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青森と八戸の降雪量 なぜ違う?
細川高頌(記者)
2022年03月18日 (金)

今回は、3人の方から“雪”に関する投稿をいただきました。
私(細川)は大阪府出身ですが、初めて青森にきた5年前、雪の多さに驚いたことを覚えています。そこで最初に、青森と八戸ではどのくらいの違いがあるのか調べてみました。
2枚の写真は、2月22日の午後2時ごろに撮影した
青森市(左)と、八戸市(右)の様子です。
雪の違いは写真からも一目瞭然。
では、具体的な降雪量はどの程度違うのでしょうか。
2月23日時点の今シーズンの降雪量を比較してみました。
青森市と八戸市では5倍もの違いが。
なぜこんなにも違いがあるのか、気象予報士の阿見さんに聞いてみました。
阿見さん
冬になると“季節風”と呼ばれる西風や北風が吹きます。この風に流されて雪雲が津軽地方に流れ込んでくるんですね。そうすると、津軽地方で雪が本降りになります。
阿見さん
青森と三八上北の間には、高い山々が連なっています。季節風に流されて雪雲が山をのぼっていく過程でも雪が降るので雪雲からは水分が減ります。そして雪雲が山をくだるとさらに水分が減って、八戸市に流れ込むころには水分が少なくなり雲が消えます。その結果、八戸市では晴れる日が多くなるんです。
一方今回は、「雪ぴが落ちずにたまっているのをよくみかけ事故が起きるのではないか」という意見も寄せられました。
こちらは、投稿を寄せてくださった柿崎さんが撮影した写真です。
実はこういった雪が落ちてきた場合、大きな衝撃となるんです。
山形県にある防災科学技術研究所は、落雪の衝撃を調べる実験を行いました。
3メートルほどの高さから1辺の長さが40センチほどの雪を落とすと、木箱が大破。大きな衝撃が加わったことがわかります。
氷の塊が落ちると、固いフロントガラスに一気にひびが入りました。
実際、県内でも落雪によるけがが相次いでいます。
去年12月とことし1月の2か月で落雪によって5人がけがをしているんです。
また、同じ時期に県内で雪下ろしや除雪をしている際に死傷した人は139人で、雪の事故で死傷した人の9割以上を占めています。
事故を防ぐ注意点です。
1、2人以上で行い、ヘルメットや命綱を忘れない。
2、はしごを使う場合は足元も含めてしっかり固定し、定められた角度を守りましょう。
3、落ちた時のダメージを少なくするため、周りの雪を残すようにしましょう。
4、つららや落雪に十分注意しましょう。
県内で雪の被害にあった人の半数以上は70代以上の人たちです。
決して一人で作業せず、周りの人と声をかけあうようにしてください。
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