発掘ニュース

No.019

2014.08.08

スポーツ

伝説の甲子園決勝!引き分け再試合、全中継を発掘!

今年も夏の高校野球の季節がやってきました!今回は、延長18回で勝負がつかず再試合となった昭和44年の第51回大会、松山商業と三沢高校、伝説の試合の発掘です!

白黒映像で画質も良くない家庭用ビデオでの録画映像ですが、4時間16分の大熱戦、そして翌日の再試合がまるごと収録されています。

この伝説の決勝戦、短いニュースでの映像はカラーで残されていますが、4時間余りの試合全部、しかも再試合まで発掘されたのは初めてです!

提供は、この試合そして再試合をともに実況していた羽佐間正雄アナウンサー(82)です!
「当時37歳、私にとっては初めての甲子園決勝の実況でした。まさか、あんな試合になるとは全く予想もしませんでした。」

この試合が行われたのは1969(昭和44)年8月18日(月)。

「いよいよ今年の最後のページを飾る優勝戦。お盆明けの月曜日ではありますが内野はアルプススタンドまで既に超満員、外野も7分の入りを見せます決勝戦。」
という羽佐間アナのコメントからスタート、試合開始のサイレンが午後0時59分に鳴りプレイボールです。

北奥羽代表(この時期は青森・岩手の2県から1校を選んでいました)の三沢高校は、初優勝を目指し勝ちあがってきました。先発は大会屈指の右腕・太田幸司投手。

その後ドラフト1位で近鉄バファローズに入団し、誰もが知る人気選手となったあの太田幸司投手です!

対する北四国代表(愛媛と香川の代表です)は松山商業。勝てば夏の大会4回目の優勝という甲子園常連校。エースは井上明投手。映像では分かりづらいですが、メガネをかけています。

開始からまもなく、羽佐間アナと解説の山本英一郎さんは試合の展望を話します。

「3対2、2対1のような1点を争うゲームになれば三沢にチャンスが。そうでなければ力からいえば松山商業が良いような気がします。」

徐々に調子を上げていく三沢・太田投手、そして立ち上がりからカーブの切れが良く制球力も抜群の松山商・井上投手。試合は投手戦!両チームともチャンスは作っても得点には結びつかずスコアボードには"0"が並び続けます。

アルプス席ではリポーターが応援団の皆さんに呼びかけます。
「あと7、8、9の3回、応援頑張ってください!」

『9回では終わらないんですよ~』とビデオに向かって教えてあげたくなります。

決勝戦での延長は、当時としては6回目。伝説の延長戦の幕開けです。

スコアボードの表示は12回まで。13回以降はご覧の通り。3回の部分から再び点数をはめ込んでいきます。

その13回が終わったところで羽佐間アナ。
「ご参考までに申し上げておきますが、延長は選手の健康という面から18回で引き分けということになっております。18回で決着がつかなかった場合は、明日再試合が行われるということになるわけです」

羽佐間さんは「12~3回ころから、"もしかすると、これはえらい試合になるぞ"と思い始めたんです。横にいたディレクターには、両チームの地元の様子を取材するように指示しました。すると松山も三沢も人っ子一人外にはいない、タクシーも走っていないとの情報でした。皆さん、テレビやラジオにかじり付いていたんでしょうね。」と語っています。

このあたりから『おことわり』のテロップが次々に出始めます。何もかもが予想外の大熱戦!

そして!大きな盛り上がりを見せたのが15回の裏、三沢高校の攻撃。1死満塁、フルカウントの場面!

四球ならば押し出しサヨナラとなるところでしたが、踏ん張った井上投手が2者連続で打ち取り奇跡的に切り抜けます。このとき井上投手は涙を流しながら投げ続けていたといいます。

結果を知りながら見ている私も、ハラハラドキドキ!生で見ていた当時の人たちの興奮はどんなに凄かったろう…と、ちょっとうらやましくなりました。

羽佐間アナは「私も4時間を超えた放送は初めてです。…ついにやってきた18回、ともに与えられた回は1回になりました。」

18回の攻防は、ともに一人ずつランナーを出したものの得点に結びつけることはできず、最後は三沢高校の盗塁失敗でスリーアウト!

試合終了!時刻は夕方5時をまわっていました。

「引き分け再試合!引き分け再試合!史上初の引き分け再試合であります!」

「おそらくは精魂尽き果てたでありましょう。優勝決定は明日に持ち越されました。双方ともにゆずらず、延長18回、尽きるところをしらない熱戦でした!」

翌日の再試合、同じく0時59分にプレイボール。実況は同じく羽佐間アナです。

連日の試合で洗濯も出来ず、真っ黒なユニホームで戦った両チーム。しかし疲れは全く見せず、ときおりベンチで見せる笑顔が印象的でした。

この日も好ゲームでしたが、結局、4対2で松山商業が4回目の優勝を成し遂げました。

2523校の頂点。わずか1校しか味わえない優勝ってどんなものなのだろう…。
平凡な高校生活を送った私には想像できません。
ただ、今回良く分かったのは録画したビデオでも当時の興奮を味わえるということです!

延長18回そして再試合、選手とともに2日間を喋りぬいた実況担当の羽佐間正雄さん。オリンピック11回、高校野球は20回以上の大会で放送にたずさわったという羽佐間さんにとって、この2試合とは…?

「天が贈ってくれた、私のアナウンサー人生の中でも最高の試合です。」

さて、今年もいよいよ始まる甲子園!どんなドラマが待っているのでしょうか??
回を重ねて今年は第96回大会です。歴史に残る試合を楽しみにしましょう!

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