コラム・インタビュー|ニッポンアニメ100|NHK

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プロフィール

西川貴教(にしかわたかのり)

1970年、滋賀出身。1996年、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてデビュー。ミュージシャンとして国内外で活躍を続ける。NHK「紅白歌合戦」出場5回。2013年、水樹奈々とのコラボレーションで大きな反響を呼ぶ。2017年3月、Manga-Anime Guardians Project(経済産業省の海賊版対策強化事業)のカウンシラーに就任。

好きなアニメは
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
『攻殻機動隊 S.A.C.』
『BLACK LAGOON』
『ヨルムンガンド』

アーティスト 西川貴教

2017年4月4日

プロフィール

西川貴教(にしかわたかのり)

1970年、滋賀出身。1996年、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてデビュー。ミュージシャンとして国内外で活躍を続ける。NHK「紅白歌合戦」出場5回。2013年、水樹奈々とのコラボレーションで大きな反響を呼ぶ。2017年3月、Manga-Anime Guardians Project(経済産業省の海賊版対策強化事業)のカウンシラーに就任。

一番お好きなアニメーションは?
よく僕にそんなこと聞きますね(笑)本当に難しいなぁ。まぁ、作品というよりシリーズになってしまうんですが、絶対に欠くことのできないのは『機動戦士ガンダム』シリーズと『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズ(以下『攻殻機動隊 S.A.C.』)ですね。考え方や知見を増やしてくれる作品、一方向から物事を見るのではなくて、裏だったり斜めだったり、物事って色々な角度に見る視点があって、それをきちんと理解できるかどうかによって、その真髄が見えてくる。そういうことを表してくれた作品だなと感じています。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では主題歌を歌われていますね?
はい、キャストとしても参加しました。21世紀の新しいファーストガンダムを製作しようという意思で作られた作品なんですが、よもや、自分が幼いころに本当に衝撃を受けた『機動戦士ガンダム』がシリーズになり、自分が作品に関わるとは思ってもいなかったですから、そういった意味でも非常に思い出深い作品です。実際、すごく近い場所で、作り手のみなさんが作品に取り組んでいる姿を僕も一緒に体験することができたので、作り手側からの見方ができました。脚本や、それを扱う監督の思い、言ってしまえばエゴみたいなものがきちんと反映されている作品です。アニメという表現を使って何を投下するかを真剣に考えている、アニメを子供が見るものだと思ってナメて作っていないんです。まぁ、人が争う様を扱う作品なんですが、「非戦を問う」「戦争ってこんなに悲しい人たちを作るんだよ」ということをアニメを通して投げ掛け続け、そこの部分がすごく響いた作品。ファーストガンダムから続く「戦いは勧善懲悪ではなく、実は、それぞれがいろんな正義を持って戦っていて、その角度の違いによって、こんなに人は争ってしまうけれど、何が正しいとは言い切れないんじゃないか」ということを問いかけた作品だったと改めて思っています。
『攻殻機動隊 S.A.C.』の魅力は?
「攻殻機動隊」の中で、僕自身が一番のめり込んだシリーズなんですけれども、全編を通して「人間の魂って何なのだろうか」って問い続けられる作品ですよね。将来、人間の技術がどんどん発達していって、例えば、人体の補えないものを機械で補って、義体化させていく、電脳化させていくということになると、「じゃあ、魂って何なの?人間の概念って何なの?それを位置づけるものって何なのだろう?」と。作品の中で「もうとっくに人間の脳は電子化を始めている」「電脳化が始まっていた」「実は少しずつ蝕まれていということに、もっと早く気付くべきだった」というようなセリフがあるんですが、今の時代が正にそうだと思うんです。今、電車やちょっとした待ち合いで見ていると、全員が全員、間違いなくスマートフォンの画面を見ているんですよね、異常なことじゃないですか。これはもう、自分の記憶を外部データ化しているということじゃないかと。
作品で現実の未来を予測していた?
そう。恐らくこうなっていくだろうという未来を見てしまっているような感覚にさせられるんですよね。そして、ただ単に科学の領域の未来だけでなく、そこで起こり得る人間の犯罪も描いていて、そこに、スリルやサスペンスやバイオレンス、アクションが挟まって、きちんとエンターテインメントになっている、そこが、本当に素晴らしかったです。もう、菅野よう子さんのオープニングから引き込まれます。サウンドトラックも含めて大好きです!
ここ数年の作品でお好きなものは?
これも悩むんですが、『BLACK LAGOON』『ヨルムンガンド』かな。どちらも、自分の存在価値、つまり、何によって自分というものが認められ、今ここに自分がいるのかということを考えさせられる作品。『BLACK LAGOON』は東南アジアの都市で、荒事も請け負う運び屋の話で、日本人の主人公が巻き込まれて運び屋になっていくんだけど、(見る者に)「もしかしたら、自分の身の回り、すぐ側で起きていたかもしれない」と感じさせる。一方の 『ヨルムンガンド』はひとりの少年が、戦わざるを得ない状況の中で、「生きるとは何か」を考え、自分で選択していく成長の記録。
どちらも、すぐ隣で人が死ぬような状況、ある意味では、本当にアニメじゃないとできない表現がされていて、「人が苦悩する様を描く」ことのハードルの高さとおもしろさが伝わる作品ですね。
西川さんにとってアニメーションとは?
何だろうな…「想像の世界に近づけるもの」かな。人は誰でも、頭の中でいろんな想像や夢想をしますが、思い描けるものには、やっぱり限界があると思うんです。アニメは、そういう表現のハードルを飛び越えてくれる力がある。だからこそ引き込まれるし、自分の想像より少し先にあるものを自分に見せてくれたり、その中にある別の可能性に気付かせてくれたり…そうだな、考えるきっかけをくれるものだと思いますね。
ありがとうございました。
ありがとうございました。なんか渋いところ選びすぎたかな〜。あ、あと、女性に魅力を感じる作品は、やっぱ惹かれますよね。『BLACK LAGOON』はとにかく女性が強い、レヴィもバラライカもロベルタも。実際、女性は男性よりも機能的にできている、人間としてのスペックが素晴らしいので、女性には絶対かなわないと思うし、可愛いとかきれいだけじゃなく、女性が魅力的な作品はずっと残っていくと思うんですよね。
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