発掘ニュース

No.006

2014.05.09

アニメ/人形劇

新八犬伝を発見せよ!

「シャーロックホームズ」や「新・三銃士」など、いまの時代も人気の高いNHKの『人形劇』。その歴史を語る時に忘れてはならない人物の一人が辻村寿三郎さん(80)です。1973年~75年の「新八犬伝」、75年~77年の「真田十勇士」の人形美術を担当した方です。

今も現役の人形師として活動を続ける寿三郎さんを訪ねました!はたして数本しか映像の保存がない「新八犬伝」を”発見”することは?!

こちらが辻村寿三郎さんのギャラリーであり人形制作のアトリエでもある『ジュサブロー館』です。(新八犬伝のころは“辻村ジュサブロー”でした)

いらっしゃいました!現在も人形教室で人形制作の指導などを続ける寿三郎さん、現在80歳です。この日も人形展のための人形・滝夜叉姫(たきやしゃひめ)の制作をなさっていました。

さっそく当時のことをお聞きすると…
「新八犬伝は、人形作りから、人形の操作、美術を担当していました。週5日の放送で寝る暇もないほど忙しかったです。」と話して下さいました。

ではビデオテープは??
「当時(1970年代)は、まだビデオが高価で買うお金がありませんでした。だからビデオテープは持っていないんです…」

残念!しかし…!?

「新八犬伝」の最終回、そして「真田十勇士」の第440回の台本をお持ちでした!NHKにも保存がないもので、しかも台本の中には辻村さん自筆のメモが!

実は「新八犬伝」に関するメモではなく、次の仕事であった舞台のアイデアメモだそうです。当時は撮影と準備に追われていたため、台本はその番組のことだけでなく次の仕事のアイデアメモとしても使っていたとのことです。ただ、必要なくなるとその都度処分していたので、この2冊が残っていたのは奇跡的です!

さらに「新八犬伝」に登場した人形も残っていました!


(左:伏姫<ふせひめ>、右:ゝ大法師<ちゅだいほうし>)


(玉梓が怨霊<たまずさがおんりょう>)

この人形の登場シーンは、必ず寿三郎さんが自ら人形操作を演じたとのこと。そのおどろおどろしい動きと人形の表情に、全国の子供たちが恐れおののいたそうです!

「新八犬伝では、それまでの人形劇にはなかった新しい手法を取り入れたんです。その一つが『歌舞伎』です。舞台様式や顔の表情、衣装、動きなど…だから歌舞伎俳優の方にも新八犬伝のファンが多かったんですよ。」とのことでした。
そういわれると、人形の顔を見ても確かに…!

寿三郎さん、本当にありがとうございました!映像の新たな発掘はありませんでしたが、新たな“発見”のある訪問でした。

※ジュサブロー館の詳細はこちら。(NHKのホームページを離れます)

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