主にアナウンス室に在籍するアナウンサーが、趣味や仕事、日常の中で出会ったちょっといい話などを、思い思いに分かりやすい「ことば」でつづっていきます。


投稿者 江藤泰彦アナ

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ラジオ文芸館 「日曜日の新郎たち」 吉田修一 著

2017年03月23日 12:00

3月25日(土)ラジオ第1 午前8:05~8:45

アナウンサーの語りと音響効果で構成する“聞く短編小説” ラジオ文芸館
今週末は、甲府放送局の江藤泰彦アナウンサーが担当します。
朗読する作品は、吉田修一の『日曜日の新郎たち』、そのあらすじです。

親類の結婚式で九州から上京してきた父が、主人公の男性に「東京見物」に連れて行けと言い出す。
観光などに全く興味がなく、絵にかいたような九州男児だった父。
3年前に母が他界して、頑固者だった父はすっかり変わった。
披露宴で酔いつぶれて帰ってきた父は「忘れようとすればするほど忘れられん」とつぶやく。
主人公も、かつて事故で亡くした婚約者のことをいまも忘れられない。
突然の死に打ちひしがれていたとき、父が不器用ながら励ましてくれたことを思い出す。
婚約者を亡くした主人公の男性と、連れ合いを亡くした頑固な父との心の交流の物語。

担当した江藤アナウンサーの話です。
吉田さんの小説には要所要所に、出身地の長崎弁が出てきます。
この小説の舞台は東京ですが、登場人物のほとんどが九州人(明言していませんが、言葉づかいの感じでは長崎人)
で、方言たっぷりです。
同じ長崎出身の私としては、この方言をラジオ文芸館でやってみたい、とずっと温めていた作品です。
“長崎弁ネイティブ”として恥ずかしくないよう頑張ったつもりですが、いかがでしょうか…?
主人公の父が、また絵にかいたような九州男児です。
頑固で無骨な中ににじむ不器用な優しさが人間臭く描かれ、
「故郷のお父さんたちって、こんな感じだなあ」と懐かしくなります。
小説には、それぞれに事情のある「新郎たち」が登場します。
新たな家庭を築く人、伴侶を失ったかつての新郎、そして目前で新郎になれなかった人…。
父と息子のやりとりを通して、「大切な人とともにある」とは
どういうことかというメッセージが、じんわりと伝わってきます。
読み終えた後、実家に電話したくなる、そんな作品です。

ラジオ文芸館 「日曜日の新郎たち」01

江藤泰彦アナウンサーが担当するラジオ文芸館の放送日時です。
3月25日(土) ラジオ第1 午前8時5分~8時45分
どうぞお聞きください。

ラジオ文芸館ホームページ