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野球中継に挑戦!2024NHKアナウンサー新人研修では神宮で大学野球を実況 講師はスポーツ冨坂和男アナ・澤田彩香アナ

  • 2024年5月31日

4月に入局した12人の新人アナウンサーたち。2か月にわたる研修も終盤にさしかかった5月半ば、野球実況実習に挑戦しました。実際に球場に出向き、試合を生で見ながらの実況。緊張感あふれる放送席の様子をお伝えします。

野球実況にチャレンジ!

NHKでは日々、テレビやラジオでさまざまなスポーツ中継を放送していて、野球だけでもプロ野球・MLB・高校野球に大学野球、社会人野球と多岐にわたります。「筋書きのないドラマ」をライブで伝えるスポーツ実況。目の前のプレーや試合状況を瞬時にことばで伝えるだけでなく、試合全体の流れをとらえたり、現場の熱気や臨場感を表現したりと、アナウンサーとしてのさまざまな能力が求められます。

今回、新人アナウンサーたちがやってきたのは、東京・明治神宮野球場。東都大学野球の春季リーグ・国学院大学 対 駒沢大学の試合を、ラジオでの放送を想定して実況します。

スポーツ実況がしたくて

左から指導担当の冨坂和男アナと新人戸﨑悠斗アナ

実況実習は2班に分かれ、それぞれ1イニングごとに交代で進められます。1回の表裏を担当するのは戸﨑悠斗アナ。隣で指導・サポートするのは冨坂和男アナウンサーです。野球はもちろん、オリンピックの現地中継など、多くのスポーツ実況を担当してきた大ベテランです。

戸﨑アナ、始まる前は「うわ~緊張する…」と漏らしていましたが、いざ試合が始まると…

戸﨑アナ

さぁ、試合が始まります。ピッチャー第一球…投げました!外、直球から入りますストライク。バッター、振るそぶりは見せません。

初めてとは思えない、よどみない実況っぷり!野球経験がある戸﨑アナ、じつはスポーツ実況がしたくてアナウンサーを志したんだそうです。
「いやいや、よくしゃべるじゃない!立派なもんだよ」と冨坂アナもびっくり。その上で、1回の表終了後にはこんなアドバイスが。

冨坂アナ

いまが何回の表裏どちらで、どちらの攻撃かということは繰り返し言いましょう。あとは、ピッチャーとバッターの右左も必ず言うようにしてください。ラジオの場合は、同じ情報でもどんどん繰り返した方が耳に残るので。

文字や図で、得点やどちらの攻撃かなどの情報が常に表示されているテレビとは違い、ラジオはすべての情報源が音声のみ。ピッチャーやバッターの右左やマウンドの状況など、試合状況を整理し、投球の合間などで繰り返し伝える必要があるのです。

1回裏が始まり、実況再開です。

指導担当の冨坂アナが指で球数を伝える
戸﨑アナ

1回の裏、駒沢大学の攻撃、先頭打者がいま左バッターボックスに入っています。ピッチャーは右投げ坂口…投球今度が5球目、セットポジションから…投げました。変化球うまく打っていった!セカンド正面!ファーストに送球は…アウト!いい当たりでしたがセカンドの正面となってしまいました。ピッチャー、うまく打たせて取りました。

冨坂アナからの指摘もしっかり取り入れ、試合の展開にもうまく対応しました。表情もいきいきとしていて楽しそう!試合は0対0のまま1回が終了し実況も交代です。

分からなくても…必死にトライ!

一方、これまであまり野球になじみのなかったアナウンサーにとっては、試合状況をスムーズに伝えることは簡単ではありません。実況に原稿はなく、リアルタイムで起こっていることを瞬時に伝えるだけでも一苦労です。

左から指導担当の澤田彩香アナと新人・油原さくらアナ

2回の実況を担当するのは油原さくらアナウンサー。指導担当は、これまで実況やリポーターとして数々のスポーツ中継に携わり、テレビ・ラジオで高校野球の実況を務めた澤田彩香アナウンサーです。

油原アナ、投げた球がボールかストライクかを、放送席から瞬時に判断することが難しい様子。また、「1ボール・2ストライク・1アウト・ランナー1塁…」といったカウントも、すっと口に出すことができません。野球中継ではよく耳にするワードですが、ふだんから言い慣れていないと、流れるように話すのは難しいんですね…。それでも油原アナは、分からないなりに、いまの状況・見えていることを自分のことばで描写して、必死にくらいついていきます。

澤田アナ

球数(いま何球目なのか)を、ピッチャーが投げるタイミングに遅れないように言おう。投げたあとは試合が動く可能性があるからね。

澤田アナからのアドバイスも受け、少しずつ口が回り、試合のテンポについていくことができるようになってきました。

さらに、参加者全員がそれぞれ1回ずつ実況し、7回裏で2度目の順番が回ってきた油原アナ。1度目よりも落ち着いて、ボールカウントやアウトカウント、得点差やどちらの攻撃かなど、試合の状況を伝えることができています。待っている間に練習したかいがありました!

試合が動く、そのとき…

0対0のまま進んだ試合が動いたのは6回裏。駒沢大学が、3番増見のヒットで2点を先制します。

実況は山口紗希アナウンサーです。

山口アナ

ピッチャー投げました。打って、えーっと、セカンドを抜けてボールがホームに帰ってきたが、セーフです!2点入りました!ランナーが2人戻ってきて2点入りました。

落ち着いた様子で、ひと言ひと言、確かめるように実況する山口アナウンサー。点が入ったあとは、伝えなければならない情報が盛りだくさんです。澤田アナがすかさずサポートします。

澤田アナ

何対何になりましたか?

山口アナ

現在、2対0で駒沢大学がリードしました。

澤田アナ

今のヒットは1・2塁間を抜けてどこに飛びましたか?

山口アナ

ライト?

澤田アナ

そうそう、「ライト前ヒット」とか「ライトへのヒット」ね。

澤田アナのサポートも借りながら、なんとか試合展開を伝えることができました。

実況でも「伝えたい」を大切に

2対0のまま試合は終了。全員、慣れないながらも、どうにかことばを発して実況にトライする姿が印象的でした。指導を務めた澤田アナも、その姿に「背筋が伸びる思いだった」と話してくれました。

指導担当 澤田彩香アナウンサー

野球の知識がある人とない人がいましたが、それぞれが、いま話せることばで一生懸命描写しようとしていて、思いが伝わってきました。しっかり伝えたいという強い思いをもって実況することが大事だと改めて感じましたね。それぞれ2回やって、成長スピードがすごくはやくて驚いたし、今後が楽しみです。

スポーツ実況は、赴任した地域局でさらに練習を重ねて担当することになります。

これまで、3回にわたってお伝えしてきた新人アナウンサーの研修リポート。最終回となる次回は、緊急報道実習についてお伝えします。

新人研修の様子はNHKプラスでも!

NHKプラスで2024年6月2日午前11:25まで見逃し配信中 ※画像をクリック!

今回お伝えした野球実況実習やニュースリード、緊急報道対応などの研修のようすは、NHKの広報番組「どーも、NHK」でもご紹介しました。NHKプラスで2024年6月2日午前11:25まで1週間見逃し配信中!

〈「どーも、NHK」の見逃し配信はこちらから〉(2024年6月2日午前11:25まで)

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