「いつも見ている北東アジアの地図を逆さにして見てください」。
私(浅井=記者)がNHK入局前に勤めていた防衛省で、入省時のある研修で言われたことです。周辺国の視線で日本を見るというのが、その目的でしたが、確かに地図を逆さにして見るとロシアや北朝鮮、さらに、中国が太平洋側に出ようとする際、日本列島は「防波堤」のように存在しているのがよく理解できたと記憶しています。
青森の重要性
その日本の北に位置し、日本海と太平洋をつなぐ津軽海峡もある青森県の三沢基地は安全保障を考える上で重要な存在と言えます。三沢基地には、最新鋭の戦闘機が配備されている航空自衛隊があるほか、アフガニスタンやイラクで作戦を遂行した経験を持つF16戦闘機を主とするアメリカ空軍の第35戦闘航空団などが駐留しています。三沢市の郊外には本州では唯一、空から地上への射撃や爆撃の訓練が行える三沢対地射爆撃場があり、三沢基地の所属ではない航空機も訓練を目的にたびたび飛来します。
また、青森県には各地に自衛隊やアメリカ軍の基地や関連施設が点在しています。自衛官の最上位の階級は「将」と言いますが、陸海空の自衛隊の「将」がそろっている都道府県は、実は東京と青森県だけなのです。