空中都市008

アニメ/特撮昭和40年代1960年代1970年代か-こ


人形劇で夢みた21世紀、その価値は今も衰えず!


番組ノート

2008年1月28日(月)

 『空中都市008』は、『ひょっこりひょうたん島』に続く、月曜~金曜午後6時台の人形劇シリーズ作品。 1969(昭和44)年の放送当時から見れば30年あまり後の、21世紀の未来が舞台のSF冒険人形劇である。

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 21世紀、地上には70~80階建てのらせん状の建物が並び、夜になると建物からもれる灯りが輝いている。科学の総力を挙げて作られたこの空中都市には戦争も公害もなく、ホバークラフトカーや超音速機が飛びまわる近未来の理想都市。その一つ、空中都市008に住む、大原一家を中心に、未来都市に起こる様々な出来事を描いていた。主な声優陣は、若山弦蔵さんが主役の大原家のパパ・雄介。数か国語の「インチキ」外国語を扱う芸を得意とした人気コメディアンの藤村有弘さんが隣に住むワイズマン。そして、電子脳センターで大原博士の助手山上さんの声には、2001年に惜しくも亡くなった落語家の古今亭志ん朝さんなど、豪華な配役だった。

大原雄介(声:若山弦蔵)
 電子脳センターの技術主任。大原家の父。電子脳センターは、都市機能をコンピュータによる集中管理をする008の中心施設のため、パパは忙しい。
妻・冴子(声:里見京子)
 子どものしつけに厳しいママ。
長男・星夫(声:太田淑子)
 スカイ小学校5年生。冒険と工作が大好きで、「工作クラブ」のリーダー。少しあわてんぼうな性格で、ママに時々、注意される。
長女・月子(声:平井道子)
 あだ名は"チコ"。スカイ幼稚園の園児。おゆうぎが得意で、幼稚園で一番上手。
ワイズマン(声:藤村有弘)
 大原家の隣人。アラバマ生まれ。
ジュリー(声:松島トモ子)
 金髪に長いまつげが特徴のワイズマンの一人娘。スカイ中学2年生。
山上さん(声:古今亭志ん朝)
 電子脳センターで大原博士の助手。星夫たちが「お兄さん」と慕う
アラーム・ロボット(声:山崎唯)
 起床時間はもちろん、勉強の時間、寝る時間など、子どもたちが言うことを聞くまで喋り続ける、めざましロボット。子どもたちの監督役。

竹田人形一座
 人形たちを操るのは人形作家の竹田喜之助さんと「竹田人形座」。竹田さんは、1950(昭和25)年東京大学第二工学部機械工学科卒業という異色のキャリアの持ち主で、喜之助人形として高い評価を得ていた。
 「竹田人形座」は、竹田人形芝居の流れをひく糸繰り人形の名手・結城孫太郎さんが、1955(昭和30)年、竹田三之助と改名し、竹田人形座を東京に復興。竹田扇之助さん(現・竹田扇之助記念国際糸操り人形館館長)と兄弟弟子の人形作家・竹田喜之助さんが、映画・テレビ、さらに海外公演へ行うなど活躍した。
 1956(昭和31)年3月東京都無形文化財に指定。
 しかし1979(昭和54)年、不慮の事故で竹田喜之助さんが亡くなり、現在は活動を休止している。

原作は、SFの巨匠小松左京さん
 原作は、SFの巨匠小松左京さんの「アオゾラ市のものがたり」で、人形劇化に当たっては、建物、交通機関、家の中の道具など、単なる空想ではなく、科学的考証に基づき作られた。
 2002(平成14)年のノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんが、この原作を愛読していて、小学4年生の読書感想文にこんなことを書いている(『関西クローズアップ』より)。

「自分の頭で考え、自分の足で歩き、自分の手で作ることの必要は、今でもどんな進歩した未来でも必要なことだ。ぼくの考え、ぼくの心はいつまでもぼくのものでありたい」
   (田中耕一さん 小学4年生の読書感想文から)

 この頃、田中さんは担任の澤柿先生が教室で行う、化学・科学の実験に夢中になり、やがて化学に目覚めていった。
 当時のNHK年鑑によると、この番組のねらいは「視聴者であるこどもたちに、未来は単なる空想ではなく、自分たちに、未来は単なる空想ではなく、自分たちの手でつくりあげていくものであることを感じてもらうのがねらい」だった。
 まさに田中さんのような子どもたちへのメッセージだったのである。


 『空中都市008』は、和製『サンダーバード』と言われ、竹田人形一座による精巧な人形と、人気放送作家・高垣葵さんの未来SF人形劇の傑作といえる。原作小松左京さん、冒頭に書いたような豪華声優陣、音楽は「世界のトミタ」冨田勲さんだった。しかし、時代を先取りしすぎたためか 1年で放送終了。その先進的な未来観に、今でもこの作品を惜しむ人が多い作品の一つ。
 残念ながらその映像は失われたが、貴重な30分正月特番『北極圏SOS』海外向けバージョンが近年、発見され、番組公開ライブラリーやDVD『NHK人形劇クロニクルシリーズ』第3巻「竹田人形座の世界~空中都市008~」で視聴できる。40年近く前にこんな世界観の作品を作った人たちがいるのだと、思わず感動する。お薦め。
 まだまだ21世紀が遠い未来だった1969(昭和44)年。その年は、アポロが月面着陸に成功、そして、1970(昭和45)年の大阪万博など相次ぎ、人々は、科学が描くバラ色の未来に酔っていた。しかし、『北極圏SOS』では、科学への過信から北極圏の大洪水が起こるという警鐘がテーマに盛り込まれている。これを見ても、テーマの先進性が伝わってくる。


◇放送期間 1969(昭和44)年4月7日~1970(昭和45)年4月3日
◇放送時間 総合テレビ 月曜~金曜 18:05~18:20
◇原作 小松左京「アオゾラ市のものがたり」
◇脚色 高垣葵 杉紀彦
◇音楽 冨田勲
◇声の出演 若山弦蔵 里見京子 太田淑子 平井道子 藤村有弘 古今亭志ん朝 山崎唯ほか
◇人形操作 竹田人形座

みなさんからの投稿

覚えてるシーンは、商品を電話で注文すると(いや、モニターを見て注文するんだっけかな?)エアーシューターで届くというシーンですね。
今実現してますよね。
さすがに「エアーシューター」じゃなくて宅配便だけど、ネット注文ってことですものね。
テーマ曲も好きだったなぁ~。
大人になってから、CD買いましたもの。
冨田勲さんの曲、中山千夏さんの歌、なんかこうゾクゾクするような感じなんですよね。

(更紗)

投稿日2008年02月02日 02:43


小学生の頃 毎日楽しみに見ていました。一番印象の深いエピソードは、ムンク博士の作ったエアカー高速0号車がでてくる話です。
空中都市の自動走行するエアカーのプロトタイプの開発の物語でした。テスト走行で、海の大渦潮の中に果敢に乗り入れていくシーンには、手に汗握り、見終わった後は感動で放心状態になりました。
子供の頃に、未来に夢を与えてくれた良い人形劇でした。

(JAGE)

投稿日2008年02月20日 17:44


小学校高学年の頃、夢中になってみてました。こんな未来都市になったらいいなぁ。。。同級(同年代)の友人達に、「いい番組だったよね」と今頃話しても、あまり覚えてないようです。今でも忘れられない物語です。ひょっこりひょうたん島よりショッキングな物語で、小松左京氏が原本ということ初めてしりました。制作スタッフも今思うとすごい人ばかりですね。音楽が富田勲氏。。。空中都市は、みんなのま~ちだ・・・

(あもな)

投稿日2010年09月04日 19:24


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