ページの本文へ

  1. トップページ
  2. 記者記事
  3. 「かめちゃん」が似顔絵に込めた思い

「かめちゃん」が似顔絵に込めた思い

執筆者佐々文子(記者)
2022年11月28日 (月)

「かめちゃん」が似顔絵に込めた思い

みなさんは自分の似顔絵を描いてもらったことはありますか。
私はあります!それが、この似顔絵。
描いてくれたのは、むつ市の似顔絵アーティスト「かめちゃん」です。
彼女の存在を知ったのは、むつ支局に届いた1枚の取材依頼がきっかけでした。
地域のさまざまな職業の人が仕事のやりがいや魅力を伝える授業を小中学校で行うという内容で、その職業の中の「似顔絵アーティスト」という文字に私の目は釘付けに。
そんな人がむつ市にいるなら、ぜひ会ってみたい!
私も描いてもらいたい!と思って早速会いに行ってきました。
「かめちゃん」は、なぜ似顔絵を描き始めたのか、どんな思いで作品を描いているのか話を聞きました。

似顔絵アーティスト「かめちゃん」とは

小学生が見ている前で絵を描く室舘さん

子どもたちの前で似顔絵を描いているのが、むつ市の似顔絵アーティスト「かめちゃん」こと、室舘七恵さんです。

顔の輪郭や目鼻立ちなど特徴をとらえて、わずか5分ほどで目の前にいる子どもの似顔絵をかわいらしく完成させます。

似顔絵を描いてもらった児童

似顔絵を描いてもらった児童
「絵が上手じゃないとできない仕事なので、すごいなって思いました」。

マツコDX

室舘さんが描くのは、その人の特徴や個性を際立たせた人物画。
誰もが知っている有名人も独特のタッチでこんな風に描かれます。
むつ市内のイベントなどに出店して似顔絵を描いているほか、依頼を受け自宅でも描いていて、これまでに手がけた作品はおよそ850点に上ります。

似顔絵アーティスト 室舘七恵さん
「特徴を誇張して描くので、内面の特徴・個性までも、絵に表せる魅力があるのかなと思います」。

似顔絵を描き始めたきっかけは

室舘さんが初めて描いてもらった作品室舘さんが初めて描いてもらった作品

室舘さんが似顔絵に出会ったのは12年前。
東京の浅草で観光の記念になればとアーティストに初めて描いてもらったときに似顔絵のおもしろさや魅力に“はまった”そうです。

似顔絵アーティスト 室舘七恵さん
「描いてもらっている瞬間も完成した絵を見せてもらったときも、すごくおもしろくて、みんなで笑い合えたっていう時間に、すごく感動して自分もそんな絵を描いてみたいと思いました」。

家族4人の団らん

盛岡出身の室舘さんは、東京で似顔絵を描く技術を学んだあと、結婚を機に夫の故郷のむつ市に移り住みました。
2人の子どもを育てながら時間をやりくりして去年から本格的に、アーティストとして活動するようになりました。

「かめちゃん」という名前は、結婚前の旧姓「亀ヶ森」にちなんで、子どもの頃から呼ばれていた愛称だそうです。

似顔絵を描くお母さんをどう思っているのか室舘さんの絵が大好きな長男の栄瑠(はる)くんに聞いてみると、はにかみながら「じょうず!」と答えてくれました。

依頼を受けて描いたのは・・・

家族写真

私が取材に訪れた日、室舘さんが描いていたのは、ある家族の似顔絵でした。
家の新築祝いの贈り物にしたいと、その家族の知人から依頼されました。
手元にあるのは家族4人とペットの犬が写った1枚の写真。
室舘さんは想像力を膨らませて、直接会ったことがない人たちを写真を見ながら描いていきます。

完成した絵

似顔絵アーティスト 室舘七恵さん
「何年たっても新居が完成した時のうれしい気持ちを思い出してもらえたらと思って描きました」。

絵を受け取った家族の反応は

玄関で出迎えて絵を見る家族

室舘さんは似顔絵を依頼してくれた人と一緒に、完成した作品を家族の元に届けました。直接感想を聞くことができる貴重な機会です。

下川英樹さん
「実物よりも結構イケメンに描いてくださっていますね」。

下川美代子さん
「うれしいです。どこかでこういう似顔絵を描いてもらえたらいいねって言ってたんです。この絵のようにいつまでも笑顔があふれる家庭にしたいです」。

家の玄関で話す室舘さん

似顔絵アーティスト 室舘七恵さん
「実際にこんな風に声が聞けるとすごくうれしくて、この絵を見てこれからも皆さんで笑って過ごしていただけたらと思います」。

人柄や個性が伝わる、かわいくておもしろい似顔絵を描きたいという室舘さん。その絵には見る人を笑顔にしたいという思いが込められていました。

取材後記

室舘さんによると似顔絵は結婚式や卒園式などの記念に依頼する人が多いそうですが、中には思い出に残したいと亡くなった人の似顔絵を描いてほしいという依頼もあるそうです。私自身も描いてもらって自分はこんな風に見られているのかと、ちょっと新鮮な気持ちになりました。
今度、家族や友人に似顔絵を贈ってみようと思います。

この記事に関連するタグ

おすすめの記事

青森に忍び寄る円安の"影"

青森は国際都市? 私(浅井=記者)は青森県三沢市にあるNHKの支局で2019年の夏から勤務しています。市内にはアメリカ軍の基地が所在し、多くの軍関係者が住んでいて、彼らアメリカ人を取材する機会もあるほか、隣接する六ヶ所村には、原子力に関連する施設や研究所があり、フランス人をはじめ、さまざまな国から来た人たちが働いています。 しかし、日々の取材はそれだけではありません。 そのようなわけで、収穫の季節ごとに何度か取材をさせて頂く機会があります。そこで気がつくのは外国から来た労働者の多さ。 三沢市とその周辺は、「やませ」と呼ばれる偏東風が太平洋側から吹いて夏でも涼しい気候と柔らかな土壌を生かして、ながいもやにんにく、ごぼうなどの農業が盛んで全国屈指の生産量を誇っています。 農家の人たちに話を伺うと近年、日本の若者で担い手が不足していて、外国人労働者に頼っているということで、仕事をする上で欠かせない存在になっているのです。 ベトナム人や中国人、インドネシア人、最近では介護施設でネパール人を初めて受け入れ「開所式」を行ったという取材もしました。 このように青森県は意外にも国際色豊かな地域なのです。

執筆者 浅井遼(記者)
2022年11月25日 (金)