主にアナウンス室に在籍するアナウンサーが、趣味や仕事、日常の中で出会ったちょっといい話などを、思い思いに分かりやすい「ことば」でつづっていきます。


投稿者 大橋拓アナ

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20年後に見たアメリカは...

投稿日:2020年12月04日 09:00

先日、瀧川アナウンサーがブログで紹介していた、アメリカ大統領選挙の開票速報の裏側。今回、私もキャスターを支える立場として関わりました。
https://www.nhk.or.jp/a-room-blog/blog/439585.html

実は私、大統領選挙については、忘れられない思い出があります。20年前、ブッシュ候補とゴア候補が争った2000年の大統領選挙。フロリダ州で票の集計をめぐる混乱が起き、日本でも詳しく報道されました。私はそのとき中学生だったのですが、刻一刻と変わる情勢を見て、自分なりに思うことがあり、普及し始めたばかりのインターネットを駆使して、ホワイトハウスのホームページから、メッセージを送ったことがあります。

今となってはなかなかの行動ですよね(笑)

それ以来、大統領選挙には関心を持つようになり、選挙のたびに、民主党・共和党それぞれの予備選挙の段階からニュースを追うようになりました。

そして今年のはじめ、仕事でアメリカに行くことになったのですが、今年は4年に1度の大統領選挙の年。政治にまつわる様々な動きを現地で感じました。

年明けには、民主党の大統領候補を選ぶ予備選挙に向けたテレビ討論会が開かれていたのですが、とあるカフェでは、店内で放送されている討論会を、お店の外からものぞき込む人がいました。

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一方、サンフランシスコの中心部で遭遇したのは「妊娠中絶」に反対する人たちのデモ。

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そばには、「賛成」と「反対」で激しく言い合う人たちもいました。社会を二分してきた問題の、溝の深さを改めて感じる出来事でした。

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3月上旬にあった、予備選挙の投票日、いわゆる「スーパー・チューズデー」では、図書館に設けられた投票所の外まで、投票待ちの列が並んでいました。

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どんなに時間がかかったとしても、自分の1票を投じようとしている。あまり見たことがなかった光景でもあり、心を動かされました。 その後、私が帰国した後には、新型コロナが急拡大し、人種差別に対する抗議デモも広がりました。そうした中で迎えた投票日、この1年に見たいろんな出来事を思いながら、放送への準備をし、サポートをしました。

20年前に、テレビの前で大統領選挙の報道を見守っていた私にとっては想像もできないことでしたが、今年は、現地で選挙への熱量を感じ、開票速報に仕事で関わる、忘れられない1年になりました。

今回の大統領選挙は、アメリカ社会の「分断」を強く感じるものでした。ただ今回、選挙に向けた準備の中で開催した勉強会で、アメリカ政治の研究者が「アメリカには復原力がある」と話していたのが印象に残っています。その力は、「かつてなく分断されている」とも言われるアメリカを復原しうる力をもっているのかどうか。これからも、日本の、そして世界の動きに関心をもって仕事をしていきたいと思っています。