アカイさんノート: 2008/11/07

中学生日記(2)

 1972(昭和47)年スタートの『中学生日記』。名古屋の架空の中学校を舞台に、40年近く、中学生たちのメッセージを伝えてきた。
 今回は、歴代の先生と、番組で取り上げたテーマから、『中学生日記』とそれぞれの時代の変遷をみてみよう。

 美術・風間先生(湯浅実)

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風間先生

 1975(昭和50)~82(昭和57)年。
東南中学の2年生と3年生の担任を1年おきに受け持つ。それぞれの年齢の問題を丁寧に描く姿勢と風間先生の人柄が支持を得て、広いファンを獲得した。

 風間先生を演じた湯浅実さんは、名古屋放送局80周年の記念誌にこんな言葉を寄せている。「風間先生を演じる私は、いつも無様な生き方しか出来なくて、お世辞にもカッコいいとはいえない、そんな風間を彼ら(子どもたち)は、大人なんだからと許し、励まし、愛してくれた」

 風間先生は、卒業を前に旅立つ生徒たちに風間らしい言葉で送りだしている。
「みんなに俺の気持ちを聞いて欲しいんだ。人間ってえのは自分自身の意思で自分の将来を決めなければならない。二者択一の時ってのは、必ずあるんだ。みんなが就職した職場で、それから進学した高等学校や専門学校で、自分の夢に向かって旅立っていくんだ。俺もひねた雛鳥だが、巣立っていくつもりだ。お互い、どこにいたって、自分の翼で、しっかりと羽ばたこう。いいな」

 

 技術家庭科・東(あずま)先生(東野英心)

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東先生 
 

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曽根先生(藤田康雄)と東先生

 1982(昭和57)~89(平成元)年。
 舞台の中学校が"名北中学"に変わり、先生も3年D組担任、技術家庭の東先生と、2年B組担任、英語の伊吹先生(矢羽みどり)に交代。のちに2年B組担任は、池田先生(野沢由香里)に替わった。
 ドラマのテーマは、当時、問題化してきた非行や登校拒否、そして受験戦争や中学生の性の問題など多岐にわたった。東先生らは生徒たちいっしょに悩みながら、温かく見守った。

 

 美術・南先生(岡本富士太)

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南先生 
 

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 1989(平成元)~96(平成8)年。
 3年C組担任として南先生が名北中学に着任。2年生担任は、松岡先生(土田ユミ)、早川先生(久下香織子)、守山先生(藤本喜久子)と上田先生(水木薫)と続いた。

 1994(平成6)年、愛知県西尾市でおきた中学2年生の自殺がきっかけとなり、全国各地で「いじめ」問題が表面化した。『中学生日記』では、この年の12月に「クラス討論・いじめ」を時間枠を広げて放送。脚本なしで、出演する30人の中学生たちが語った生のいじめ体験談は大きな反響をよんだ。

 生徒たちの旅立ちに、南先生はこの言葉を贈った。この場面、生徒たちに向けた言葉は、すべて岡本富士太のアドリブだった。
 「君たちに最後に言い残したいのは何度も、つまずいたよな。そして、ころんだ。だけどな、そこから立ち上がって、夢だけは捨てないで進もうと思って来た。なあ、また失敗するかもしれないよ。だけどな、そうなっても、また起き上がって進もうと思うんだ。だから、君たちも、決して、夢だけは捨てないで欲しい。俺がな、俺が、先生として、君たちに贈る最後の言葉だ」

 

理科・春日先生(土門廣)

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春日先生

 1996(平成8)~1998(平成10)年
 春日先生が3年C組担任として登場。翌年には清水先生(高橋美香)も赴任。この1997年には、神戸で14歳の中学生による小学生殺害事件が起こるなど、凶悪事件の低年齢化が社会問題となった。

 

 理科・仲川先生(いとうまい子)

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仲川先生

 1998(平成10)~2001(平成13)年
 仲川先生の3年C組と、技術家庭科・星先生(ジャイアント茶所)の2年B組を中心に展開。そして、名北中はじまって以来の女性校長、石狩先生(森孝子)も着任した。
 このころ、不登校が大きなテーマとなり、1999(平成11)年3 月にはNHKスペシャル「学校が好きですか~『中学生日記』生徒からのSOS~」を放送、さらに同年、シリーズ「不登校」を5本連続で放送した。
 2000(平成12)年春、名古屋市内で中学生による「5000万円恐喝事件」が起こると、番組でも5月に緊急討論会を、12月にはシリーズ「恐喝」を4本に渡って放送し、中学生の間に蔓延する恐喝の実態を描いた。

 

 美術・矢場先生(竹本孝之)

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矢場先生
 

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黒川先生

 2001(平成13)~07(平成19)年
 21世紀を迎えた2001年度は、『中学生日記』にとっても、前身の『中学生次郎』から数えて40周年の節目の年。これを機に、舞台を名北中学から東桜中学に変更。番組を長年支えてきた曽根先生(藤田康雄)、沼袋先生(広瀬五朗)などベテラン先生たちともお別れになった。

 新しい舞台、メインの3年C組の担任には、アフリカ帰りの異色教師・矢場真介先生が着任。2年B組の担任は、キャビンアテンダントから転身した英語の若宮飛鳥先生(佐藤満月)。2004(平成16)年からは、新任・国語の黒川先生(みれいゆ)が2年B組を受け持った。

 熱血先生・矢場真介は、生徒たちにこう語っている。
 「今まで、頑張れ、頑張れって言われ続けてきた君たちにだからこそ、あえて俺は、最後に『頑張るな!』と言う言葉を贈りたい。自分のリズムで、自分のペースで、生きていって欲しい。それでも、自分を見失ってしまったとき、この写真のことを思い出して欲しい。この写真に込めた希望、夢、想い。君たちの出発点は、ここにあるんだ。

 

 そして、現在・・・

 その後、2006(平成18)年にはベテラン教師の理科・御器所(ごきそ)拳先生(モロ師岡)と若手の保健体育・大須観先生(高井俊彦)が、2007(平成19)年には新米の美術・志賀みどり先生(浜岡麻矢)が登場し、現在に至っている。

 『中学生日記』の生徒役は、毎年、公募のオーディションによって選ばれる。これに対し、先生や両親役のほとんどは、地元・名古屋の劇団の人たちである。ただし、先生役の中に本物の教師が出ていたことをご存知だろうか。
 東南中学の宮本先生、そして名北中学の曽根先生として、2001年3月までおよそ30年間にわたって出演した藤田康雄さんだ。藤田さんは、名古屋市内の中学校で国語を教えながら、教育委員会に兼業届を出したうえで、俳優として二足のワラジ生活を続けた。さらに、アドバイザーとして、職員室の様子や授業の進め方などをアドバイス。こうした支えもあって、番組のリアリティーがさらに増したのだろう。


◇放送期間 1972(昭和47)年4月9日~現在

◇放送時間

            1972~1982年度  総合テレビ 日曜 13:05~13:35
      1983~1999年度  総合テレビ 日曜 13:00~13:30
      2000~2002年度  総合テレビ 日曜  8:30~ 8:57
      2003年度       教育テレビ 土曜 19:25~19:54
      2004~2006年度  教育テレビ 月曜 19:00~19:29
      2007年度       教育テレビ 土曜 21:30~22:00
      2008年度       教育テレビ 土曜 19:15~19:45


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みなさんからの投稿

  • 僕が小学生の時から放映されていた「中学生日記」いまや先生の年齢も変えてすっかり親の立場から見るようになttが、子どもの時の気持ちにかえることができるこの番組は貴重です!

    ジギー|投稿日2011年11月12日 00:36

  • 私も中3時代の担任は美術の先生でした。風間先生と同様にひげも生やしていて、お二人を重ねて見ていた記憶があります。
    そして、岡本富士太さん演じる南先生。すでに結婚していたのにしっかりとドラマを見ていました。そして先生の最後の言葉、今読んだだけでも当時を思い出し、涙が出てきます。
    当時住んでいた愛知県で、(お名前を忘れましたが)教頭先生(校長にも昇進されたかしら?)役をされていた女優さんの講演会を聞く機会がありました。ドラマ作りが如何にたいへんだったか等のお話をしてくださいました。
    それと、以前からドラマの内容で気になったものがあります。新学年のクラス替えの決め方。ドラマでは生徒の名前のカードをクラスごとの机に並べて、先生方があれやこれやとカードを移動させておられました。あのようにして決めているのかと(ドラマだからでしょうが)、複雑な気持ちになりました(笑)。

    omame|投稿日2008年11月08日 06:53