5月25日(水)
『真逆』のその後・・・
以前、『真逆』という言葉について取り上げました。辞書には載っていませんが、最近“正反対、まったく逆”の意味で使われている言葉ですね。その後、「映画業界のことばではありませんか?」とお便りをいただきました。調べたところ、照明技術の一つに【真逆】があることが分かりました。通常、人物などは正面からライトを当てますが、その逆、つまり頭の真後ろからライトを当てて、わざと顔を暗くする手法を【真逆】と呼んでいるのです。この手法は、アメリカの映画監督がレンブラントの絵からインスピレーションを得てはじめて取り入れ、日本の映画界でも昭和初期にはこの技法が使われるようになりました。ということは、80年近く前から「真逆」という言葉はあったと言えそうです。その後、芝居やテレビなどにも広がり、照明だけでなくカメラなども、正反対、180度逆の位置からとる時にも真逆を使うようになりました。最近、タレントが使うようになっていますが、その背景には照明担当やカメラマンが使っていた「真逆」の影響があったのかもしれません。ところで、「真反対」という言葉について、中国地方や九州地方、首都圏からも「真反対を何の違和感もなく使っています」というお便りをいただきました。ごく一部ですが、「真反対」を載せた辞書もあります。明治時代の小説の用例を出して“まったく反対であること。正反対。”と書かれていました。このように考えると「真反対」は、一般的に使われている言葉だと言えそうですね。