発掘ニュース

No.015

2014.07.11

趣味/教育

“うっかり八兵衛”が歌のお兄さん?!

前回に続いて「おかあさんといっしょ」の発掘、しかも“うっかり八兵衛”のあの俳優さんが歌のお兄さんだった!というビックリ発掘です!

ドラマ『水戸黄門』の“うっかり八兵衛”といえば皆さんお分かりですね!そう高橋元太郎さんです。30年にわたって“うっかり八兵衛”を演じ続けた高橋さんから提供いただいた一本、それがご自身が出演した「おかあさんといっしょ」です。しかも『歌のお兄さん』として!

まずオープニングから!この頃の「おかあさんといっしょ」はまだ白黒放送でした。

可愛いぬいぐるみたちが動き回ったあとに『うたいっぱい』の文字が!
1959年からスタートした「おかあさんといっしょ」、1965年4月から毎週水曜日は『うたいっぱい』というサブタイトルで放送していました。

その主役が『ゲンちゃん』こと高橋元太郎さんです!

「今日は張り切っていこうかな!」と話し始めたゲンちゃん、当時26歳です。

ワニくんに「今日でこの『うたいっぱい』おしまいなんだよ…」と突然、衝撃発言!放送日は記されていないのですが、どうやら高橋さんが担当した最後の回(1967年3月29日)の放送のようです。

そこでアーカイブスの資料を探してみたところ…ありました台本!
『うたいっぱい』94回目の放送、最終回の文字…

曲目が書かれていて、これを見ながらビデオをチェック!

ゲンちゃんの歌声をお聞かせできないのが残念です!

最初の歌は「朝いちばん早いのは」。街一番の早起きはご存知の通りパン屋さん!
そして一番の寝坊はゲンちゃん!みんなに起こされます。

「トトトのうた」
たくさん卵を産むニワトリ、実はゆで卵が大好きという歌だったんですね!

「ミシェルおばさん」
フランス民謡が原曲とのこと。ミシェルおばさんが探しているネコ、ゲンちゃんが隠しているというストーリーです。

「おとうさん」
おとうさんの毎日を描いた歌です。夜はやっぱりテレビを見ながらうたた寝をしてしまいます…

「シャベルでホイ」
モグラが『道普請(みちぶしん)』するという歌です。難しい言葉ですよね!共同作業で道路を作ったり修理することを道普請といいます。

「リスとハト」
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の曲に合わせてサトーハチローの詞を歌います。

「ぶんぶんぶん」
おなじみのハチの歌ですね!影絵をバックに流れ、今回の中では唯一出演者が出てこない歌です。

「うさぎのダンス」
中山晋平が作曲、野口雨情が作詞した「♪タラッタ、ラッタ、ラッタ…」のあの歌です。ゲンちゃんの腕に付けたリボンが可愛いです。

「牛若丸」
「♪京の五条の橋の上…」で始まる、牛若丸と弁慶の歌。ゲンちゃんは牛若丸!橋の上を飛び回ります。

「こゆび」
「お別れの時間が近づいてきました…」という挨拶のあと、しっとりとゲンちゃん一人で歌います。忘れないでね…という指きりの思いがこもっています。

「ひとりぼっちの羊かい」
最後は元気に明るくお別れです!
共演の真理ヨシコさんとのコンビもバッチリ!衣装も似合ってますよね。

…と、18分間で11曲!まさに『うたいっぱい』です。ゲンちゃんはいたずら好きで、歌の合間のいろんなところで笑わせてくれます。おしゃべりや表情に“うっかり八兵衛”の原点を見たような気がしました!

現在73歳、高橋元太郎さんのお話です!
――― 出演のきっかけは、NHKのラジオで出演していた子供向けの番組の終了後に「おかあさんといっしょ」の女性ディレクターからお誘い頂いたことです。
当時はジャズ歌手の旗照夫さんが出演されていてとても興味を持っていました。

「うたのおにいさん」という呼び名でなく「ゲンちゃん」と呼ばれていました。
歌手としてロックやポップスを歌っていたので“童謡”に慣れるのに大変でした。
それとNHKの収録の細かさにびっくりしました。「1日録音、1日振付、1日収録」と3日もかかって撮るのは初めてでしたから…。

良かったことは、番組に使用した小物やおもちゃを持ち帰ることができ、当時1歳の長男が喜んだこと。それと童謡をたくさん歌ったおかげで今でも空で歌え、孫にも喜ばれました(笑)

高橋元太郎さん、大切にとっていた録画テープを提供していただき本当にありがとうございました!元太郎さんは、秋から始まる連続テレビ小説「マッサン」で造り酒屋の番頭さん役で登場されます。今から楽しみですね!

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