アカイさんノート: 2018/08/31

NHK人物録 町田啓太

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1990年生まれ、群馬県出身。2010年に「第3回劇団EXILEオーディション」に合格し俳優としての活動を開始。2014年、連続テレビ小説『花子とアン』の村岡郁弥役で大ブレイク。以後活躍の幅を広げ、映画やドラマの話題作に次々と出演。NHKでも『美女と男子』『ガッタン ガッタン それでもゴー』『定年女子』など出演作多数。また、エンターテイメント番組『お宝!バックヤードハンター!!』『発掘!お宝ガレリア』ではキュレーター役を務めた。2018年、大河ドラマ『西郷どん』の小松帯刀役で活躍。

 

ドラマ10 美女と男子(2015)向坂遼役

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「このドラマ見てるよ」と、お声がけいただくことの多かった思い出深い作品です。全20回にわたる長編ドラマで、海外にも発信していきたいという意欲的な作品でした。脚本の田渕久美子先生とお会いしたときに、「この作品は町田くん次第だからね」と、言っていただいたのが忘れられません。僕自身は当時まだ駆け出しでしたが、重要な役柄を任せていただいたと、とても光栄に感じました。また、主演の仲間由紀恵さんとも初共演だったのですが、仲間さんはさまざまなドラマで主演を経験されている俳優の大先輩ですので、胸を借りるつもりで撮影に挑んだのを覚えています。

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フリーターの青年・遼は工事現場で働いているところをスカウトされる

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新人マネージャーの一子(仲間由紀恵)とともにスターをめざすことに…

このときの僕、肌が結構黒いですよね(笑)。役作りというか、向坂遼という男のちょっと粗野で尖った雰囲気を出したくてそうしていたのだと思います。実はこの作品のチーフ演出は、『花子とアン』でお世話になった松浦善之助ディレクターでした。“花アン”での郁弥役の明るいイメージが強かった僕に、松浦さんは「とりあえず笑顔、封印していこう!」とアドバイスをしてくださって。まずはそこから、遼という男の人間像を作っていきました。

ryohonyomi.jpgでも、“遼”としては笑顔が少なめでしたが、僕自身は長い撮影を通してスタッフの皆さんや共演者の方々とすっかり仲良くなり、とても楽しい現場でした。いろいろな作品に出演するのとはまた違って、ひとつの作品に長期間集中させていただけたからこそ得られた経験と、深い学びがあった気がします。

yakeibackryo.jpg遼の主演映画が海外で高く評価されて…

 

岐阜発地域ドラマ   ガッタン ガッタン それでもゴー(2015)森田信一役

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懐かしいです!岐阜弁、難しかったなぁ。僕が演じたのは、主人公・加奈(谷村美月)の同級生で温泉旅館の跡取りの森田信一。信一はアメリカに憧れている……という設定だから、ちょっと不思議なファッションなんですよね(笑)。

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旅館の跡取り息子の信一だが、アメリカで牧場を経営することが夢で…

 

加奈はいじめられていた過去から逃れられず、一方の信一も夢を諦めようとしている。でも、そんなストーリーの中にレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」の開発秘話が絡んで、本当に前向きな気持ちになれる作品でした。また、信一の父・哲治役の鶴見辰吾さんや、木工所所長・小谷役の松尾スズキさんも細やかな演技で現場を盛り上げてくださり、忘れられない楽しい現場でした。

tetujitokenka.PNG父・哲治(鶴見辰吾)とは衝突してばかり

kanayokogao.PNG母が亡くなり、奥飛騨に帰ってきた加奈(谷村美月)は町のアイデアマン・小谷(松尾スズキ)と出会う

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奥飛騨の町は初めて伺ったのですが、自然が豊かで温泉もたくさんあって、僕の故郷、群馬の風景にもどことなく似ているように感じ親しみを覚えました。地元の方もエキストラとして参加してくださったのですが、とてもゆったりしていながら、ハツラツとした笑顔の方が多かったのも印象的です。実はこの撮影を聞きつけた高校の先輩が、岐阜の出身ということで現場に遊びに来てくれたんです。学生時代以来の再会だったので、とてもうれしかったです。岐阜放送局開局75周年記念という節目のドラマに関われたことが、僕にとってもかけがえのない思い出の多い作品になりました。

railbike.PNG小谷の発案した“レールマウンテンバイク”

 

発掘!お宝ガレリア(2016)キュレーター

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この番組と『お宝!バックヤードハンター!!』(2015)では普段見ることのできない美術品や工芸品などを拝見することができ、とても貴重な経験をさせていただきました。実は両番組ともに、ベースとなる台本はあったのですが、それは僕には全然見せてもらえなくて。詳細を知らないまま、ロケに行っていました(笑)。つまり、スタッフの方たちとしては、“お宝”を見たときの僕のリアルな感動や反応を、テレビの前の視聴者の皆さんに伝えたいという思いがあったんです。

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キュレーターは“お宝”を求めて全国へ…

 

僕自身アートは好きですけれどそれほど詳しい方ではなかったので、まさに視聴者の方たちと同じ目線で毎回純粋に驚き、楽しませていただきました。普段は決して入ることのできない美術館の裏側や、オフィスの社長室に飾られていた名画に秘められたドラマ、誰が買うのかわからないほど高価そうな金の工芸品など……。俳優とは違った目線で、情報をお伝えするという役割も勉強になった現場でした。また、これをきっかけに美術館により興味を持つようになって、プライベートでも出かける機会が増えたように思います。「この美術館の後ろにも“お宝”が眠っているのかも……」なんて想像をふくらませながらアートを見る楽しみが増えたのも、この番組に出会えたからですね。

ougontyasitu.PNG秀吉の“黄金の茶室”の中へ!

curatorwarai.PNG※(番組で取材した施設は、現在、一般公開されていません)

プレミアムドラマ 定年女子(2017)  溝口洋介役

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ご縁があって、この作品も田渕久美子先生の脚本でした。先生から、「町田君なら(洋介役は)大丈夫!」と背中を押していただきうれしかったのですが、その分責任をもって自分なりに役を掘り下げていこうと考え、挑戦した作品でもありました。田渕先生の脚本からは、登場人物それぞれへの深い愛情が伝わってきて、出演するこちら側が元気や勇気をいただける作品が多いように感じています。

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“役職定年”を言い渡された麻子(南果歩)は異動先の食品事業部で洋介と出会う

 

年上の女性への真剣な思い――。もちろん演じるのは簡単ではなかったですが、僕も溝口洋介という役を通してですけれど、南果歩さん演じる主人公・深山麻子に対して年齢差をまったく感じることはなかったんです。逆に人間的な魅力を感じれば、恋する気持ちに年齢は関係ないのだと気づかされた作品でした。

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洋介は23歳の年の差を超えて麻子にひかれる

 

また、草刈民代さん、清水ミチコさん、石野真子さんといったすてきな女優さんたちも出演していて、南さん演じる麻子の友人役を演じていらっしゃいました。皆さんが本当に仲良さそうで、楽しそうだったのが印象的です。それもすてきな関係性だなと思いました。また、大先輩である皆さんの姿を拝見しながら、憧れというか、僕もこれからよい年齢の重ね方をしていきたいな、と感じた作品でした。

dousoujyosi.PNG麻子、時子(草刈民代)、真紀(石野真子)、多江(清水ミチコ)は大学時代からの仲間

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大河ドラマ 西郷どん(2018) 小松帯刀役

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憧れだった初めての大河ドラマ出演が、『花子とアン』で兄弟役を演じた鈴木亮平さん主演の作品で実現するなんて……。本当にうれしく、光栄に思いました。撮影に入る前に実際の小松帯刀について調べてみると、“頭脳明晰なエリート。人格的にもすぐれた人物”と、何を読んでも書いてあるんです。あまりに完璧な帯刀のイメージに「僕が演じてもいいのかな」と内心、不安に思ったりもしていました。しかも僕は今28歳ですが、帯刀が家老職についたのもほぼ同じぐらいの年齢だそうです。当時の20代の男性は国の行く末を真剣に憂い、生きていたのかと思うと、そのスケールに圧倒される思いがしました。

saigouws.PNGtatewakiws.PNG家老の帯刀は西郷(鈴木亮平)ら下級武士と親交を深め、彼らを藩の要職につけるよう進言する

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さらには、小松帯刀をかつて『篤姫』(2008年・大河ドラマ)で演じた瑛太さんも大久保一蔵役で出演されているので、生半可な気持ちではいけないというか、いい意味でのプレッシャーの中で現場入りしたのを覚えています。鈴木さんは、時代劇に不慣れな僕に優しく所作のアドバイスなどをしてくださいましたし、瑛太さんは僕が演じる帯刀を見て、「こういう帯刀像、いいね」とほめてくださったのが何よりうれしかったです。撮影が終わってしまってから、“あっという間だったな”と思えるほど楽しい撮影の日々でした。またいつか、大河ドラマの現場に帰って来られるよう、僕もますます俳優として自分を磨いていかなければと思っています。まずは幕末という激動の時代に、国のために奔走した西郷吉之助や小松帯刀の活躍にご注目いただけたらうれしいです。

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