもる哲太郎。実は妻を亡くした恨みが背景に…

全49回の『赤ひげ』ですが、元々NHKに保存されていたのは第19回の「ひとり」だけ。(芸術祭や海外の賞を受賞したこともあり残されていました。)番組発掘によって着実にそろってきています。

保存されている全作品はこちら…!

第1回「小石川養生所」
第12回「冬の宿」
第15回「醜聞」
第19回「ひとり」
第23回「沢根屋おとき」
第29回「誤診」
第32回「退院」
第35回「生きがい」
第36回「朝露に消ゆ」
第47回「ひぐらし」
第49回「一年」

今回、瑳川さんからのご提供で全49回中、11回分がアーカイブスに保存されていることになります!

Q この度は発掘映像をありがとうございます。
「いやー、もっとあったんだけどね、ポツポツ無くなっているものもあったりでね。僕が持っていても仕方がないから全て寄贈しますよ。」

Q 貴重な映像、どのような経緯で録画を?
「自分の演技の反省点を見直す為に、Uマチックの録画機材を大金をはたいて購入したんです。しかし当時は忙しかったから一度も見直してないんです(笑)

あの当時はワンシーンを収録してプレビューするのにも時間がかかっていた時代でしたから、自宅でゆっくり見たいと思ったんでしょうね。」

Q 全てご自宅に保管を?
「そうです。邪魔にならぬよう、家の中を整理しながら工夫して保存しておいたんです。今回、丁度いいタイミングで番組発掘プロジェクトから電話があり、これで家の中がスッキリしました(笑)」

Q  瑳川さんと言えば『大江戸捜査網』(民放の時代劇)のイメージが強いんですが?
「そうなんです、現代劇より圧倒的に時代劇役者ですね。NHKの大河作品『三姉妹』が最初の時代劇でしたから。その後『赤ひげ』のゲストとして呼ばれて、これまた時代劇(笑)」

Q 当時のNHKドラマの制作現場の雰囲気とはどんなものだったのでしょう?
「とにかく制作側と出演者が皆若いですから、情熱が現場全体にみなぎっていましたね。テレビ草創期という事もあって実験的な試みや創造芸術に挑みやすい空気がありました。」

「今回僕が映像をご提供できた事は、僕の喜びでもあるんです。僕が情熱を傾けた作品でもあるので、これが人々の目に触れる事で感じてもらいたいですね。
また制作者にも当時の情熱を注いだ空気を感じていただき、それを後世に伝えていってもらえれば、これほど嬉しい事はありません。番組発掘プロジェクトのやっている事は素晴らしく大事な事ですよ。」

ありがとうございます!これからも自信を持って発掘していきます。
さてさて!瑳川さんから提供いただいたのは『赤ひげ』だけではありません!

こちら!

なんと1969年放送の金曜ドラマ『鞍馬天狗』が録画されているかもしれないビデオテープです!1/2オープンリールでカラーの可能性も!!

現在、再生できるデッキを探し確認作業を進めようとしているところです。はたして…?!少し時間がかかりそうですので、結果は後日、発掘ニュースでお伝えします。お楽しみに!

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