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「男子厨房(ちゅうぼう)に入るべからず」は昔のはなし。いまは手作りのお弁当を会社や学校に持って行く「弁当男子」なる言葉が流行るほど、男性が料理をすることが特別なことではなくなった。
そのはしりともなったのが、『きょうの料理』で1983(昭和58)年から8年間放送された『男の料理』だった。番組はその後、『男の食彩』(1991~2000年)、『新・男の食彩』(2000~03年)、さらに『食彩浪漫』(2003~09年)へと発展する。
2009年3月に『食彩浪漫』は幕を閉じたが、女性目線とは少し異なった番組スタイルが多くのファンの支持を集めた。今回は、そんな"男の料理番組"を特集しよう。 
『男の料理』 伝統の番組に誕生
料理番組の草分けといえば、1957(昭和32)年から始まった『きょうの料理』。最長寿番組だけあって幅広いジャンルの料理を取り上げるだけでなく、月ごと、曜日ごとにテーマを設定するなど、さまざまな工夫を凝らしてきた。
この伝統の番組の土曜枠で1983(昭和58)年4月からスタートしたのが、その名もずばり『男の料理』だった。
世の中は、「男子厨房に入ろう会」の結成(1977年)が注目を集め、週休2日制の広がりで余暇を楽しむ人が増えてきたころだった。
『男の料理』のスタート当初は、第1週「おやじの自慢料理」、第2週「働き盛りの自炊プラン」、第3週「浅野陽(あきら)の料理セミナー」、第4週「世界の味」と、週ごとにテーマを分けて放送。記念すべき第1回放送は、1983年4月9日「おやじの自慢料理」は、俳優の岡田真澄・みどり夫妻が出演し、おしゃれな鶏肉の梅巻きグリエを披露した。
有名人が披露 自慢のレシピ
『男の料理』のテーマはその後、次々と変わったが、プロの料理人だけでなく、多くの有名人が登場して自慢のレシピを披露した。
いまからちょうど20年前は、どんな内容を放送していたのだろうか。1989年10月の放送内容を見てみよう。
●14日 拝見プロの技「うなぎの山椒煮」
岐阜県の土岐川でとれる天然うなぎを山椒風味で佃煮にする老舗の主人がプロの技を披露。
●21日 阿部牧郎(まきお)のきりたんぽ
直木賞作家の阿部牧郎が、だしと味付けに一工夫したふるさと秋田のきりたんぽなべを披露。
●28日 吉村作治のおいしいですよ~ハンガリーの鯉こくは恋の色~
考古学者の吉村作治が、かつてドナウ河畔で食べた鯉のスープ"ハラスレー"を紹介。
『男の食彩』 料理をもっと趣味的に
『男の料理』は、1991年度に『男の食彩(しょくさい)』とタイトルを変更。さらに、1997年度からは「遊びと人生」「健康」「食」を3本柱にした生ワイド番組『土曜元気市』の1コーナーとなった。
『土曜元気市』は、ワイン、チーズ、ハーブなど関心の高い食のうんちくをワンポイントで伝えたり、有名人の自慢料理、さらに料理の達人が伝授するプロの技を紹介したり、より料理を趣味的に楽しめるような内容となった。
司会をつとめたのは、俳優・松本幸四郎の長女で同じく俳優の松本紀保。彼女はこの番組がテレビデビューとなった。
『新・男の食彩』 発想と知恵をテーマに
男の食彩』は、2000年4月からは『新・男の食彩』となり内容を一新。司会兼リポーターにはスポーツキャスターの栗山英樹を起用した。
「料理づくりの発想と知恵」をテーマに一流料理人がおいしいメニューを生み出す"発想の引き出し"と、その腕前&料理をじっくり見せるという新しいタイプの料理番組に発展した。
新・男の食彩 栗山英樹
食にこだわりのある"食彩人"が登場、料理人に思いがけない料理を注文する「無理難題料理」では、日本を代表する料理人が出題に応える料理を生み出すために試行錯誤を繰り返す様子をドキュメントで伝えていった。最終的に完成したメニューはスタジオの「夢レストラン」で披露。オーナーの栗山と食彩人がともに料理を味わいながら食談義を繰り広げるというスタイルだった。
『食彩浪漫』 男の名前が消えて
2003年4月、これまでの『新・男の食彩』に変わって誕生したのが『食彩浪漫』だ。1983年から始まった『男の料理』以来、番組タイトルにあった『男の~』という文字が消えた。もはや、料理や食を語ることに男女の壁がなくなったということだろう。また、放送日もこれまでの土曜日から日曜日に移った。
著名人とシェフとの食のコラボレーションを中心とした内容は、『男の料理』以来の伝統。実力料理人の得意料理や珍しい食材など、グルメなら見逃せない内容がずらり。家庭料理の幅も広がると人気を集めた。
食彩浪漫 松本和也アナと森公美子
スタート当初の司会は、自らも料理本を出版するほどの料理通として知られる歌手の森公美子と松本和也アナウンサーが担当。2004年度から2007年度までは上田早苗アナウンサー、2008年度からは小林千恵アナウンサーがつとめた。
『男の料理』の流れをくむ『食彩浪漫』は2009年3月に終了したが、その2年前、『きょうの料理』放送50周年の2007年4月からは『きょうの料理ビギナーズ』がスタート。料理初心者のために、料理にかかわるあらゆる基礎知識を楽しく、わかりやすく紹介する5分のミニ番組だ。親から子へと家庭の味を受け継ぐ、といったことが少なくなったいまの時代を反映してか、若い世代に人気を集めている。
料理番組の変遷を見ても、世の中の移り変わりがよくわかる、と言えるだろう。
きょうの料理 男の料理
◇放送期間 1983(昭和58)年4月9日~1991(平成3)年3月23日
◇放送時間 総合テレビ 土曜 10:05~10:30
きょうの料理 男の食彩
◇放送期間 1991(平成3)年4月6日~1997(平成9)年3月22日
◇放送時間 総合テレビ 土曜 10:05~10:30
土曜元気市 (『男の食彩』は1コーナー)
◇放送期間 1997(平成9)年4月5日~2000(平成12)年3月18日
◇放送時間 総合テレビ 土曜 10:05~10:59(1997年度)
10:30~11:19(1998年度)
10:45~11:29(1999年度)
新・男の食彩
◇放送期間 2000(平成12)年4月~2003(平成15)年3月22日
◇放送時間 総合テレビ 土曜 11:00~11:25
食彩浪漫
◇放送期間 2003(平成15)年4月5日~2009(平成21)年3月14日
◇放送時間 総合テレビ 土曜 11:00~11:25(2003年度)
11:30~11:50(2004~06年度)
11:00~11:20(2007年度)
9:30~9:50(2008年度)
8年間放送された 『きょうの料理 男の料理』のうち、24本が、全国のNHKにある番組公開ライブラリーで観ることができる。 「大林宣彦の大根カレー」「菅原文太の鶏の丸煮」「水野晴郎のおからいため」などなど。ぜひ、ご覧いただきたい。























男子厨房に入るべし
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