アカイさんノート: 2018/08/06

NHK人物録 酒井若菜

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(プロフィール)

1980年生まれ、栃木県出身。97年デビュー。テレビドラマや映画で活躍。出演作に、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』『おひとりさま』『ニュース速報は流れた』『Mother』、映画『恋の門』『天使の恋』などがある。NHKでは『恋セヨ乙女』シリーズ、大河ドラマ『龍馬伝』『軍師官兵衛』、『港町相撲ボーイズ』連続テレビ小説『マッサン』『幕末グルメ ブシメシ!』などに出演。『透明なゆりかご』では主人公・青田アオイの母を好演。

 

 

 

大河ドラマ 龍馬伝(2010) お徳役

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司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」を読んで以来、坂本龍馬が大好きでした。ですから、坂本龍馬を主人公にした大河ドラマが制作されると聞いた時から、出演したいと思っていたんです。念願が叶って、近藤長次郎(大泉洋)の妻・お徳という役で出演させていただき、本当に嬉しかったです。

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お徳は龍馬(福山雅治)らの大坂での下宿先、大和屋の娘

 

私が演じたお徳は大坂の商人・大和屋弥七の娘ということで、お芝居にあたって大阪弁を練習しました。方言を話す役のときはなるべく、その土地出身の役者を探して個人的に方言を教えてもらうようにしているのですが、この時もそうでした。方言指導の先生がテープに吹き込んで下さったセリフを聞くだけだと、先生のお芝居に近づいていってしまうんですよね。ですから、「標準語だとこういうニュアンスで言いたい」と伝えて、それに答えてもらいながら自分なりのお芝居を作っていきました。

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お徳は町人出身で侍らしくない長次郎(大泉洋)に好感を持つ

また『龍馬伝』の現場はとても独特で刺激的だったんですよ。チーフ演出の大友啓史監督とは、以前『恋セヨ乙女』などでご一緒しており、当時から「ぶっ飛んでるなぁ」と思ってはいましたが、『龍馬伝』も例外ではなかったです。普通は2,3回テストを重ねますが、大友さんの場合はほぼぶっつけ本番。スタッフも役者がどう動くのかが分からないから、その場の瞬発力で現場全体が動いているというか…。ほかの現場では経験できない緊張感に触れることができ本当に面白かったです。

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富山発スペシャルドラマ 港町相撲ボーイズ(2012)魚地恵役

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富山県高岡市伏木で行われている伏木場所大相撲を題材にしたドラマでした。私は代々溶接工場を経営し、地元の伏木場所大相撲では四天王のひとりである魚地洋輔(林隆三)の娘・恵役。隆三さんが本当のお父さんのようにかわいがってくださって、皆で仲良く撮影を進めていたのを覚えています。

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港町・伏木で溶接工場を営む洋輔(林隆三)

撮影は2週間ほどの間、富山に滞在して行われました。苦労したのは高岡弁。私が演じてきた方言のなかで一番むずかしかったですね。ですから方言指導の先生には本当に助けていただきました。毎日現場に残って練習に付き合っていただき、ホテルでは先生がテープに吹き込んでくださったセリフをずっと聞いて過ごし、時には先生に直接電話をしてイントネーションを確認したりもしていました。ほとんど泣きそうになりながら練習しましたが、地元のかたに「富山出身ですか?」と言っていただけたので、頑張って良かったと思っています。

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“伏木大相撲”への出場は洋輔の生きがい

 

ドラマには故・林隆三さんをはじめ、苅谷俊介さん、赤塚真人さん、堀内正美さんが伏木場所四天王として登場しました。ベテラン俳優さんが4人も揃うドラマは珍しいので、おじさまたちが青春を取り戻したように笑い合って過ごす姿を見て、めちゃめちゃいい現場だなと和んでいました。打ち上げの日、隆三さんのお誕生日に地元の方から相撲甚句のプレゼントがあったのもステキでした。隆三さんは下を向いて泣いていらっしゃったのですが、それに気づきながら皆が見て見ぬふりをしている様子に男の友情を感じました。

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洋輔ら“四天王”は伏木大洲棒の伝統を守るために立ち上がる

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ドラマ10 シングル・マザーズ(2010)難波水枝役

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ドラマには夫のDVから逃れ、息子を連れて家を出た直(沢口靖子)をはじめ、3人の子どものうち、1人を夫の元に残してきたことに悩む久美(北斗晶)や、母子二代のシングルマザー・雪乃(忽那汐里)、夫を亡くした由香子(三浦理恵子)など、さまざまな境遇のシングルマザーたちが登場しました。

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さまざまな事情を抱えながら、子どもと生きるために助け合うシングルマザーたち

 

 私が演じたのはキャバクラで働きながら息子を育てる非婚のシングルマザー・水枝。見かけは派手な印象だけど子どもを守る気持ちは強くて、メイクや衣装の派手さは彼女なりのよろいだったのかな?と思いながら演じていたんですよ。そういう弱さを含めて、私はすごいカッコいい子だなと好きになりました。

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他人に頼ることが嫌いな水枝だが、直(沢口靖子)との出会いを通して変化が…

 

登場人物がほぼ女性だったので、撮影現場は賑やかで楽しかったですね。でも撮影が行われたのは真夏。ロケから戻るとみんな真っ黒に日焼けしている、というほど灼熱の中での撮影でした。張りとリンクしていた気がしています。良い経験ができました。体力の消耗としんどさとが、登場人物の頑張りとリンクしていた気がしています。良い経験ができました。

実話に基づいてシングルマザーたちの現実を描き、世の中にメッセージを投げかけるような内容で、この番組に出演して、テレビドラマだから伝えられることがあるなと強く感じたのを覚えています。そういう意味では社会的なテーマを扱うことの多いドラマ10には凄みのようなものを感じますね。

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幕末グルメ ブシメシ!(2016)お菊役

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マイペースで気の弱い勤番武士・酒田伴四郎(瀬戸康史)が、料理で周囲の悩み事を解決していくというグルメ時代劇。私は仕出し「川原屋」の主人で、亡き夫の店を守るために切り盛りしているお菊役でした。第1シーズンでは、伴四郎のことをライバル視していたり、少し恋愛要素もあったんですよ。一転、第2シーズンでは、伴四郎の良き理解者になりましたね。

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仕出し「川原屋」の主人お菊は料理侍・伴四郎(瀬戸康史)をライバル視していたが…

 

ドラマはフィクション感が強い分、セリフの言い回しが難しかったですね。また、ロケが行われたのは寒い季節、氷点下6℃の日もありました。屋内も底冷えがして、板の間での正座は氷の上に座っているみたいで本当にこたえました。

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クロちゃんとは普段からとても仲が良くて、この時の共演でもどちらかの楽屋に集まってずっと話していたんですよ。一緒にいると楽しいし頼れる存在です。

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川原屋の手代・与一(クロちゃん)には本人も知らない秘密があり…

 

ドラマ10 透明なゆりかご(2018)青田史香役

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実は、ここ10年くらい、演じた役のほとんどがシングルマザー。『透明なゆりかご』でもヒロインのアオイをひとりで育てる母親役でした。17歳の娘が居る設定も、実際に演じてみると違和感はありませんでしたね。とにかく清原果耶ちゃんが抜群で、毎回のゲストもステキな俳優さんばかり。いつも台本を開くたびに「次はこんな方が!」と嬉しくなります。

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アオイ(清原果耶)はコミュニケーション下手な高校生

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母・史香は夫と離婚してのち、アオイを厳しく育ててきた

 

町の小さな産婦人科を舞台に、“命とは何か”を見つめていく物語。中絶や死産といったこれまであまり描かれて来なかった産婦人科の影の部分にも向き合う、重いテーマを扱った作品です。命の尊さを感じるというだけでは表現しきれないので、とにかく皆一緒に迷いながら作品づくりをしていきたいとスタッフの皆さんにお伝えしました。そんな私の思いと同じく、プロデューサーも監督も皆で話し合いながら解釈し手探りで作っていくスタイルで、登場人物として物語を体感している身としては、とても誇らしく感じています。

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初めてのアルバイトで産婦人科での看護助手を務めるアオイ

人それぞれに抱えているものが違うから、軽々しく「見てください」とは言えませんが、こういうドラマがありますよということを知っていただけたらと思います。10年、20年経っても覚えていてもらえる作品になっている気がしています。

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20~30代女性を中心に圧倒的な共感を呼んでいる沖田×華(おきた ばつか)の漫画作品をドラマ化