主にアナウンス室に在籍するアナウンサーが、趣味や仕事、日常の中で出会ったちょっといい話などを、思い思いに分かりやすい「ことば」でつづっていきます。


投稿者 北郷三穂子アナ

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ラジオ文芸館 「天国のベル」石田衣良 著

2017年03月07日 12:00

3月11日(土) ラジオ第1 午前8:05~8:45

アナウンサーの語りと音響効果で構成する“聞く短編小説” ラジオ文芸館
今週末は、神戸放送局の北郷三穂子アナウンサーが担当します。
朗読するのは、石田衣良の『天国のベル』です。そのあらすじです。

ある朝、突然耳が聞こえなくなった息子。
母親の尚美は、病院で心因性の難聴であること、
そしてなぜか「電話のベル」の音だけは聞こえるということを知る。
2年前、事故で夫を失ってから、一人で必死に2人の子どもを育ててきた尚美。
気晴らしになればと、病院で知り合った家族に誘われて家族旅行に出る。
旅先の部屋で、息子が突如とりあげた電話。
そして、その電話を置いた後、息子が語り出した言葉は、
生前知ることができなかった亡くなった夫の気持ち、そして家族へのメッセージを伝えるものだった。

以下、北郷アナウンサーの話です。
初めて担当するラジオ文芸館。大阪放送局の先輩、杉浦圭子アナウンサーに指導してもらいました。
ラジオ文芸館 「天国のベル」01
(左から杉浦アナ、私、音響効果・佐藤職員、音声・和田職員)

ラジオ文芸館 「天国のベル」02
(手に持ったカップや紙、ペンは、効果音の収録に使いました)

今回朗読した「天国のベル」は、石田衣良さんが、2001年、大阪で起きた児童殺傷事件の後、
遺された子どもたちにエールを送りたいと考え、様々な喪失によって止まってしまった
時間が再び流れ出すときを描いた短編小説集のうちの一作です。
作品の終盤「曇り空や、雨降りに耐え続ければ、
死者からでさえこんな素敵な贈りものをもらうことがあるのだ」という一節があります。
私は、この一節を読んだ時、東日本大震災で亡くなった南相馬の叔父と
叔母がプレゼントしてくれた子ども服が浮かびました。
10年前、生まれたばかりの私の娘へと送ってくれた何枚かの服の中には、
サイズが110や130など大き目のものもありました。
今になってようやくそれらの服がちょうど着られるようになった子どもたちの姿を見る時、
叔父と叔母が、亡くなった今も成長を祝福し、子育てを支えてくれているような気がします。
もちろん叔父も叔母もまさか自分があのような形で、あんなに早く亡くなるなんて思っていなかったと思いますが。
作品の中で“死者からの贈り物”が何だったのか・・・は、放送をお聞き頂ければと思います。

ラジオ文芸館 「天国のベル」03

北郷三穂子アナウンサーが担当するラジオ文芸館の放送日時です。
3月11日(土) ラジオ第1 午前8時5分~8時45分
どうぞお聞きください。

○  ラジオ文芸館ホームページ
東日本大震災から6年。ラジオ第1では、『これまで』と『これから』を見つめ、考える番組を多数、放送します。くわしくはこちらから。
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