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青森大×NHK 大学生と未来考える 青森ミライラボ「人口減少と若者の未来」前編

執筆者佐藤裕太(記者)/ 吉永智哉(記者)
2023年03月14日 (火)

青森大×NHK 大学生と未来考える 青森ミライラボ「人口減少と若者の未来」前編

青森の未来を考える研究室「青森ミライラボ」。今回は、青森県が抱える最大の課題の1つ、人口減少と若者の未来についてです。

人口120万人割れの現実

青森県の人口は、ことし2月1日時点で119万8490人となり、120万人を割り込みました。120万人を下回るのは76年前の1947年以来です。人口減少の要因のひとつは、若い世代の人口流出です。
こちらのグラフは、去年1年間の月別の人口減少の数字を示したものです。

青森県推計人口

人口流出のピークは春先です。
多くの若者が就職や進学で県外に流出するためです。
若い世代が就職をはじめとする自分たちの将来についてどう捉えているのか。
青森大学の学生たちに協力してもらい、今の若者の「リアル」を探りました。

青森大学の学生とアンケート作成

青森大学とNHK青森

このプロジェクトに参加してくれた青森大学の学生は6人。監修は、地域振興に詳しい青森大学社会学部の櫛引素夫 教授にお願いしました。
まずは、学生たちに10年後、どのような生活を送っていると思うか聞きました。

学生とNHK記者、そして櫛引教授

学生(青森市出身)
「ゲーム関係の会社に勤めてみたいが、祖父の代から農家もやっているので継げるなら継ぎたい」。

学生(平川市出身)
「農業をやっている人が多い地域に育ったので、県内の地域農業の発展に何かしらの形で従事できていたらいい」。

漠然としたイメージながら、今後も県内で暮らしていきたいと考えているようでした。

板書する佐藤記者

では「同じ大学に通うほかの学生は自分の将来や青森の今後をどう考えているのか」。
青森大学のほかの学生からリアルな声を引き出そうと、彼らと一緒に質問案を考えました。

学生(平川市出身)
「県内での就職を考えているのか、県外での就職を考えているのか」。

学生(十和田市出身)
「仕事を選ぶ上で一番大事にすることは何かとかはやっぱり気になる」。


学生たちと考えた案をもとに、アンケート調査フォームを作成した

次々に出された案をもとに、インターネットを使ったアンケート調査フォームを作成。授業やゼミを通じて大学全体に協力を依頼し、去年12月に調査を行いました。
最終的に、青森大学の学生6人に1人にあたる、およそ200人から回答を得ました。

調査結果① 就職先の希望は県外志向

どこで働きたいか?

アンケートで最初に聞いたのは、「将来どこで働きたいか」です。
「卒業後、青森県外に就職したい」という学生は6割近くに上りました。
出身地別に見ると県外出身の学生の大半は、卒業と同時に青森県を離れる考えです。
一方、県内出身の学生の半数は県内に残る考えですが、4割は県外を希望しています。

調査結果② 仕事選びは安定志向

仕事選びは“安定”志向

一方、仕事選びでは「安定志向」が見えてきました。
「仕事選びで大切なことは?」という質問への回答です。
複数回答で、「収入が安定している」が最も多く、全体の7割あまりに上りました。
そして「やりがいを感じられる」のあとには「ワークライフバランスが整っている」「長く続けられる」が続いていて、「安定」重視の傾向が見えてきます。
実際、去年卒業した青森大学の学生の就職状況を見ると、青森県に就職した学生の割合は4割あまり。6割は首都圏など県外での就職を選んでいます。

調査結果③ 青森の将来 悲観的?

青森の将来をどう考えているか?

そして、青森県の将来についても聞きました。
「青森県の将来は、良い方向と悪い方向、どちらに向かっていくと考えていますか?」と5段階評価で聞きました。
「どちらでもない」を除くと「悪い方向」と考えた学生が多く、およそ4割。「良い方向」を上回りました。

調査結果④ 青森に絶対欲しいものは?

では、若い世代に青森にとどまってもらうにはどうすればいいのか?
「青森に絶対に欲しいもの」を自由に書いてもらいました。
その答えの傾向を、AIを使った分析により文字の大きさで表したのがこちらです。

青森に絶対欲しいもの

目立つのが「ショッピングモール」「若者」「映画館」などです。
調査に記入してもらった答えの内容を見ていきます。

「若者が楽しめるテーマパークやショッピングモールができたら青森はもっと栄えると思う」

「若者が残りたくなる施設」

「若者に人気のあるものや交通をよくしなければ、どんどん若い人たちはいなくなってしまう」

若者が集えるような場所や交通アクセスの向上などを求める声が聞かれました。こうした若者の声をどのように青森の今後に生かしていくべきか。

3月14日の「あっぷるワイド」では、青森の大人を代表して、20年前から「りんご娘」をプロデュースしてきたリンゴミュージック代表の樋川新一さんをスペシャルゲストに迎えてじっくり考えます。スタジオでの樋川さんの提言は、放送後に後編としてお送りします。

※青森大学の学生と調査は2回目です。去年行われた参議院選挙を前に学生たちが選挙についてどんな考えを持っているか調査を行いました。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください。
青森大学とコラボ 若者にとって選挙って?大学生が調査

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