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「訪問買い取り」に注意
角田彩子(記者)
2022年05月19日 (木)

詐欺にだまされないための対策を考える「ストップ!詐欺」。
今回のテーマは「訪問買い取りに注意!」です。
訪問買い取りというと、業者が自宅を訪ねてきて、家にある物を買い取りするということです。
県内では最近、訪問買い取りをめぐるトラブルが増えています。
実際にあった事例をもとに説明していきます。
「何でも買い取りますよ」
県消費生活センターによりますと、去年(令和3年)10月、県南地方に住む90代の女性の自宅に、訪問買い取り業者を名乗る男が「自宅にあるもの何でも買い取りますよ」と電話をかけてきました。
女性は、何でも買い取ると言われたので、不要な食器があったことを思いだし、食器なら買い取って欲しいと男に伝えました。
その後、男が女性の自宅を訪ねてきたので、女性が玄関先で食器を見せると、男は「ほかに売りたいものはないか」と尋ねてきました。
女性は「ない」と答えましたが、男は強引に家にあがりこんで、押し入れやタンスなどを調べ始めたといいます。
女性は「やめてほしい」と伝えましたが男はやめようとせず、棚に置いてあった真珠のピアスを見つけてポケットに入れました。
女性は返して欲しいと伝え、ピアスは戻ってきましたが、男の行動は収まらず、自宅の2階まで上がり調べられたということです。
結局、男は買い取り代金として、現金300円と契約書をおいて立ち去ったということですが、その後女性がタンスなどを調べると、指輪やネックレスなどの貴金属がなくなっていたということです。
女性は、警察や役場に相談して県消費生活センターも紹介してもらいました。
その後、県消費生活センターが業者に対して、無条件で契約の解除を行うクーリングオフを行って、契約を取り消し、指輪やネックレスも戻ってきたということです。
県消費生活センターによると、こうした訪問販売をめぐるトラブルは、県内では令和2年度は53件、令和3年度は78件、相談が寄せられています。
このうち令和3年度の相談の年代別の内訳は、60代が7件、70代が18件、80代が19件と年代が上がるにつれて多くなっています。
今年度は18日までに、すでに18件の相談が寄せられているということです。
トラブルにあわないために
まずは訪問販売の業者を家にあげないことが大切です。
突然の訪問販売は特定商取引法で禁止されています。
仮に事前に電話があったとしても1人では対応せず、別のものを買い取ると言われたら、きっぱりと断りましょう。
また、居座ったり、強引に家にあがってきた場合は、110番通報して警察を呼んでください。