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大雨から1か月・龍飛崎観光にも影響続く 外ヶ浜の今

執筆者砂川侑花(記者)
2022年09月08日 (木)

大雨から1か月・龍飛崎観光にも影響続く 外ヶ浜の今

県内各地で浸水や農業被害などが相次いだ先月の大雨。被害の大きかった自治体や産業の1か月たった今をシリーズで伝えていきます。
4日目はわたし、青森放送局の砂川が、観光名所の龍飛崎のある外ヶ浜町の被害について伝えます。

三厩藤嶋地区

私が向かったのは、およそ60人が暮らす三厩藤嶋地区です。
龍飛崎にも近いこの地区では、8月4日、川の氾濫で壊れたり、土砂が流れ込んだりして40軒ほどの建物が被害にあいました。

被災した家々

今回訪れると、まだ被害を受けたままの住宅が目立ちました。
住民に話を聞くと、完全な復旧には遠い状況が見えてきました。

壁とかもみんな破られちゃっているのでこれ直さないと冬越せない。それでも間に合うか間に合わないか。

平舘元宇田地区

町の東側に位置する平舘元宇田地区です。
複数の場所で土砂崩れが発生し、地区の中を走る唯一の国道が寸断されるなどの被害が出ました。
このため、この地域に8月3日に出された避難の情報は、8月28日に解除されるまで、県内で最も長い1か月近くに及びました。
避難を続けていた濱田桃子さん(57)は当時の気持ちをこのように振り返ります。

濱田桃子さん
うちに帰れないんじゃないかなって。この地域なくなっちゃうかも、戻れるかなって。(避難所では)そこまで考えました。

濱田さんの家と川

濱田さんの家は大雨の直前に、建て替えたばかりでした。
避難所から帰宅して2週間足らず。土砂の撤去は終わりましたが、まだまだ不安は残ります。
家の横に川があるため、今後の雨でまた土砂が流れてくる心配があるためです。

濱田桃子さん
もうこんなこと二度とないように川の整備もしてもらいたい。定期的にでもやっぱり山の方とか見てもらって確認してもらいたいです。それが一番ですね。

龍飛崎

一方、町の主要産業、観光への影響も深刻です。

ガラガラの店内

観光名所、龍飛崎の近くにある飲食店では、道路が寸断された影響などで、夏休みのかき入れ時となる8月の来客数は、例年の半分に落ち込んだといいます。

レストハウス龍飛 オーナー
この時期に(客の)車がいないっていうのはショックでしたね。中泊町につながる国道の通行止めによる影響が一番ある。早く通れるようになってもらえれば助かります。

青森放送局の砂川侑花記者に聞く

Q.観光面の影響も大きいようですが、1か月たって観光客は戻ってきたんでしょうか?

砂川侑花記者
飲食店のオーナーも指摘していますが、中泊町の小泊地区と龍飛崎を結ぶ「竜泊ライン」と呼ばれる国道が複数の土砂崩れが起き、通行止めの状態が続いています。

地図

この道はドライブで人気なのですが、特にお盆の時期はこの竜泊ラインを含めて龍飛崎にいける海沿いの2つのルートが通行止めとなりました。冬になれば、このあたりを訪れる観光客は大幅に少なくなります。地元の観光業者は、冬になる前に早く開通して、観光客に戻ってきてほしいという切実な声が聞かれました。

Q.大雨から1か月たったが、皆さんの暮らしぶりは?

砂川侑花記者
被害が大きい地域ではまだまだ復旧が進んでいない地区も残っています。さらに、住民からは「また土砂崩れがあるのではないか」という不安な声も聞かれました。再びの雨への不安、さらに冬を前に復旧を終えられるのかという不安、今、町の人たちはこの2つに不安を感じながら復旧作業を進めています。

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