なにわの源蔵 事件帳

ドラマ昭和50年代1980年代な-のN-Z


浪速情緒を細やかに描く
人情捕り物劇


番組ノート

2010年8月6日(金)

 1981(昭和56)年10月14日から水曜ドラマとして放送された「なにわの源蔵 事件帳」。文明開化の新しい息吹が感じられる明治初期の大阪を舞台に、元目明かしの源蔵が事件を解決していく"殺しのない捕り物帳"だ。有明夏夫の第八十回直木賞受賞作「大浪花諸人往来(だいなにわしょにんおうらい)」を原作にした一話完結のストーリーが人気を呼び、翌年に第2シリーズが放送された。

 (2010年8月の記事です)

初代・源蔵は桂枝雀

 ドラマの舞台は、めまぐるしく世の中がかわりつつあった明治10年の浪花。大阪天満朝日町の裏長屋に暮らす主人公・赤岩源蔵は、かつての上役・十等警部を助けて大阪下町に頻発する事件を解決していた。源蔵と行動を共にするのは子分的存在の"イラチの安"。名前の通りのせっかちだが、源蔵親方とは絶妙のコンビだった。
 独特の風ぼうから"海坊主の親分"と呼ばれる主人公・源蔵を演じたのは、関西の人気落語家・桂 枝雀。ドラマ出演にあたっては「二十年間、はなし家として笑うことばかりをしていました。だから、大役をもらって、まずは顔をこしらえるのが大きな演技です」と緊張の様子を見せた。源蔵の永遠のマドンナであるお志津を演じた司 葉子は枝雀との共演に「とても個性豊かな人ですので、たのしみにしています」とコメント。枝雀はそれに応じるように「私が司 葉子さんと共演していいのでしょうか?まだ実感がわきません」と語っていた。

 

個性豊かな仲間たち

妻に先立たれた源蔵と暮らす一人娘の千賀を演じたのは藤山直美。「千賀は私自身と性格的にはさして変わらないと思います。だから、やりやすい役かも知れません」と役について語った。千賀の夫で司薬所(薬品業界の監督官庁)に務める隆平役は小林稔侍が好演。ほかに、源蔵のかつての上司・厚木寿一郎を加藤 武。子分的存在・イラチの安を安部 潮、幼なじみで曾根崎新地の売れっ子芸者・駒千根を三林京子。源蔵たちの情報交換の場であるいっぱい飲み屋「だしじゃこ屋」のおやじを広沢瓢右衛門(新シリーズでは桂小文枝)、その孫娘で看板娘のお糸を松原千明が演じた。デビューから1年余りでお糸を演じることになった松原は、ドラマに華を添える存在。「枝雀さんや、瓢右衛門さんがおもしろい方だから、スタジオで笑いっぱなしなんです。少しシワが増えちゃったんじゃないかしら......」と現場の様子を語った。また、第2シリーズでは源蔵があこがれる女医・真弓田希世に大空真弓が扮した。

二代目・源蔵を演じた芦屋雁之助

 人気シリーズとなった前作から約1年後、「新・なにわの源蔵事件帳」がスタートした。源蔵役は桂枝雀から芦屋雁之助に変わり、それに合わせてドラマの雰囲気も変化。孫娘にメロメロのダメおじいちゃんである一方、捕り物ですご味のある立ち回りを見せる変身ぶりが見どころとなった。 芦屋は「原作が出たときからぜひやりたいと思っていた役。枝雀さんとは、また違った味を出したいですね。たとえば、大阪ことば。標準語にはないやわらかさと、独特の味がある。そんな大阪ことばの面白さと、大阪庶民の人情をたっぷり見せまっせ」と意欲を語った。
 ドラマの内容も文明開化という時代背景を生かし、麻薬事件、生命保険詐欺など新手の犯罪が登場。"殺しのない捕物帳"のスタイルはそのままに、ひと味違った魅力で人気を博した。


 一話完結のためゲスト出演者も多く、相撲部屋が舞台となった話では横綱不知火役に曾我廼家明蝶、相撲部屋の親方に小林亜星が出演。小林の名演技に、相撲取り役で出演していた近畿大学相撲部の人たちが、本当に涙を流したというエピソードもあった。ほかに、野川由美子、中条きよしらがゲスト出演。第1シリーズ最終回は枝雀の師匠である桂米朝を迎えた。


水曜ドラマ『なにわの源蔵事件帳』
◇放送期間:1981(昭和56)年10月14日〜1982(昭和57)年4月7日
◇放送時間:総合テレビ 水曜 後8:00〜

水曜ドラマ『新・なにわの源蔵事件帳』
◇放送期間:1983(昭和58)年11月2日〜1984(昭和59)年3月28日
◇放送時間:総合テレビ 水曜 後8:00〜

みなさんからの投稿

 もう一度見たい作品の一つです。
 当時小学生だった私ですが、明治初めの大阪を舞台に次々と新時代の波に乗った珍事件が現れ、初老の元岡っ引きが立ち向かうこのドラマにすっかり魅了されました。
 また、東北で生まれた私には、関西地方は「未知の場所」でしたので大いに興味をそそられました。
 あとで縁あって関西の大学に入学しましたが、時間を見て大阪の地方史を読みあさったのも、このドラマの影響かも知れません。
 もちろん、原作本も後日古書店で可能な限り買い集め、今も気が向くと読んでいます。

(maurunamu1)

投稿日2010年09月09日 23:07


小林桂樹さんが亡くなられました。
大好きな俳優さんです。
もし追悼のドラマが放送されるなら、「空白の900分」か「玩具の神様」をお願いします。

(更紗)

投稿日2010年09月22日 18:15


NHK史上最高のドラマです。捕り物帳と言ってしまえば簡単ですが、小気味よい会話やほかの歴史ドラマでは描かれない明治時代の庶民の生活が盛り込まれている点も見どころの一つかと思います。

(やまこ)

投稿日2011年09月30日 22:19


なにわの源蔵は学生時代にみていて大変面白かった番組です。もう30年にもなるのか月日の立つのが早いもんです。DVDの発売を希望します。

(枝雀ファン007)

投稿日2012年02月24日 00:09


枝雀師匠主演の「なにわの源蔵」、是非ともDVD化をお願い申し上げます。お蔵入りにしておくには、あまりにももったいない作品です。NHKでも特に素晴らしい出来のドラマでした。

(Yellow Jaket)

投稿日2012年04月06日 20:04


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