第4弾

こちら葛飾区亀有公園前派出所 × ゴールボール

プロデューサー・河村義治さんインタビュー

“激しいスポーツなので、いつもの「こち亀」っぽくドタバタできました”

「アニ×パラ」第4弾のオファーを受けたときは、どう思いましたか。

河村 「こち亀」は、テレビシリーズが終わってから、何度か特番の制作をしていましたが、今回1年ぶりに制作できるのはうれしかったです。「こち亀」とパラリンピックというのは、「面白い組み合わせだな」と感じました。「こち亀」のよさは、“面白く楽しくやる”ということだと思うので、あまり堅苦しいことにはとらわれずに、楽しくパラスポーツを紹介できる作品が作れればいいなという気持ちでした。

他局で放送されていた「こち亀」をNHKで放送することについては、いかがですか。

河村 先日(2018年9月)、NHKさんと日テレさんとでコラボ企画をやっていましたが、今、局の垣根がなくなってきていると思います。その波がアニメというジャンルにも来たのかなと。今回は、NHKさんらしくない、いつもどおりの「こち亀」を作ったつもりです。

ゴールボールとコラボすることについては、どう思いましたか。

河村 ゴールボールは激しいスポーツなので、これはいつもの「こち亀」っぽく、ドタバタできるなと思いました。やはり5分のアニメで「こち亀」感を出すためには、ドタバタやギャグは基本ですね。ゴールボールが「こち亀」のイメージに合うスポーツでよかったです。
僕自身、ゴールボールという競技は今回初めて知りました。実際に会場へ見学に行ったり、競技についてのDVDや武井壮さんがゴールボールに挑戦されている映像を見たりして作りました。僕のようにゴールボールをあまり知らない方もいらっしゃると思うので、「こち亀」にひかれて見てくださる方がいれば、ゴールボールの魅力も同時に知っていただけると思います。

制作する上で、特にこだわった部分について教えてください。

河村 アニメを通して、見ている人たちにゴールボールの激しさを知ってもらいたいと思ったので、激しい映像を作ることに力を入れました。普段のスポーツ中継だとなかなか置けないような場所にカメラを置くことができるのがアニメーションなので、そういった映像で迫力のあるシーンを作っています。
ただ、今回はパラスポーツのPRということで、あくまでその競技のルール内で「こち亀」っぽい激しさを表現しました。ゴールボールには、掛け声をかけてはいけない、ボールを投げるときは決められたエリアにバウンドさせなければならないなどのルールがあります。そういうルールは、アニメの中でもちゃんと守ってやっています。普段の「こち亀」だったら、コートの中だけにはおさまらず、あちこちでボールを投げ合っているでしょうね(笑)。

アニメの中で、両津(CV:ラサール石井)もゴールボールに挑戦していました。

河村 ゴールボールというパラスポーツと超人の両津がうまくコラボできたと思います。両津だったら目が見えないというハンディも、ほとんどないんじゃないかな。アニメの中で「(ボールが)見えた!」と言っていますが、両津なりの第六感で見えたのかもしれません(笑)。この5分のアニメで、いつもどおりの両津の頑丈さや悪だくみを表現できたと思います。

パラアスリートの天浦結希選手(CV:篠田麻里子)という新しいキャラクターも登場しました。

河村 “天浦”という名前は、ゴールボール女子日本代表の天摩選手と浦田選手の名前の頭文字をとって付けました。見た目もカワイく仕上がりましたね。

オリンピック&パラリンピックのある年にだけ目覚めるレアキャラクター、日暮 熟睡男(ひぐらし ねるお・CV:今井敦)の登場は、「こち亀」ファン待望の瞬間ですね。

河村 パラリンピックがテーマなので、日暮は絶対に出そうと決めていました。日暮の登場によって、よりドタバタ感を強調できましたね。おそらく「こち亀」ファンの皆さんは、パラリンピックと「こち亀」のコラボと聞くと、日暮が出てくるというのは絶対に分かると思うんですよ。その期待は裏切っちゃいけないという気持ちがありました。今回の日暮は、テレビシリーズより1.5倍くらいで凶悪にしていますので、楽しんでいただけると思います。

今回、テレビ版とWEB版でちがうラストシーンになっていますね。

河村 2パターン作れたのは楽しかったですね。元々は、両津が吹っ飛ばされてNHKっぽい建物に激突するというラストにしたくて作っていたんですが、どうせ使ってもらえないだろうと思っていました。だからWEB版で採用していただいて、驚きと「よかった!」という思いです。視聴者の皆さんには、両方のラストシーンを見ていただきたいです。

視聴者の皆さんに、今回の「アニ×パラ」をどう見ていただきたいですか。

河村 いつもどおり、テレビシリーズの「こち亀」の延長だと思って見ていただくのが一番いいと思います。両さんとパラリンピック、異色の組み合わせだとは思いますが、いつもの「こち亀」を楽しみながら、ゴールボールを知ってほしいです。アニメをきっかけに、ゴールボールについて検索して調べたり、実際に競技を見てもらえたりすると、こちらとしても作った意味がありますね。

本日は、ありがとうございました。