テレビ放送が始まったころの受像機
受信契約:866件。受信料:200円、受像機:アメリカ製、17インチ25万円、21インチ35万円、国産14インチ17.5〜18万円、東京〜大阪の三等運賃:680円(NHK放送博物館蔵)テレビが
始まった日
20世紀はよく「映像の世紀」と言われた。
映画に次いで出現したテレビは、瞬間的に、同時に、世界を結ぶ。
テレビが始まった日。それは、「テレビ以前」と「テレビ以後」とに、
大きく時代を区分する大事件ではないかと思う。
はたして、テレビは何を伝えてきたか。テレビはどう変わってきたか。テレビ放送開始の日に使用された歴史的なカメラ
RCAテレビジョンカメラTK-30A型。3インチイメージオルシコンカメラで、レンズは4本の単管レンズをターレットで切り替えて使用した。(NHK放送博物館蔵)

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テレビ進化論01
時代を分ける、テレビ以前とテレビ以後

初日の放送は、4時間

1953(昭和28)年2月1日、日本のテレビ放送が始まった。テレビ放送一番乗りは、NHKと戦後生まれた民放・日本テレビの間でしれつな競争が行われた。NHKは、自前技術だが、日本テレビはアメリカ製の技術に頼った計画のために、RCA社からの機器の納入が一部遅れるなど、放送開始は、当初'53年1月の予定が、結局8月28日まで延びてしまった。そのようなわけで、日本のテレビ放送開始日は、NHKの放送開始日ということになった。

さて、2月1日午後2時、東京・内幸町にあった放送会館の第1スタジオから「JOAK-TVこちらはNHK東京テレビジョンであります…」のアナウンスが流れた。続いてNHKの古垣鉄郎会長があいさつした。「テレビは文化のバロメーターだと言われています。しかも、目と耳を同時に引き付けて各家庭に流れるテレビジョンは、その影響するところは国民生活全体の上に革命的とも申すべき大きな働きを持つものであります」。本放送を開始した当初の放送時間は、合計4時間だった。

※月曜〜土曜が正午〜午後1時30分と午後6時30分〜午後9時。日曜が正午〜午後1時と午後6時30分〜午後9時の3時間30分。

テレビカメラは3台、中継用2台で本放送突入

放送開始当初、NHKが保有していたテレビカメラは3台のスタジオ用のほかは中継用2台しかなかった。また2月1日時点で受信契約数は866。受信料は月額200円だった。手作りのテレビなどを含めても、テレビ台数は東京都内で1200台から1500台程度だったと推定されている。

月給1万5000円、テレビ20万円

その当時、とにかくテレビは高かった。売られていたテレビの受像機の大半が輸入品で、アメリカRCA社製の17インチが25万円前後。大学卒の初任給が8000円前後、平均的なサラリーマンの手取りが月1万5000〜1万6000円だから、テレビは高根の花だった。NHKは、都内各所に公開テレビを置いて宣伝につとめた。銀座でもテレビに黒山の人だかりができ、「眼でみるラジオだ」と人気をさらった。

テレビ最初の番組は『道行初音旅』

さて、当日の番組表は、右の表のとおりだが、記念すべき日本のテレビ史上最初の番組は尾上梅幸、尾上松緑らの菊五郎劇団の舞台劇『道行初音旅(みちゆきはつねのたび)』だった。

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