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食欲の秋に振りかえる
思い出のあの作品、名場面
2009年11月6日(金)
ドラマの中に必ずといっていいほど登場するのが、さまざまな食べものや飲みものだ。さりげなく画面の一部に置かれていることもあれば、食事シーンのように主体的な役割を担っていることも......。
そこで、懐かしのNHKドラマから"料理や食"がテーマとなった作品を、思い付くままにピックアップしてみた。和洋中、庶民的な味から高級食材まで、おいしそうなドラマをたっぷりと味わってほしい。
すし職人のドラマといえば
戦後まもない東京・柳橋の鮨(すし)屋「辰巳鮨」を舞台に、生意気盛りの青年が一人前の鮨職人に成長していく姿を描いたのが、水曜ドラマ『イキのいい奴』(1987年)だった。
イキのいい奴
名鮨職人・兵藤晋作(小林薫)の頑固一徹な親方ぶりや、弟子の平山安男(金山一彦)の奮闘ぶり、そして、下町の温かい人情が好評を博し、翌年には続編の『続イキのいい奴』も制作された。
主演の小林薫は、ドラマのモデルとなった本物の親方・加藤博章さんから直接、指導を受け、腕前がメキメキと上達。毎週、鮮やかな手つきで鮨を握ってみせた。
板前修業はドラマの素材にうってつけ?
厳しい板前修業を描いたドラマも時代ごとに作られた。古風な板前の世界を描いた水曜ドラマ『庖丁』(1972年/主演:加山雄三)。
銀河テレビ小説『がんばったンねん』(1983年/主演:国広富之)では、大学を中退して芝居に熱中していた若者が、母の病気をきっかけに料理屋を始めてしまう物語。食道楽で舌には自信があるというのがその理由だが、包丁すらうまく使えないというさんたんたる有様。はらはらしながらも笑いを交えた明るい展開で楽しませた。
板前を目指して料亭の住み込み修業に飛び込んだ若者が、失敗や挫折を繰り返していく姿が描かれた金曜ドラマ『庖丁いっぽん~夢、みてますか』(1993年/主演:萩原聖人)も好評だった。
活気あふれる築地の魚河岸を舞台に
日本、世界の魚介が並ぶ東京・築地の魚河岸が舞台となったドラマといえば、ドラマ人間模様『魚河岸ものがたり』(1987年/主演:小林薫)と、ドラマ新銀河『魚河岸のプリンセス』(1995年/主演:涼風真世)だ。
『魚河岸ものがたり』は、ある過去を背負って築地に暮らし始めた青年が、心意気あふれる魚河岸の人たちと出会ったことで自分の過去を乗り越えていくという物語。
魚河岸のプリンセス
一方、『魚河岸のプリンセス』は、華やかなテレビのリポーターをつとめる女性が、お見合いで魚河岸に生きる若者と出会い、結婚するまでを描いたもの。
どちらも、築地・魚河岸という独特の場所が持つ活気や威勢のよさとともに、そこに生きる人々のきっぷのよさ、人情味あふれる姿がポイントになっていた。
『魚河岸ものがたり』に出演した里見浩太朗は、「俳優になる前、築地にある叔父の仲卸業を手伝っていたことがあるんです。若いころを思い出して感無量でした」と、久しぶりにロケで訪れた築地の空気を懐かしんでいた。
しんみりとした癒しの店で
一方、しんみりとした癒しの場所となっているお店を舞台にしたのが月曜ドラマシリーズ『風子のラーメン』(2003年/主演:市原悦子)と、『七色のおばんざい』(2005年/主演:相田翔子)だ。
『風子のラーメン』は、元刑事・竜平(大滝秀治)が営むラーメン店が舞台。夫を犯罪で亡くしたショックで失語症となり、生きる望みもなくなった風子(市原悦子)が竜平の店で働き始める。そこで出会う、さまざまな犯罪の被害者たち。彼らは風子が作ったラーメンを食べながら、しだいにいやされていく。そして、風子自身もいつしか生きることに前向きになっていく。
犯罪で傷つき、その後も精神的な苦しみを負い続ける犯罪被害者とその家族。脚本の竹山洋は、「彼らの心を救うことをテーマにした」という。深刻なテーマだからこそ、明るさや日常性を重視し、日本人にいちばん親しみやすい食べ物であるラーメンを選んだそうだ。
七色のおばんざい
『七色のおばんざい』は、名古屋のオフィス街の片隅にある居酒屋「ばんざい屋」が舞台。そこに通うサラリーマンやOLが持ち込むさまざまな悩みや事件を、親身になって聞くのは自身も悲しい過去を持つ女将の悦子(相田翔子)。ときにはしんみりと、ときにはハッパをかけながら、ともに考え、解決策を探る悦子とのふれあいが、人々をいやしていく。旬の食材を使った料理とお酒、人情味あふれる女将のいる小さな居酒屋。こんなお店があったら行ってみたいと思わせる場所だった。
あの"鉄人"の父と母も登場
料理人の情熱と苦労、それを支えた妻の努力の物語が月曜ドラマシリーズ『麻婆豆腐の女房』(2003年/主演:松坂慶子)。"四川料理の父"と呼ばれた陳建民(あの"鉄人"料理人、陳建一の父)一家の実話がベースになった人間ドラマだ。
麻婆豆腐の女房
麻婆豆腐といえば今では誰もが知っている中国料理だが、これが日本に広まるまでにはさまざまな苦労があった。昭和30年代半ばの東京で、四川省出身の孫(武田鉄矢)が日本人の妻・陽子(松坂慶子)と、いつか自分たちの店を持ち、ふるさとの味・四川料理を広めようと奮闘する。本場の味をいかに日本人に親しんでもらえるようアレンジするか。夫婦で懸命に取り組み、麻婆豆腐の人気が爆発するまでを描いたホームドラマであり、サクセスストーリーでもあった。
ユニークな味つけをほどこしたドラマ
料理がテーマといっても、ちょっと趣の異なるドラマが、ドラマ新銀河『ワイン殺人事件~25歳の夏~』(1995年/主演:高岡早紀)と、『今夜もごちそうさま』(1997年/主演:小林桂樹)。
ワイン殺人事件~25歳の夏~
『ワイン殺人事件~25歳の夏~』はタイトルが示すとおり、ワインが小道具となったサスペンスドラマ。次々と起きる殺人事件。なぜか死体のそばにはいつもワインが・・・。主人公は、大阪のフランス料理店につとめるソムリエ見習いの女性・香(高岡早紀)。フランス料理、ワイン、食前酒など、おいしそうな世界と殺人事件という組み合わせが異色だった。
今夜もごちそうさま
一方、『今夜もごちそうさま』は、"食"が支える家族の絆を軽快に描き出した新しい料理ドラマだった。長年、連れ添った愛妻に先立たれ、料理作りなど無縁だった林太郎(小林桂樹)が、70歳にして厨房に立つことになった。それというのも、娘夫婦との同居がきっかけで食戦争がぼっ発したのだ。幼なじみの老人たちと開く秘密の料理教室など、毎週、料理シーンを織り込んで、時にしみじみ、時にユーモラスに物語が展開した。
天才少年が挑む多彩な料理対決!
異色の料理ドラマといえば、ドラマ愛の詩『料理少年Kタロー』(2001年/主演:中村大輝)も忘れてはならない。
料理少年Kタロー
小学6年生ながら味覚と料理の腕に天才的な才能を持つ少年、K太郎(中村大輝)。毎週、彼が挑む料理対決がすごい。スープ、前菜、お総菜的なものから本格的な料理、お弁当、さらに和洋中とジャンルも多彩。まさに、これぞ料理ドラマといえる豊富なレシピで楽しませくれた。
人間の営みや人間模様を描くうえで欠かせないアイテムが"食"。今回、取り上げたドラマ以外にも、食堂を舞台に物語が展開したり、食べものがキーワードのように登場したり。
あなたは、料理、食といえば、どんなドラマを思い出すだろうか?
えっ? あの『朝ドラ』やこの『朝ドラ』を忘れている? ・・・それは次回、まとめてご紹介しよう。
"食・料理"がテーマのNHKドラマ ※放送順
水曜ドラマ『包丁』
1972年6月14日(水)~7月5日(水)20:00~20:59(全4回)
銀河テレビ小説『がんばったンねん』
1983年5月2日(月)~5月27日(金)21:40~22:00(全20回)
水曜ドラマ『イキのいい奴』
1987年1月7日(水)~3月11日(水)(全10回)
水曜ドラマ『続イキのいい奴』
1988年4月6日(水)~6月15日(水)(全10回)
ドラマ人間模様『魚河岸ものがたり』
1987年7月11日~8月8日
金曜ドラマ『包丁いっぽん~夢、みてますか~』
1993年1月8日(金)~3月19日(金)(全10回)
ドラマ新銀河『魚河岸のプリンセス』
1995年4月3日(月)~5月4日(木)20:40~21:00(全20回)
ドラマ新銀河『ワイン殺人事件~25歳の夏~』
1995年10月23日~11月16日
ドラマ新銀河『今夜もごちそうさま』
1997年7月7日~7月31日
ドラマ愛の詩『料理少年Kタロー』
2001年10月6日~12月15日(全回)教育テレビ
月曜ドラマシリーズ『風子のラーメン』
2003年2月10日~3月10日(全回)
月曜ドラマシリーズ『麻婆豆腐の女房』
2003年5月12日~
よるドラシリーズ『七色のおばんざい』
2005年6月20日(月)~7月28日(木)(全24回)
(2009年11月6日 記)
今回ご紹介したドラマのうち、次の3作品を全編、番組を全国のNHKにある番組公開ライブラリーでご覧いただける。食欲の秋、ぜひ"味わって"いただきたい。
『イキのいい奴』
『続イキのいい奴』
『魚河岸のプリンセス』















「イキのいい奴」面白かったですねぇ。
18年前続編も併せて再放送されたとき録画しましたよぉ~。
辰巳鮨のお客さん役で三木のり平さんや、主題歌を歌ってらした森進一さんが出られてたり、辰巳鮨のお向かいの和裁(仕立て屋さん?)のおじちゃん役の若山富三郎さんが長唄だか小唄(ごめんなさい、こういう類の歌、なんていうのかよく知らないので・・・)を歌う場面があったり、なんていうか、ちょっとした遊び心がある演出もよかったですねぇ~。
あと、「食・料理」がテーマじゃないんだけれど、食べ物屋さんを設定されたドラマでは「銀座わが町」(1973年)が面白かったなぁ~。
銀座の老舗、洋食屋の「ぎんざ亭」(フランキー堺さんが主人)とてんぷら屋さんの「江戸春」(中村玉緒さんがおかみさん)、それにカステラ屋さん(?)の「伴天連堂」(有島一郎さんが主人)が舞台で、とにかく出演者が多彩で、往年の東宝映画みたいな感じだったし、それに新劇界の重鎮の方々(宇野重吉さんや北林谷栄さんたち)や、森光子さんや黒柳徹子さん、青山孝さんや郷ひろみさんも出てらして、豪華でした。
(更紗)
投稿日2009年11月06日 23:31
“「食・料理」がテーマのドラマ”でものすごくぴったりなドラマがあったよなぁ~、でも思い出せない~っ!!って、昨日からず~っと思ってたんですけど、今思い出しましたっ!(笑)
土曜ドラマの「人生はフルコース」ですよぉ~。
モロ「食・料理」でしょ! 帝国ホテルの村上シェフだもの。
これについても書いて欲しかった、、っていうか次回の予定だったらスミマセン!
このドラマ、私は時系列で村上さんの生涯を描いて欲しかったのに、過去と現在(しかも村上さん以外の登場人物)を交互に書いていて、なんかイラッとしたドラマでした。題材はいいのに脚本が懲りすぎっていうか・・。
高嶋弟は好演していて他の出演者(古谷一行さんとか佐藤B作さんなどなど)もよかったのに、ほぉ~んと残念なドラマでした(私にとってはね)。
(更紗)
投稿日2009年11月07日 06:50
藤山直美さんが小学校の臨時教員として奮闘するドラマ新銀河の「この指とまれ」は食はテーマではないけれど、大熊すみれ(藤山さん)の家が関東煮(かんとうだき、おでんのことね)のお店「げそ熊」という設定でした。
お父さん役が枝雀さんで、最後の方で急逝してしまい、引退したおじいちゃんが店の出汁を守って、いずれはすみれに店を継がせようとしていたのが、すみれさんが結婚するかどうかで迷っているのを知ると、代々受け継がれていた出汁を捨ててしまうんですよね。
結局すみれさんは教え子のお父さん(岸部一徳さん)と結婚して大団円でした。。
お父さんの最期の言葉が「すみれ、つみれ持って来い~」(笑)だったり、すみれの夢の中にお店に出ている格好で現れたりしたのが面白かったです。
笑いながらホロッとさせられて、印象に残るいいドラマでした。
放送開始直前に(一週間前だったかな)阪神淡路大震災があって延期になっちゃったんですが、藤山さんが初回冒頭で挨拶されていたのも思い出深いですね。
(更紗)
投稿日2009年11月09日 09:10