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新築老人ホームへの勧誘に注意

執筆者髙橋昴平(記者)
2022年10月07日 (金)

新築老人ホームへの勧誘に注意

詐欺にだまされないための対策を考える「ストップ!詐欺」。
今回のテーマは「新築老人ホームへの勧誘に注意」です。
青森県内ではことしに入ってから、新築老人ホームへの勧誘をうたって高齢者を狙う詐欺が相次いでいます。

年度別 劇場型詐欺件数

このグラフは、新築老人ホームをめぐる詐欺を含んだ過去5年間の「劇場型詐欺」の件数です。
これまでは減少傾向にありましたが、今年度は10月3日の時点で36件と、すでに昨年度の12倍に急増しています。この36件のうち新築老人ホームに関連するものが8割以上を占めています。
具体的な事例を見ていきます。

住宅販売会社の社員を名乗る人物

県内に住む70代の女性のもとに、住宅販売会社の社員を名乗る人物から、突然電話がかかってきました。
その社員は、「あなたの家の近くに新築の老人ホームが立ちます。近所の人は優先的に入居できる権利が与えられます」と話します。

女性はこの話を断ります。

さらに、この社員は、「大手の通信会社が運営する人気の施設なので“入居権”を持っているあなたは入った方がいい」と誘ってきます。

しかし老人ホームへ入る予定がなかった女性はこの話を断ります。

2回目の電話

ところがこれでは終わりません。後日、住宅販売会社を名乗る同じ男から2回目の電話があります。
「人気の施設のため入れない人も出てきている。そのため、あなたの名前とあなたが持つ“入居権”を譲ってほしい。そうすれば、ほかの人が入居することができる」と言われます。

自分の名前で老人ホームに入居することを承諾

女性は老人ホームに入るつもりはないので、男性の言うとおりに入居権を譲ったほか、ほかの人が自分の名前で老人ホームに入居することを承諾します。

確認の電話

するとその数日後、今度は老人ホームを運営する通信会社を名乗る別の男から、「あなたの名前で入居の申し込みと1000万円の入金があったが間違いないか」と確認の電話がありました。

この男に対して、女性は、「自分が払ったわけでない。名前を貸しているだけだ」と伝えます。

多大な迷惑を被った

これに対して、この通信会社を名乗る男は、「あなたが名前を貸したことで誰のものか分からない入金があったなど、会社は多大な迷惑を被った。警察に相談すると事態が大きくなるから示談金を払えば、警察には電話はしない」と強い口調で言われました。

不安になった女性は、消費生活センターに相談したところ、詐欺だとわかり被害は免れたそうです。

複数の人物

ここで詐欺だと気付かなければ、仮にこの示談金を支払わなかったとしても、今度は弁護士や金融庁の職員を名乗る者から電話が来て、弁護士費用など別の名目で請求されるといったことが考えられます。

「犯人は実在しそうな企業や警察、弁護士を語り、周囲に相談しづらい状況に追い込んでくることが、この詐欺の特徴だ」

警察によりますと、「犯人は実在しそうな企業や警察、弁護士を語り、周囲に相談しづらい状況に追い込んでくることが、この詐欺の特徴だ」と警戒を強めています。

「劇場型詐欺」の特徴は複数の人に接触されて、身に覚えがないうちに自分がトラブルの中心に置かれてしまうこと

こうした「劇場型詐欺」の特徴は複数の人に接触されて、身に覚えがないうちに自分がトラブルの中心に置かれてしまうことです。
ほかの手口の詐欺と同じように、少しでも不審に思ったら、家族や警察に相談してください。

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